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LNJ Logo シカゴ : 工場占拠の労働者たち工場のオーナーに〜ニュー・エラ・ウィンドウズ協同組合
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2013年5月9日、シカゴのニュー・エラ・ウィンドウズ協同組合がグランド・オープンしました。2008年12月、2012年2月の2度の工場占拠を闘って、求めるものを勝ち取ってきた彼らの、新しい時代(ニュー・エラ)の始まりです。(レイバーネット国際部 : わだともこ)

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 2008年12月、当時リパブリック・ウィンドウズ・アンド・ドアーズ社が突然閉鎖を決めたシカゴ郊外の工場を、ここで働いていたUE(全米電気・無線・機械労働組合)1110支部の労働者たちが占拠しました。6日間にわたる彼らの工場オキュパイは、国中の共感を呼び、2010年のレイバー映画祭で上映された、マイケル・ムーア監督の映画「キャピタリズム」のハイライトシーンにもなりました。

 占拠の結果、彼らは解雇手当の支払いと新オーナーによる操業継続を勝ち取りましたが、2012年2月、その新オーナー シリアス・エナジー社が、合理化のために生産拠点を統合する計画を立て、シカゴ工場の閉鎖を決めます。再び、十分な事前通告なく解雇されることになった彼らは2度目の工場占拠を行い、90日間の閉鎖猶予期間を設け、その間に新オーナーを見つけるための努力をすることを会社に認めさせました。
http://www.labornetjp.org/news/2012/1330082696396staff01参照)

 その猶予期間が同年5月24日に切れた後、彼らは協同組合ニュー・エラ・ウィンドウズを結成して、シリアス社から、生産設備を買い取ろうとしました。組合員が1000ドルずつ拠出するなどして、まず52万ドルをつくり、120万ドルでの買い取りを交渉している最中の7月初め、価格や支払い方法などに不満を持った会社側は一方的に事業清算を企図、組合とUEは裁判所に調停を申し立てる一方、支援者たちが、募金や、シリアス社や同社に融資しているシカゴの金融機関などに対する抗議署名を募っていました。そして −

5月9日付のレイバーノーツ記事 『工場占拠の労働者たち、工場のオーナーに』
http://www.labornotes.org/2013/05/republic-windows-sit-downers-become-worker-owners(ジェーン・スローター筆)の翻訳で、彼らの最新状況をご紹介します。

2008年12月、彼らがシカゴの工場内で座り込みんだ時、彼らは国中に元気をくれた。そして今、今度は”工場を所有する労働者たち”として、彼らは、再び私たちに元気をくれる機会を得ようとしている。

かつてリパブリック・ウィンドウズ・アンド・ドアーズで窓を生産していた労働者たちは、   逃げ出した所有者から生産設備を買い取った。今日(5月9日)の午後、彼らの工場ニュー・エラ・ウィンドゥズ協同組合は、より家賃の安い、以前キャンベル・スープの工場だった建屋で、全面操業の日を迎える。

「私たちは、以前にも、私たちの前に立ちはだかる障害を乗り越えてきました。」今もUE1110支部の委員長を務めるアーマンド・ロブレスは言う。「工場占拠のようなことをして、乗り越えてきたのです。今私たちが立ち向かっているのはこれまでとは全く違った障害です。」

労働組合は労働者を代表し続ける。実際、UEには、ニュー・エラのような、労働者が所有する事業所が加盟する協同組合部門がある。UEの組合員はメキシコに行き、UEの姉妹組合であるFATの協同組合部門のメンバーと会った。

協同組合に各々1000ドルを出資した18人(リパブリックとしてのピーク時には300人近い労働者がいた工場で、たった18人だ)の労働者によって、サンプルの生産が始まった。必要な資本総額は40万ドル以上。各労働者の出資分以外は、アメリカやアルゼンチンで生産者組合の立ち上げを支援してきたNPOのワーキング・ワールドが調達した。ワーキング・ワールドは、新事業が収益を上げるまで待つことを厭わない、以前とは異なる形での社会的責任投資を行おうという人々を見つけ出したのである。

ワーキング・ワールドの創設者ブレンダン・マーティンは、ニュー・エラで唯一人の、リパブリックの労働者出身ではない組合員であり、インターネットの利用や営業戦略といった、組合が必要としているビジネスの専門知識を提供している。

労働者の中には、1000ドルの出資金を、リパブリックの次の工場オーナーだったシリアス・マテリアルズが撤退した時に受け取った、給与3ヶ月分の解雇手当から捻出した人もいる。

管理者のいない職場

この工場には、文字通りの管理者というのはいない、とロブレスは言う。選挙で、工場リーダーのような人を選ぶことになるだろう、あとは取締役会ができる、とのことだ。賃金はまだ決まっていまい。

工場では、住宅向けおよび企業・事業所向けに、交換用ビニール窓を注文品、標準品として生産する、とロブレスは言う。ニュー・エラのウェブサイトでは、製品名に1110の数字が入った上げ下げ窓とFIX窓が、商品として紹介されている。

製品の価格は、シリアスの時より安くなる。ニュー・エラ協同組合は、以前の工場所有者であるリパブリック社が、非正規労働者のみを、諸手当等を払わずに雇って操業している窓工場と競争することになる。

ロブレスの目標は、一人一人の労働者が”全部の仕事を覚えること”だ。かつてのリパブリック時代には、お互いに技術を教えあうことをしないという傾向があった。今、ロブレスは、労働者全員が、事務仕事を含めた工場の全ての仕事を知るようになってほしいと思っている。ラテンアメリカ系やアフリカ系を含む、女性5人、男性13人の彼らは、誰ひとり、リパブリック時代にもシリアス時代にも、事務仕事はしたことがない。

ニュー・エラ協同組合は、すでに5つの注文を受けており、レイバーノーツの読者にも「シカゴに住んでいるなら窓を買って!」と呼びかけている。

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なお、アーマンド・ロブレスと、UE1110支部副委員長のリッキーことメルヴィン・マクリン、そしてワーキング・ワールドのブレンダン・マーティンの3人が、同じ5月9日午前(東部時間)、ニューヨークの独立メディア デモクラシー・ナウに出演しました。
http://www.democracynow.org/2013/5/9/chicago_workers_open_new_cooperatively_owned
アーマンドさんは、2009年デモクラシー・ナウが、昨年のレイバー映画祭上映作品「ザ・テイク」を取り上げた際にもこの番組に出演しており、その出演をきっかけにブレンダン・マーティンと知り合った、というエピソードが明かされています。

ニュー・エラ・ウィンドウズ協同組合のサイトはこちら
http://www.newerawindows.com/

写真=ニュー・エラ・ウィンドウズ協同組合


Created by staff01. Last modified on 2013-05-11 11:57:26 Copyright: Default

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