写真報告:派遣法改正へまったなし!日比谷野音に2500人 | |||||||
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雇用情勢がさらに厳しさを増すなか、「労働者派遣法」の抜本改正を求める集会が29日夜、都内で開かれた。会場の千代田区・日比谷公園野外音楽堂に労働組合、市民ら2500人が集まり、連立新政権に登録型派遣の原則禁止、公約実現などを求めて気勢をあげた。 集会には、各政党の国会議員も多数参加し、アピールを発した。 ■労政審の議論をめぐって 東京東部労組の須田光照さんが司会を務めた。全国ユニオン会長の鴨桃代さんが最初に発言。 派遣法の改正をめぐって労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の議論が続いているが、「登録型派遣禁止」について経営側は、「雇用が奪われる」などと大合唱している。「要らなくなったら切る」という使い勝手の良さを、企業は手放そうとしない。その結果、労働者の命と健康が脅かされてきた。鴨さんは「ありとあらゆる力を結集して、派遣法改正を実現しよう」と呼びかけた。 福島みずほ特命担当相(写真)は、「社民党は三党連立の合意事項に、緊急雇用対策を主張してきた。ハローワークで自殺対策を行なうなど、生きることへの支援をしていく。年内にも派遣法改正案がまとまろうとしているが、経済界は、『景気が悪くなる、雇用がなくなる、外国に企業が逃げていく』などと巻き返しに入っている。みなさんの大きな大きな運動で、来年の通常国会では必ず改正を法を成立させたい」と力を込めた。 ■まったく反省しない大企業 日本共産党の小池晃参院議員は、「いま大変な逆流が起きている。派遣法改正について、『職業選択の自由を奪う憲法違反』などという意見が、労政審の経営側から出ている。雇用を減らしてきたのは大企業ではないか。こういう状況だからキヤノンのカメラも、トヨタの車も買えないのだ。まったく反省のない大企業に思い知らせよう。立場の違いを超えてがんばろう」と声を張りあげた。 ルポライターの鎌田慧さん(写真)は、「派遣法は、やらずボッタクリ法だ。派遣法を改正することは、ピンハネの利益を守ろうとする経営者との、天下分け目の闘いだ」。「新政権は、若い人たちに夢と希望を与えなければならない。人間はモノじゃない。人件費を、人権を守る人権費に変えていこう。人間らしい生活ができるようにがんばろう」と訴えた。 ■同じことを続けていく 湯浅誠さん(写真)が発言に立った。鳩山新政権では国家戦略室の非常勤政策参与に選ばれた。湯浅さんは「私たちの要求はいつも後回しにされ、その結果、日本の貧困率は15・7%になった」と切り出した。「参与になって3日経ったが、やることは今までと同じ。政権内部で仲間を増やしていく。人々がいろんなところで、垣根を超えてつながることで、社会は変わっていく。今までの枠を超えていく。今後ともよろしくお願いします」。熱いライトを浴びながら、湯浅さんはいつもの冷静な口調で、参加者に語りかけていた。 講談師の神田香織さんも駆けつけていた。神田さんは、「世の中がこれほど悪くなったのは、国鉄分割民営化からだ」ときっぱり。国鉄労働者の不屈の闘いを描いた作品「1047士 国鉄労働者義士伝(ぽっぽやぎじでん)」の一部をこの日披露し、「貧困の最大の敵は、人々の無関心だ」と結んだ。 闘う現場からの報告の後、連立政府に対し、国民の強い付託に応えて一日も早い派遣法の抜本改正を迫る、集会アピールを採択した。 閉会後、参加者は国会請願デモに出発した。 「派遣切りは もうイヤだ!」「派遣法抜本改正を 実現しよう!」「公約どおり 実現しよう!」−−闇に包まれた官庁街に、力強いシュプレヒコールが響き渡った。林立する勇ましい旗が、夜の風に翻った。数団のデモ隊は、衆参の議員面会所前に並ぶ議員らの前でそれぞれ立ち止まり、こぶしを振り上げてエールを交換した。(報道部・Y) Created by staff01. Last modified on 2009-10-31 09:13:17 Copyright: Default |