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原発の真の推進者・経産省の足元で反原発を叫ぶ〜「テントひろば4周年」集会

          笠原 眞弓

 9月11日、霞ヶ関2丁目交差点の経産省前にテントを張って4周年を迎えた。テント前ではもう記者会見が終盤を迎えていた。「出足オソッ」っと、自分を責めつつ、その気持ちに斉藤美智子さんの「ここにいらしても、テントの中に入っていては何にもなりません。ちゃんとテント前に座っていなければ……」の声がかぶる。

 斉藤さんは、ほぼ毎日、私がふらっと寄っても変わらずテント前に座っていらっしゃり、「みなさんさっさと通り過ぎるので、イントロしか話せない」とおっしゃりつつ、道行く人に訴えている。この日も、「戦争より悪いのは、原発です」と話しはじめ、嘘を教えた文部科学省を皮切りに、防衛省、経産省など霞ヶ関界隈の省庁を切った。

 川内原発からいらした向原さん、伊方原発から、元議員の服部さん、フリージャーナリストの発言が続き、パリの「よそものネット」からのメッセージも届いた。

 記者会見のあとは、「青鬼安倍を一刀両断」にとスイカ割を行った。「安倍スイカ」の割には、美味しかった。そうめんなども振舞われ、参加者の交流の時が過ぎた。武者姿で現われたのは、福島の伊達市からいらした方。度々抗議にいらしているとか。

 2部は、サンバ・ナファが、透明な声で「自分の庭につくれないものを、他人の庭に作っちゃダメだよ。(不正確かも)」と歌い、ジョニーHさんのパンチの効いた声が「ここはテントひろば。闘いは一つ。……思いは風に乗る。大義は我らにあり」と続いた。

 主催者挨拶は渕上太郎さん。「全国のみなさんによってテントは存続している」と。なぜここにテントを建てなければならなくなったかの経緯と、再稼働反対の拠点になってきたと。川内が稼働して、経産省は、次は伊方、高浜だとホッとしているかもしないが、川内は予想通りの事故が続いている。今後は「全世界の反原発に向かって断固闘いましょう」と挨拶をした。

 続いて「原発いらない福島の女たちの会」の黒田節子さんは、目の前の経産省の建物の中の役人に向かって、福島の思いを切々と訴えた。4年前ここで座り込みをしたとき、経産省の中に入ることができた。そこで、みんなが自分の言葉で泣きながら訴えた。今すぐ原発はやめてほしい。いまや放射能で子どもたちばかりか、大人の健康がおかされているのに、それを認めない。汚染は、太平洋を渡ってアメリカの西海岸にまで広がっている。廃炉への決断をと結んだ。

 福島の方々の話がつづき、川内原発のテントからも「再稼働したからといって、敗北ではない。稼動のスイッチを入れるのに、その日、全国から集まった人々によって封鎖され、誰一人正面ゲートから入ることはできなかった。10月に2号機の再稼働を目論んでいる。闘いは続く」。

 伊方は二人の発言があり、市民の意見も聞かない説明会を開いて1週間前に再稼働を容認した。リコールも考えているということだった。たんぽぽ舎の柳田さんは反原発を闘ってきた先輩として、共に闘う同士として、テントと歩んできたことを話し、「テントは、大きな可能性を全国の、世界の反原発運動に示し、激励した」と結んだ。

 ここのテントからアメーバーのように伸びて川内にテントを張り、もうすぐ1年になるという江田さん。原発を作った元凶は、経産省である。その足元でそのことを示すためにテントを張った。国民主権とは反することをしてきた自民党はもう限界だ。仙台の再稼働から1週間で蒸気が上がり、そのことになんの説明もない。その後の海水漏れも起こるべきして起きたと、普段の温厚な様子からは別人のような激しさで喝破した。

 先日、国会前でハンストをした学生も登壇。「安倍に怒りを感じてハンストをした。議会制民主主義の限界を感じて、沖縄に学んで、直接民意を伝えた。いま安倍を倒さなければ、勝手に未来を決めてしまう」と今の思いを語った。シュプレヒコールのあとは、制服向上委員会の「ダッダッ脱原発」で始まる3曲を歌ってくれた。

 最後は、経産省包囲ヒューマンチェーンである。国会前の安保法制案反対行動の人たちも合流し、経産省の煌々と明かりのつく窓に向かっての原発再稼働反対のシュプレヒコールが、夜空に響いた。多分、この声は届いているだろう。どんな気持ちで聞いているのかと、想像した。ヒューマンチェーンに向かって、「バカ、やめろ」と言いながら通り過ぎた若い、サラリーマン風の男性の将来が気になった。


Created by staff01. Last modified on 2015-09-12 15:24:58 Copyright: Default

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