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カサナグの会 児玉です

スービック・レイプ事件の裁判がマニラ・マカティ地方裁判所で行われています。被害者ニコルさんが4人の米海兵隊員を訴えています。フィリピンではレイプ被害者が米兵を訴えることは非常に困難ですが、支援団体、支援者などの態勢がやっと整い、事件7ヶ月後にやっと裁判が始まりました。裁判の報告が来ましたので転載します。

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7ヶ月前に4人の海兵隊員にレイプされたニコル(Nicole)さんは、6月2日の裁判で、彼女の災難が言葉によって再現される4時間を耐えた。

被告(米海兵隊員)側弁護士たちは、彼女の人格を貶めることを目的とした尋問を繰り返した。彼女が被告たちといるところを見られたバー・ネプチューン(Neptune Bar)が、接待係の女性と「貴賓室」という
名の個室を持つ、いかがわしい店であり、ニコルさんはそんな場所を深夜にうろつく人物だという印象をもたせようとしている。ベンジャミン・ポソン(Benjamin Pozon)判事は、そのような裁判に関係のない
尋問は控えるように注意を与えた。それでも繰り返し尋問している。

 市議会らしき建物の一室を借りた裁判所の中の、被告人たちから3メートルほど離れた場所に、彼女の席がある。彼女のセラピストで医者のジューン・ロペス(June Lopez)さんが彼女を抱きかかえ、そのまわ
りを何人かの女性たちが覆いになるように取り囲んでいた。22歳のニコルさんは静かにすすり泣いていた。

 第1回の裁判では、バーの警備員2名が証言した。どちらもニコルさんが泥酔状態で、歩くのもままならぬ様子だったことを証言。一人は、被告の一人(米海兵隊員)が彼女を背負って出てきて、彼女を車に「積んだ」のを目撃し、聞きもしないのに彼が「彼女は私と一緒だ。私たちはもう行かなければならない」と言ったので、不審に思い車のナンバーを控えた。

 聴聞のあとのインタビューでエバリン・ウルサ(Evalyn Ursua)弁護士は、証言の内容に満足したと言っている。合意の上でのセックスではないことが明らかになった。車に乗せられる前に、既にバーの中にいたときから、ニコルさんが酔いつぶれて自分がわからなくなっていたことが明らかになった。さらに、「レイプされることと、被害女性のキャラクターには何の関係もない。たとえ売春婦であってもレイプされない権利がある」とも語った。

 終了後、裁判のあいだ着ていたカーキ色のジャケットを女友達に着せておとりにし、黒のジャケットに着替えたニコルさんは「No pictures! No pictures!(写真を撮るな!写真を撮るな
!)」と連呼する女性たちの一群に囲まれて、裁判所をあとにした。しかし、それでも、カメラマンたちに包囲されてしまった。

http://blog.so-net.ne.jp/tamashige/

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米兵によるフィリピン・レイプ被害者が訴え

 フィリピン・スービックで2005年11月1日、22歳のフィリピン女性が4人の海兵隊員(沖縄駐留第31海兵隊遠征軍)によってレイプ被害を受けた。被害女性は、勇気をもって立ちあがり、重大な犯罪として訴えています。

米大使館で犯人保護
 4人の被告米兵は在比アメリカ大使館に保護されており、犯行そのものを否定し、2006年4月28日、マニラ・マカティ地方裁裁判所で罪状認否において証言そのものを拒否しました。
 米軍は犯罪者を保護し、比米軍事訪問協定(VFA)によって「時効」をむかえる1年後、フィリピン外に逃うとしています。これに対して原告弁護団とスービックレイプ被害者支援団(スービックレイプタスクフォース)は犯罪米兵のフィリピン司法による拘留を要求し、比米軍事訪問協定(VFA)は憲法違反であると訴えています。

フィリピン司法長官も犯人米兵擁護
 ゴンザレス・フィリピン司法長官が、4人のうち3人を従犯として格下げを行いました。(レイプ主犯は最高で無期懲役または死刑、従犯は最高20年の懲役)。後に裁判所がこれを拒否。

 韓米、比米、日米の各軍事協定と地位協定は、各国での犯罪米兵の拘留と裁判を妨害し、グローバル戦争をすすめる米軍再編強化のなかで、国際法における各国主権を侵害し、さらに各国の憲法を踏みにじっています。
 フィリピン・ピースサイクルは、今年の12回目のサイクリングキャラバンを通じて、原告弁護団のウルスア弁護士とタスクフォースの要請を受け、在日米軍の再編強化に反対するすべての日本のみなさんに、フィリピンでのこの闘いの報告を行い、また支援をお願い致します。

  フィリピンピースサイクル事務局 連絡先:0422-48-8918  
ブログ「カサナグの会」参照http://blog.so-net.ne.jp/tamashige/

<事実経過>
・2005年11月1日
 スービック元米海軍基地(現スービック経済開発地区)内で、比米軍事演習-バリカタン06に参加の沖縄駐留海兵隊員4人によるレイプ事件発生。
目撃証人、犯罪証拠による逮捕状執行に対し、在比アメリカ大使館がVFA協定をたてに、フィリピン司法当局による犯罪米兵の拘留を拒否。
・2006年3月18日、ゴンザレス・フィリピン司法長官が、4人のうち3人を従犯として格下げを行う。(レイプ主犯は最高で無期懲役または死刑、従犯は最高20年の懲役)。 オロンガポ地検の担当主任検事はこれを批判し辞任。女性人権機関は、これを「(司法長官が)被告の弁護をするもの」と非難。
・3月22日、スービックレイプ・タスクフォース結成、米大使館に保護されている4人の海兵隊員犯人の即時の身柄拘束を求め、VFAは憲法違反とした「動議」をオロンガポ地裁に提出、記者会見で発表。
・3月23日、オロンガポ地裁のレイプ事件担当判事が、判事の息子が米軍関係の法律事務所に勤務していたため忌避され、辞任、3/24予定の罪状認否が延期された。
・3月27日、最高裁は司法省の要請に応じて、レイプ事件の審理をオロンガポ地裁からマカティ地裁に移すことを承認。
・4月21日、罪状認否を4月28日に行うと発表
・4月27日、被害女性のための私選弁護士からなる原告弁護団に、元司法長官でギンゴナ副大統領、サギサグ上院議員、元フィリピン大学法学部長アガビン氏の3人を臨時の弁護団の法学の経験豊かなメンバーとして弁護団に加えた。
・4月28日、マカティ地裁裁判長が、ゴンザレス司法長官の「被告3人の共同正犯から従犯への降格指示」を拒否し、共同正犯として審理することを決定、同じこの日、同法廷では4被告がはじめて裁判所に法廷に出廷し、罪状認否が行われた。4被告は「不利益となる」として罪状認否そのものを拒否。今後4被告は、共同正犯として同裁判所の審理を受ける。
被害者原告の弁護団長のUrusua弁護士によれば、司法長官の介入を裁判所が拒否し、このまま4人への審理が進行する軌道に乗ったことは成功だ。今後、4人の身柄を裁判所が確保することと、VFA協定が憲法違反であることを追及していきたいと語った。
・5月3日、さらに担当検事1名の辞任が伝えられる。
レイプに反対する母親の会(Mothers against rape)が支援決定

(情報は、スービックレイプタスクフォース、先進的女性同盟(Kaisa-Ka,KPD)およびマニラ新聞、フィリピンインクワイアラー誌による)

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