本文の先頭へ
LNJ Logo アスベスト対策基本法を〜国会議員への要請書
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 20060125m1
Status: published
View


すべてのアスベスト被害者に対する公正な補償、 アスベスト対策基本法の制定を求める要請

石綿対策全国連絡会議は労働組合や市民団体、アスベスト問題に関心を寄せる専門家や個人のネットワークとして、1987年に設立されて以来、アスベスト被害者とその家族、労働者や市民の相談に応じ、その取り組みを支援するとともに、「アスベスト規制法」の制定を呼びかけ、また、関係省庁や業界団体等に対する継続的働きかけや「2004年世界アスベスト東京会議(GAC)」開催を支えるなど、様々な取り組みを展開してきました。

クボタ・ショックから半年余り、国民は、アスベストの恐ろしさに不安を抱きつつ、すべてのアスベスト被害者に正義が実現されるか、また今度こそ「ノンアスベスト社会」に向けた道筋を確立できるか、見守ってきました。

私たちが10月22日から呼びかけた下記の請願署名に対して、日本全国津々浦々の地域・職場で、患者・家族の皆さんをはじめ様々な個人・団体がこの呼びかけに応えてくださり、本日までに、わずか3か月という短期間のうちに 「 1,461,730 」 筆の署名が集まりました。これは、まさに「国民の声」というべきです。

  1. アスベスト及びアスベスト含有製品の製造・販売・新たな使用等を速やかに全面禁止すること。
  2. アスベスト及びアスベスト含有製品の把握・管理・除去・廃棄などを含めた総合的対策を一元的に推進するための基本となる法律(仮称・アスベスト対策基本法)を制定すること。
  3. アスベストにばく露した者に対する健康管理制度を確立すること。
  4. アスベスト被害に関わる労災補償については、時効を適用しないこと。
  5. 労災補償が適用されないアスベスト被害について、労災補償に準じた療養・所得・遺族補償などの制度を確立すること。
  6. 中皮腫は原則すべて補償の対象とするとともに、中皮腫の数倍と言われるアスベスト肺がんなど中皮腫以外のアスベスト関連疾患も確実に補償を受けられるようにすること。

政府は今通常国会に、被害者救済新法案及び大気汚染防止法、廃棄物処理法、建築基準法、地方財政法の四法一括改正法案、その他の「総合対策」に係るものも含めた平成17年度補正予算案を提出しました。

それらの内容は、残念ながら、すべての被害者に対する公正な補償にも、真の総合的対策の確立にもほど遠いと言わざるを得ません。アスベストの誤った産業利用なしには起こり得なかった被害者はすべて、「隙間なく公正に」救済されなければなりません。通院や子供の就学、被害者の死亡後の遺族の生活補償等の問題に関する対応も不可欠ですし、「時効」や「低額年金」等の労災補償制度の問題点も解決されなければなりません。

アスベスト曝露者の健康管理や治療方法・体制の確立、最終的には健康被害の根絶、また、私たちの身のまわりに残された既存アスベストの把握・管理・除去・廃棄等、安全な無害化処理等々、戦略を立てて取り組まなければならない課題が山積みです。現時点で最善の体系を構築するとともに、その有効性の検証及び不断の改善に努めなければならず、そのためにも「アスベスト対策基本法」の制定が不可欠であると考えています。

国会審議にあたって、請願書名の趣旨の実現のためにご奮闘いただくともに、今後数十年間にわたって取り組んでいかなければならないアスベスト問題の解決に向けた努力を継続していただくよう、要請する次第です。

2006年1月23日 石綿対策全国連絡会議

100万人署名達成!なくせアスベスト被害、国会緊急集会参加者一同

私たちは、すべてのアスベスト被害者に対する公正な補償、 アスベスト対策基本法の制定を求めます!

石綿対策全国連絡会議 2006年1月23日 100万人署名達成!なくせアスベスト被害、国会緊急集会

石綿対策全国連絡会議は、アスベスト条約を採択した1986年のILO(国際労働機関)総会に 代表を送った日本労働組合総評議会(総評)の呼びかけにより1987年に設立された、労働組合や 市民団体、アスベスト問題に関心を寄せる専門家や個人のネットワークです。 代表委員: 冨山洋子(日本消費者連盟代表運営委員)、中島圭子(自治労労働局次長)、 佐藤正明(全建総連書記長)、天明佳臣(全国労働安全衛生センター連絡会議議長) 本日の集会には、全国各地から、アスベスト被害者とそのご家族も多数参加しています。

クボタ・ショック以降の経過の概略

2005年 6月 29日 クボタ・ショック―クボタ旧神崎工場(尼崎市)労働者・周辺住民のアスベスト被害発覚 7月 6日 石綿対策全国連、(社)日本石綿協会に要請書(8月29日回答) 7月 26日 石綿対策全国連、「アスベスト問題に係る総合的対策に関する提言」発表 7月 29日 第1回アスベスト問題に関する関係閣僚による会合「アスベスト問題への当面の対応」 8月 24日 石綿対策全国連、総選挙にあたり政党に対する公開質問状(9月1日回答公表) 8月 26日 第2回関係閣僚会合「アスベスト問題への当面の対応」改訂 9月 14日 石綿対策全国連、「アスベスト新法に対する緊急の意見表明」発表 9月 29日 第3回関係閣僚会合「アスベスト問題への当面の対応」再改訂 10月 22日 石綿対策全国連、「アスベスト対策基本法の制定、すべての被害者の補償を求める請願署名」開始 11月 29日 第4回関係閣僚会合「石綿による健康被害の救済に関する法律(仮称)案大綱」 12月 27日 第5回関係閣僚会合「アスベスト問題に係る総合対策」 2006年 1月 20日 通常国会開会、「石綿による健康被害の救済に関する法律案」、「石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案(廃棄物処理法、建築基準法、地方財政法を含めた四法一括改正案)」、補正予算案、提出される。 ※ 石綿対策全国連の提言等は、ウエブサイト(http://park3.wakwak.com/~banjan/)でご覧いただけます。

署名の集約状況と今後の取り組みの予定

10月22日に有楽町マリオン前から開始した署名集めは、患者・家族自身による震源地ともいえる兵庫・尼崎や奈良・王子での街頭署名、建設労働者をはじめとした労働組合の職場・地域からの取り組み、さらに多くの市民団体や医師・弁護士・建築士等々様々な専門家など、多くの団体・個人からのご賛同をいただきました。全国連の事務所には、大小の封筒や小包に入れられた署名が毎日届けられるという状況が続き、ウエブサイトから署名用紙をダウンロードするなどして、ご協力していただいている方々が、全国津々浦々にいらっしゃることが日々実感できました。おかげさまで、本日(1月23日)までに、目標とした100万筆を大幅に上回る以下の筆数を集約することができました。ご協力いただいた皆様方に心から感謝申し上げたいと思います。 「 署名数 1,461,730 筆 」

本日、これを国(衆参両院議長)に届けます。集会後に参加者全員で手分けをして、関係国会議員の皆様方に、本署名の趣旨の実現のために奮闘していただくよう要請いたします。 今後引き続き、国会議員に対する働きかけを継続するとともに、関係法案の審議の傍聴等に取り組み、また、来週月曜日30日には下記のとおり、集会と国会請願デモを実施します。ひとりでも多くの方々にご参加いただくようお願いいたします。今通常国会において、署名に寄せられた国民の願いが反映・実現されるよう各々の立場でできる努力をしていただくとともに、最後まで見守っていただきたいと思います。

集会名称:100万人署名達成!なくせアスベスト被害、国民決起集会 日時:2006年1月30日(月)13:00〜14:30、終了後国会請願デモ 会場:日比谷公会堂 主催:石綿対策全国連絡会議

署名の請願内容と政府の対応

以下に、本署名の6項目の請願事項の内容と、通常国会に提出された法律案、その他伝えられている政府の対応方針とのおおまかな比較を示します。

要請 アスベスト及びアスベスト含有製品の製造・販売・新たな使用等を速やかに全面禁止すること。 【政府の対応】 昨年末の「総合対策」で示された「2006年度中に全面禁止」の公約が、一月もたたないうちに反古にされるのではないかと危惧されます。

これまでの経過は、以下のとおりです。 2002年 6月 28日 坂口力厚生労働大臣(当時)が「原則禁止」導入方針表明 12月 12日 厚生労働省「石綿及び同含有製品の代替化等の調査結果の概要」公表 2003年 4月 4日 厚生労働省「石綿の代替化等検討委員会報告書」公表(前記調査の結果わかった現在市場に存在している石綿含有製品のうち、3種類の製品区分を除くすべての石綿含有製品の禁止を提言―この一連の経過が「原則禁止」と言ってきた根拠となっている) 10月 16日 改正労働安全衛生法施行令公布(10種類の石綿含有製品の禁止―ネガティブリスト) 2004年 10月 1日 改正労働安全衛生法施行令施行 2005年 4月 12日 参議院外交貿易委員会(ILO条約の締結の件)審議で澤雄司議員が質問→後日厚生労働省は同議員に2007年を目途にポジティブリスト化することを報告 6月 29日 クボタ・ショック→以降、2002年12月12日発表の調査から漏れていた石綿含有製品の存在が続々明らかになる(「原則禁止」ではなかった!) 7月 8日 尾辻秀久厚生労働大臣(当時)が「2008年度までに全面禁止」方針表明 7月 29日 第1回関係閣僚会合「アスベスト問題への当面の対応」では「遅くとも2008年までに全面禁止を達成するため代替化を促進するとともに、全面禁止の前倒しも含め、さらに早期の代替化を検討する。」 12月 27日 第5回関係閣僚会合「アスベスト問題に係る総合対策」で「全面禁止を前倒しして、関係法令の整備を行い2006年度中に措置する。」と公約。 2006年 1月 18日 厚生労働省「石綿製品の全面禁止に向けた石綿代替化等検討委員会報告書」公表→厚生労働省発表(http://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/01/h0118-2.html)によると、2006年度中にポジティブリスト化(禁止除外は7製品)、全面禁止の時期は明示されず(発表文は、7月29日の関係閣僚会合の方針を引用するだけで、12月27日の公約には一言もふれられていない)。

要請 アスベスト及びアスベスト含有製品の把握・管理・除去・廃棄などを含めた総合的対策を一元的に推進するための基本となる法律(仮称・アスベスト対策基本法)を制定すること。 【政府の対応】 アスベスト被害の根絶と「ノンアスベスト社会」の実現を目標とした、国の戦略・方針・体制を、今度こそ確立してほしいという趣旨ですが、「基本法の制定」は検討の俎上にすら上げられていないのではないかと危惧されます。既存の関係法令に関しては、戦略の不在に加えて、〜蠍澆痢崟姐臉」を欠き、◆峽箚屐廚眤燭、執行の確保も不十分等々の問題点を指摘してきましたが、提案されている四法一括改正法案も、それらを解消するものとはなっておらず、不十分です。クボタ・ショック以降も、縦割り行政の弊害が続いていると感じています。

国会に提出された政府の関連四法一括改正案の内容は、以下のとおりです。 大気汚染防止法の一部改正[環境省]―アスベストを使用している工作物(工場のプラント等)について、解体等の作業時における飛散防止対策の実施を義務づける。 地方財政法の一部改正[総務省]―地方公共団体が行う公共施設等に係るアスベストの除去に要する経費について、地方債の起債の特例対象とする。 建築基準法の一部改正[国土交通省]―建築物における健康被害を防止するため、吹き付けアスベスト、アスベスト含有吹き付けロックウール等の使用を規制する。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部改正[環境省]―今後大量に発生するアスベスト廃棄物について、溶融による無害化処理を促進・誘導するため、国の認定による特例制度を創設する。

要請 アスベストにばく露した者に対する健康管理制度を確立すること。 【政府の対応】 「調査研究の結果を踏まえ、アスベスト取扱作業者に対する健康管理手帳[労働安全衛生法に基づく制度]の交付要件等の見直しを行う」(総合対策)とされていますが、石綿対策全国連が提言しているように、仝鯢嫗仂歇圓3か月以上の石綿曝露作業従事者に拡大、◆崗鏤従事」要件を撤廃するとともに、K椰佑凌柔舛砲茲蕕沙業者の責任で交付手続をするようにし、げ甬遒領ァβ狄者についても遡及適用すること。また、ゼ蠶⊇蟷者が無料で健診を受けることのできる医療機関を全ての医療機関に拡大すること等が必要です。 「船員であった者に対する健康管理制度(12月15日より手帳の交付申請の受付開始)」が実施されたことは評価できますが、公務員労働者については、制度はあっても実績がありません。いずれも、前述の見直しの内容も含め、制度と運用両面の改善が必要でしょう。 自営業者については、制度が存在していません。今後とくに建設労働者等が最もリスクが高いことを考えれば、一人親方の建設作業従事者などの自営業者に対する健康管理制度を整備する必要がありますが、政府の対応には含まれていません。 尼崎市は12月26日に国に提出した要望で、胸膜プラーク所見が確認された者等、「経過観察が必要とされた市民に対し、労災における健康管理手帳に相当する支援措置を実施されたい。また、自治体が行っているアスペスト健康診断への財政的支援を実施されたい」としています。同様の要望や対策の必要性は、尼崎以外の地域でもあり、また、学校等における吹き付けアスベスト等に曝露した可能性のある児童・生徒・学生等の健康管理対策の考え方・あり方等も求められているわけですが、国の具体的対策はいまだ示されていません。

要請 アスベスト被害に関わる労災補償については、時効を適用しないこと。 【政府の対応】 被害者救済新法によって「労災補償を受けずに死亡した労働者の遺族に対する救済措置」を実施することとされていますが、提案されている内容は、後掲の比較表にみるように、時効問題を解決する内容とはなっていないばかりか、新法案の特別遺族年金の伝えられている額(一律年240万円)を下回る、低額の労災年金しか受給できていない被害労働者の遺族が放置されているという、現行労災補償制度の不備をあぶり出す結果となっています。


Created by staff01. Last modified on 2006-01-25 01:32:44 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について