本文の先頭へ
LNJ Logo 牧子嘉丸のショート・ワールド(38) : 2016年レイバーネット流行語大賞
Home 検索
 



    第38回 2016年12月29日

2016年レイバーネット流行語大賞

 今年も残りわずか。恒例の(といっても今回初めてなんですが)レイバーネット流行語大賞が決定しました。解説つきで発表します。

 まずは第五位「盛り土」(モリド)

 本来は「土を盛る」という意味ですが、近年「ないところをあるように見せかける」という意味で使われるようになりました。建築業界では、コンクリに入れる鉄筋の数や、また鉄骨や木材などの本数を「モリド」してごまかすのは常識とされています。
 また、政務で買ったようにみせかけて、私物に使うのを「モリドる」といい、これも中央から地方まで議員の常識になっています。 これは築地市場が豊洲に移転しようとした時に、発生した問題から注目を浴びた言葉ですが、張本人の石腹黒太郎元知事は真実にモリドしようとして老醜の限りを見せています。早く本当に土を盛ってやりたいものだという声があがっています。
 なお、ここから転じて、女性がバストを豊かに見せるのを「モリ乳」、また男性が頭部の薄くなった部分を植毛するときは「モリ毛する」などと言います。

 第四位「土人」(ドジン)

 ほとんど死語でしたが、沖縄高江でよみがえりました。
 それにしても、「こら、どこさわっとんじゃ、ぼけ。このドジンが」という隊員の物言いと「こらっ。誰の足ふんどんじゃ。われ」という例の引っ越し屋の役員の権幕が似てると思いませんか。
 関西の風俗・言語に詳しい大阪維新大学の松井イチロー教授によると、これは関西のケイサツ・ヤクザ・ローム担当者などが相手を威嚇・恫喝するときの日常会話みたいなもので、本人も若い時はこれでブリブリいわしていたそうです。また「関西人は、どをつけて最上級にする表現法があるので、たまたま人にどをつけただけでしょう」と話しています。
 同じくスピード違反の常習者、元妻子への冷血漢、「不祥事の総合商社」との異名をとる、狡保(づるほ)沖縄担当相も「言論の自由で、差別とは認定できない」と発言。内閣も「あくまでも土地の人、土着の人をさして言った言葉で差別表現ではない」との認識で一致。
 ある政府関係者などは「ドジンがいけないなら、インド人とかアイルランド人も差別になるのか」と息巻いています。
 後世の歴史家は「2010年代から無恥無教養な蛮人輩が権力を握りはじめ、2016年にはヘイトクライムやレイシズムの嵐が吹き荒れた」と書き記すことになるでしょう。

 第三位「生前退位」(セイゼンタイイ)

 鬼十測で知られるデンデンツウや「死ぬまで働け!」のワダミなどで、最近若い社員に密かに流行している言葉です。「この会社で果たして『生前退位』できるかな」というようにブラック・ジョークとして使われています。
 未来ある新入社員が死んでも、社長は「生前退位」してオワリ。これが社風だからしかたないそうです。

 第二位「TPP」(ティピーピー)

 「とっくにパーになったパートナーシップ」の略。用例として、「あんな男はもうTPPよ」とか、「あんたとはTPPなのに、なんでしつこくつきまとうの!」とか言います。転じて、関係は清算しているのに、一縷の望みをかけて執拗・執着に相手を追いかけるストーカーのような人間を指して、「あのTPP野郎」などと言います。最近ではゴルフクラブを持って、アメリカまで追っかけた事例がありました。

 第一位「神ってる」(カミッテル)

 広島の鈴木選手が2試合連続でサヨナラ・ホームランを打って、広島カープを25年ぶりに優勝に導いたときに、監督が思わず叫んだ言葉が「神ってる」。神がかった活躍ということでしょう。
 しかし、こんな鈴木選手なんか目じゃないほど、超神ってる男がいます。何をしてもすべてうまくいく。ウソ・ゴマカシ・ハッタリ・言い訳なんでもござれで、支持率はうなぎ登り、選挙には大勝につぐ大勝、任期も延長して、まさに気分は終身大統領。年寄りにやるカネはないと年金法も強行、バクチで経済立て直しとカジノ法も強行。
 西でトランプが勝てば、飛んでいってこれから仲良くねと媚び、東からプーチンが来ればカネだけ取られ、スーダンで死んでこいと命じるかと思えば、ハワイで平和を誓う。
 とにかくどんな支離滅裂・滅茶苦茶・デタラメな内政・外交をしても、その人気はいささかも衰えない。付きに付きまくり、のりに乗りまくり、権力の頂点に立って笑いが止まらぬ超神ってる男。
 さて、来年のこの男の運命は。それを決めるのは神ではなくて、私たち自身です。


Created by staff01. Last modified on 2016-12-29 12:52:54 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について