本文の先頭へ
LNJ Logo 闘えば勝つ、夢はかなう
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0301sasaki
Status: published
View


佐々木です。

本日3月1日、郵政4・28被免職者の池田実さんが元職場の赤羽郵便局に復帰 しました。26歳で解雇されて28年ぶりです。 池田さんはちょっとテレながらも、晴れやかな笑顔で局の中に入っていきました。

その郵政4・28勝利について「地域と労働運動」の最新号に拙文を書きました ので、同誌の許可を得て転載します。お読みいただければ幸いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー闘えば勝つ、夢はかなうー

 わたしが、4・28裁判の勝利決定委を聞いたのは2月13日の午後3時すぎ だった。2004年の高裁勝利から2年半以上が過ぎて、最高裁はいったい何を しているのか、まさか判決が覆ることはないだろうが、今の政治状況ではそれも わからないとモヤモヤとして気持ちがつのっていた。それが突然の勝利決定、あ の長い長い闘争が今終わったと言われても気持ちのほうがついていかない。何回 となく繰り返された郵政省前、全逓前での抗議行動が、その時の被免職者名古屋 さんや池田さんの姿が頭の中をよぎった。

 ビデオプレスが彼らを主人公にビデオを制作したのは2年前だった。だいぶ以 前から取材はしていたが、高裁の勝利判決がビデオを世に出す後押しをした。あ の時の感動は忘れられない。人間には、こんなにも心の底からの深い喜びがある のだと原告の人たちの顔を見て思った。四半世紀の歳月をかけた闘いの重みは、 はかりしれなかった。

 4・28の長い闘いはいわゆる労働争議のすべてのプロセスを表現している。 当局からの解雇、労働組合の裏切り、争議団の分裂、そして闘い続ける少数部分 が残った。しかし4・28問題と全逓の腐敗は、郵政ユニオンという新しい労組 を誕生させ、解雇を許さず、非正規の労働者を守る原則的な組合運動を生み出す ことになる。被免職者もこの運動の中心で大きな貢献をしてきた。池田さんを支 えに、解雇されたゆうメイトの女性が当局を相手に裁判に立ち上がったり、仲間 のゆうメイトを組織したりと、これは数多いエピソードのひとつにすぎないが、 かれらの運動はいつも弱い人たちを具体的に助ける運動だった。郵政省も全逓も 名前は変わったが、腐朽の度合いは増すばかりだ。それに比して被免職者たちの 28年は、決して華やかではないが、豊かな実りをもたらしている。

 最高裁決定後、名古屋さんたちは郵政公社に9項目の要求をつきつけた。その 中には「最高裁決定に従い、直ちに、原告7人全員の処分撤回を表明するのは当 然として、58人の免職者全員に『処分撤回・職場復帰』可能を通知すること」 という項目がある。仲間を大切にするってこういうことなのだとつくづく思う。 そして労働組合運動の原点をふりかえる。

 2月14日早朝、赤羽郵便局前には池田さんがいた。前日の最高裁の免職取り 消し決定を受け、就労を求めてやってきたのだ。当局は「連絡はまだない。被免 職者には後日連絡する」の一点張りだったが、いつもの居丈高な姿勢は影を潜め ていた。池田さんは局の仲間や地域の人々に感謝を述べ、最後に「闘えば勝つ、 夢はかなう」と言った。28年の争議をしめくくる最高の言葉を聞いた。
(ビデオプレス 佐々木有美)


Created by staff01. Last modified on 2007-03-01 22:23:16 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について