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LNJ Logo 「原爆投下」で戦争が終わったのではない(たんぽぽ舎)
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たんぽぽ舎です。

☆☆★原爆投下で戦争が終わったのではない★☆☆
久間大臣の「原爆投下しょうがない」発言は誤り!

「ソ連の参戦」、「天皇制の防衛」が本当の理由!

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           結論

 アメリカによる広島、長崎での原爆投下実験のため、生き
残った被曝者の苦しみは50年を過ぎた現在も続き、また終戦
が遅れたため、ソ連の参戦となり、その結果としての朝鮮半
島の不安定は50年後の今なお続いている。

 アメリカは原爆を投下するためだけに、天皇制を利用して
戦争を3カ月も引き延ばしたのである。原爆を投下する目的
は、この新兵器の人的効果を知り、戦後の世界支配に利用す
ることであった。これに加えて、原爆開発に大金を使い果た
したことも関係する。成果を示さなければ、開発関係者は議
会に査問されるとの恐怖を抱いていた。量産されるプルトニ
ウム爆弾は不発弾になる可能性があったし、確実に爆発する
ウラン爆弾は1発しかなかったから、目標に投下して成果を
示すことは絶対に必要と判断したのだろう。

 では、アメリカは、なぜ原爆を2個も落としたのか。戦後
支配と議会の査問を避けるだけならば、広島だけで十分であ
る。それは、広島に用いた原爆はウラン爆弾であって、長崎
に落とした原爆はプルトニウム爆弾と種類が違うからである。
しかし、このプルトニウム爆弾は爆発だけならアラマゴード
砂漠ですでに成功している。それにもかかわらずこの原爆も
投下したのは、このプルトニウム爆弾の民間人に対する殺傷
効果も実験しておきたかっただけのことであろう。

 他方、日本にとって、この戦争は、ドイツ降伏の1945
年5月までは侵略戦争であった。しかし、それ以後も戦争を
続けたのは、できるだけ良い条件で天皇と天皇制を守るため
であった。天皇制との引き換えに、東京第3次空襲、沖縄戦
争、広島と長崎の原爆、その他の都市や農漁村での空襲や艦
砲射撃で、国民を数十万人も殺してしまったことをしっかり
と記憶に留めておくべきであろう。

 戦後、アメリカは、原爆投下によって日本占領作戦での米
国の戦死者の数は大幅に減ったと、言い訳している。これが
成立しないことは、アメリカ軍が、日本の軍事工場や鉄道・
道路などを攻撃せず、その抗戦能力を温存して、米軍の死者
を増やしていたことや、小倉(長崎)への原爆投下が、ソ連
の参戦を気にして11月から8月20日へ、そして8月11
日へ、8月9日へと何回も繰り上げたことからも明らかであ
る。

 他方、日本も、降伏というみじめなできごとでの面子を保
つために、原爆を利用した。それは、天皇が原爆の災害の大
きさを知り、戦争終結を決意したという話である。終戦当日
の朝日新聞の一面トップの見出しは「戦争終結の大詔渙発さ
る。新爆弾の惨害に大御心」とある(朝日新聞45・8・15)。
しかし、これが正しくないことは、御前会議などで降伏の結
論がほぼ出た後に長崎被爆の報告が入ったことからも明らか
である。

 不思議なのは、日ソ中立条約違反のソ連に対する戦後日本
政府のあいまいな態度である。しかし、これはソ連による天
皇制の容認との取引ではないかと考えられる。

 第二次大戦の特徴は、ドイツ軍によるゲルニカ爆撃(19
37)に始まり、日本軍による上海、南京、重慶(1937
〜38)への無差別爆撃、イギリスとドイツの相互無差別爆
撃、その延長線上のアメリカによる東京大空襲など日本全土
への無差別爆撃である。そして、その極限としての広島、長
崎(1945)への原爆投下は、アメリカ大統領と軍人たち
の歴史に残る残虐な戦争犯罪である。

 戦争なら何をしてもよいということにはならない筈である。

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注1. なお、この文は雑誌インパクション1998年8月号に
   掲載された23頁の論文の最後の2頁です。

注2. たんぽぽパンフ57番『原爆投下の謎と日本核武装の
   疑惑』槌田敦著、32頁、400円、2004年発行にインパク
   ションの文が掲載されています。

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