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<名古屋ふれあいユニオン酒井徹さんの報告です。>

光精工:全組合員の直接雇用継続を約束
――「2009年問題の前哨戦」に堂々の勝利――
http://imadegawa.exblog.jp/9373831/

■3次にわたる波状ストで経営側を追いつめる
三重県桑名市に本社を置く
トヨタ下請の光精工(正社員労組は全トヨタ労連加盟)は
11日、
同社で働く外国人労働者約80名を組織する
三重県の個人加盟制労組・ユニオンみえと
団体交渉を行なった。
光精工は、
当初は派遣に戻すとしていた外国人労働者について、
直接雇用の更新を希望する全ての労働者を
契約更新すると通知。
ユニオンみえとの間では、
「全組合員の直接雇用をさらに6ヶ月延長し、
 その間に、
 雇用主、雇用期間問題、
 賃金などの諸問題について協議し、
 解決をめざす」との内容の合意が成立した。
先月19日以来、
3波にわたる波状ストを打ち抜き、
光精工を追いつめた、
ユニオンみえの光精工ユニット・「グルーポ光」80人の
大勝利だ!

■「クーリング」の手口は許されない!
光精工は長年にわたり、
偽装請負を続けてきたため、
いわば問題が前倒しされた形だが、
多くの企業では、
2007年の派遣法改正で
派遣可能期間が2年間延長されたちょうど2年後の
2009年、
一斉に派遣労働者に対して直接雇用義務が
発生する(いわゆる2009年問題)。
様々な企業がこの義務を免れようと、
種々の手口をあみ出してきた。
その中で
最も安易かつ簡便な手法として考えられてきたのが、
光精工のように、
一定期間 派遣労働者を直接雇用することによって
それまで3年間の派遣労働者使用歴を全部チャラにし、
その後 再び、
いったん直接雇用した労働者を派遣に戻すという、
いわゆる「クーリング」と呼ばれる手法であった。

しかしこのやり方が脱法行為であることは、
すでに わが名古屋ふれあいユニオンの
平田実男組合員が闘いとった
「ラポールサービス事件」名古屋地裁・高裁判決でも
はっきりと指摘されているところである。

■2009年、闘いは全国の派遣労働者に
今回の光精工の闘いは、
来るべき2009年問題のおりに、
全国の派遣労働者が安定した直接雇用を勝ち取れるか、
あるいは脱法行為が押し通り
一定の「クーリング」期間の後に労働者が
再び元の
不安定な派遣労働者に切り戻されてしまうのかをうらなう、
いわば「2009年問題」の前哨戦であった。
80名の団結と闘う労組の存在を武器に、
ストライキをもって実力で「クーリング」策動を粉砕した
ユニオンみえ「グルーポ光」の闘いは、
全国に散在する不安定雇用労働者の
貴重な財産となったのだ。

愛知県の派遣会社・ラポールサービスで
まさしくこの「クーリング」にあった
平田実男さんの「一人の決起」は、
同社の同僚であった
名古屋ふれあいユニオン現副委員長・平良マルコスさんとの
出会いによって、
「ラポールサービス事件」名古屋地裁・高裁判決に
結実した。
そしていま、
平田さんの闘いは
ユニオンみえ「グルーポ光」80人ストライキ闘争に
見事に引き継がれたのである。
そして2009年、
次はグルーポ光の闘いが
全国の派遣労働者の手に引き継がれるときが来る。

■「団結すれば絶対に負けない!」
ラポール事件裁判の勝利の際、
平田さんは、
「ブラジル人も闘えば勝った。
 日本人も泣き寝入りせずに頑張って」と
記者会見で全国の労働者にエールを送った。
「グルーポ光」80人は光精工構内デモを貫徹し、
ポルトガル語で「団結すれば絶対に負けない!」
というスローガンを繰り返し叫んだ。
「団結すれば絶対に負けない!」
まさしくこの事実が
はっきりと目に見える形で明らかになったのが、
今回の光精工闘争の最大の成果だといってよい。

ユニオンみえは10月12日、
三重県桑名市内で
「光精工の偽装直接雇用を粉砕し
 期間の定めのない雇用を実現する決起集会」を開催し、
130人の参加者と共に闘争勝利を宣言した。
集会には、
前日に団体交渉を闘った
光精工の経営陣も参加。
ユニオンみえの広岡方浄書記長が、
「とりあえず直接雇用を継続し、
 労使が誠意をもって解決していくことで
 昨日、合意が成立した。
 今日の集会には光精工の経営陣も
 お越しいただいている。
 ピケッティング闘争を含む全面ストは
 ギリギリの所で回避された。
 『グルーポ光』の80人は、
 『フレンド』をはじめとする派遣・請負会社を通じ
 光精工の中心業務を担ってきた。
 労働者が実力でこうした成果を勝ち取ったのは
 極めて先進的で貴重なものだ。
 『グルーポ光』のみなさん、おめでとう!」
と挨拶。

ユニオンみえの塩田至委員長は、
「光精工ではこれまで、
 ユニオン組合員だとわかると
 夜勤を外す、残業をさせないという
 嫌がらせがあった。
 会社側は『健康のため』などと言いながら、
 昨日の団体交渉の中でも
 『時間外勤務のやりたい人は
  派遣に戻れば100時間以上やる道もある』などと
 平然と言い放った。
 絶対に許せない。
 派遣労働者も自分たちが指揮命令し、
 安全配慮義務を負う労働者ではないのか。
 ユニオンみえの闘いで、
 直接雇用継続という大きな成果が引き出せた。
 本当によかった」と感想を述べた。

ユニオンみえ「グルーポ光」の
オオナリ・アレサンドロ代表も、
「今回の闘いは私たちのみならず、
 外国人労働者・そして派遣のみなさんの
 闘いでもあった。
 みなさん、本当にありがとう」とあいさつ。
ユニオンみえの事件を数多く引き受けている
弁護士の村田浩治さんも、
「まずは、
 裁判にならなくて本当によかった!
 派遣・請負のみなさんは
 明日がどうなるかわからない。
 裁判になれば不安に押しつぶされて
 最後まで闘えないケースも少なくない。
 松下プラズマ裁判原告の吉岡さんも、
 いつも不安と闘ってきた。
 みなさんの勝因は何といっても、
 最後まで諦めず、
 最後まで仲間を信じて闘った団結力だ。
 みなさんだけでなく、
 派遣労働者や全ての労働者の安定雇用に
 道を開く闘いとなった。
 これからも仲間を信頼して、
 連帯を大切にしてほしい!」と述べた。

■「闘うことで法律は生かされる」
なにわユニオンの中村研さんは、
「関西でも、
 南米人労働者からの労働相談が
 増えている。
 私たちの組合でも光精工の闘いをみんなに伝え、
 励みにしたい」とあいさつ。
社会民主党からは、
「経過を聞いて大変喜んでいる。
 だが、闘いはこれから。
 手をゆるめると必ず足下をすくわれる。
 いま、日本経済は調整局面をむかえている。
 会社は外国人・派遣など、
 切りやすいところから切ってくる。
 法律は弱者のもとに飛んでは来ない。
 闘うことで法律は初めて生かされる」との
激励があった。

一同は集会のあと、
「全ての労働者を直接雇え!」の横断幕を先頭に、
笛や太鼓の音を吹き鳴らしながら
桑名市内を明るく楽しくデモ行進した。

ピンハネ止めて直接雇え!
ピンハネ止めて給料上げろ!
光精工の闘いに続き、
全国津々浦々で
全ての派遣労働者の
直接・安定雇用を求める闘争を爆発させよう!


【参考記事】
トヨタ系光精工は直接雇用を継続せよ
http://imadegawa.exblog.jp/9297657/

Created by staff01. Last modified on 2008-10-15 12:01:28 Copyright: Default

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