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オバマ氏は被爆者を愚弄するのかーないない尽くしの広島訪問

2016年05月28日 | 核・被爆者と日米同盟

    
   

 27日のオバマ大統領の広島訪問を、多くのメディアが「歴史的」と称賛し、NHKも民放も「歓迎」「感動」する被爆者や市民を意識的にとりあげています。
 メディアのこうした現状、それによってつくられる社会の風潮に、大きな違和感と危機感を禁じえません。

 オバマ大統領の広島訪問のどこに「評価」できる部分があるでしょうか。冷静に事実を見れば、そこにあったのは、自らの花道を飾るレガシー(遺産)づくりの思惑と、日米(軍事)同盟のアピールだけだったではありませんか。被爆者・被爆地はそのためのダシにされたのです。

 平和公園での滞在時間わずか48分(17:25〜18:13)。
 「現職大統領初の広島訪問」はまさに、ないない尽くしでした。

 ★「謝罪」も礼もない…国際法違反のジェノサイド兵器・原爆を投下した国のトップとしての「謝罪」は、予想通り一言もありませんでした。「謝罪」どころか、献花の際に頭さえ下げませんでした(先のケリー国務長官同様)。

 ★原爆投下の過ちも認めない…「謝罪」とまでいかなくても、せめて「オバマ大統領は、原爆投下は間違っていたと表明するべきだ」(平岡敬元広島市長、21日付中国新聞)という声は少なくありませんでした。しかしオバマ氏はこれも完全に無視しました。

 ★資料館はろくに見ない…オバマ氏が平和(原爆)資料館に行ったことをもって「原爆の実相に触れた」と評したキャスターがいましたが、とんでもない話です。
  オバマ氏が資料館に入ったのは17:26、出てきたのが17:36。その間ちょうど10分です。しかも中で記帳したり、折鶴を中学生に渡すなどしていま す。いったい肝心の被爆資料を見る時間はどれくらいあったのでしょう。よくて数分というところでしょう。約2万点の資料のうちオバマ氏は数分で何点を見た というのでしょうか。
 NHKの被爆者アンケートでも88%(複数回答)が「資料館へ行ってほしい」と望んでいました。その声はむなしく踏みにじられ、わずか数分で「資料館へ行った」というアリバイづくりがされただけでした。

 ★被爆者とは会わない… 被爆者のもう一つの切なる願いは、被爆者に直接会って肉声を聴いてほしいということでした(共同通信の被爆者アンケートー5月23日付ーでは69%−複数 回答)。しかし、献花の場に招かれた被爆者はわずか3人(しかも被爆団体の幹部ら)だけ。それも「面会」にすぎず、およそ「話を聴く」というものではあり ませんでした(写真Α法

 ★朝鮮人被爆者の慰霊碑には行かない…植民地政策によって強制的に日本に 連れてこられるなどして被爆した朝鮮人は、広島で5万人、長崎で2万人といわれています(「韓国原爆被害者協会」調べ)。「オバマ訪広」が決まった直後か ら、韓国の被爆者団体は平和公園内にある「韓国被爆者慰霊碑」へも行くようオバマ氏に要請し、そのために26日には韓国から6人が訪日しました(写真 )。しかしオバマ氏は、スピーチの中で一言「朝鮮半島出身の被爆者」に触れただけで、慰霊碑には見向きもしませんでした。

 ★「核廃絶」の具体策も意欲もない… 注目された「所感」(スピーチ)は17分7秒に及びましたが、中身はまったく空疎。第三者的で抽象的な「戦争」論や「文明」論に終始し、肝心の「核廃絶」 に関する具体策、自分が何をするのかという具体的な決意・道筋は一切ありませんでした。「プラハ演説よりも後退」(直野章子九州大准教授、28日付中国新 聞)したもので、7年半の任期中、核廃絶に何ら成果を上げてこなかったオバマ氏の姿を象徴的に示すものでした。

 こうした「ないない尽くし」の一方、目に余ったのが、日米(軍事)同盟のアピールです。

 オバマ氏は広島に来る前にわざわざ岩国基地に立ち寄り、米軍兵士と自衛隊員を前に、「かつての敵国が強固な同盟国となった」と日米同盟を誇示しました(写真 法2縄米軍属の女性殺害遺棄事件などどこ吹く風です。
 そして岩国基地から広島へ向かう専用ヘリを先導させたのが、なんと4機のオスプレイでした(写真◆法どこまで沖縄を足蹴にすれば気が済むのでしょうか。

 スピーチの中でオバマ氏は日米の「同盟関係」と「友情」を強調し、それを受けた安倍首相が、「日米同盟は世界の希望」とフォローしました。(そもそも安倍首相がスピーチする時間があったら、少しでも被爆者と対話してはどうか)

 ★「今後へ期待」などまったくできない…オバマ氏のスピーチには不満をもちながらも、「これが出発点」などと今後に期待する(したい)被爆者・市民は少なくないでしょう。では「今後に期待」できるかといえば、まったく幻想でしかありません。
 大統領という絶対権力を持っていたこの7年半に、7200発(推定)の核弾頭のうち702発しか削減できなかったオバマ氏が、権力を失った後に何ができるというのでしょうか。
 そもそも、アメリカが「核抑止力」に固執し、日本が「核の傘」にたより、その日米が軍事同盟を強化する中で、核廃絶など期待できるはずがありません。それは現在進行形で、アメリカなど核保有国や日本が「核兵器禁止条約」に反対している事実を見ても明白です。

 結局、今回の「オバマ訪広」は何だったのでしょうか。

 「『核兵器のない世界』への具体的な道筋を示さず、来た意味がなかった。…被爆地や被爆者の存在を軍事同盟強化のだしにされたようだ」(佐久間邦彦広島県被団協理事長、28日付中国新聞)

 「自国が使った核兵器によって何が起こったかへの関心も感じられない抽象的な内容。原爆投下がいかに非人道的で、過ちであったか表明してほしかったが、完全に裏切られた」(森滝春子「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」共同代表、28日付中国新聞)

 そして森滝さんはこう指摘します。
 「和解や友情という名の下に、原爆投下の責任を追及できない空気がつくられている。…私たちはもっと怒るべきだ」(同)

「アリの一言」ブログより転載紹介


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