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LNJ Logo 香港WTO抗議行動(レポートby小倉)
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News Item 20051215m1
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小倉です。

13日の行動では、韓国の農民のひとたちが海からコンベンションセ ンターへ泳いだり、機動隊と小競り合いになったりということで、地元のメディ アはかなりセンセーショナルに報じています。韓国からの参加者は総勢1600 名ほどで、9日のデモではまだ彼らの大半が到着していませんでしたが、13日 には全員がそろい、デモもかなり緊張感のあるものになりました。このデモで は、未確認情報ですが、韓国からの参加者数名が逮捕され、また海に飛び込んだ 人の中には、海水の温度が低くて体調が悪くなった人もいた模様。機動隊が使用 する催涙スプレーはかなり強力で、スプレーを浴びた人達はみな目をおさえてか なり苦しそうでした。

海に飛び込んだりというパフォーマンスを日本では冷やかに見る向きがあるかも しれないと危惧します。「そんなことしてもWTOは止められないダロウ。セン セーショナリズムだ」とか。しかし、オーストラリアから来たある活動家は「す ばらしいシンボリック・アクションだったよ」と褒めていました。僕もそうおも います。運動のなかでのシンボリック・アクションは、重要な政治的な意志表示 のひとつです。人々が身体を使って表現することには、直接WTOを阻止する行動 もあれば、デモのような意志表示もあります。意志表示はデモに限らないし、言 論に限定されるべきものでもない。シンボリック・アクションというのは日本で あまり聞かない言い回しですが、れっきとした意志表示、表現の自由の権利に含 まれるべき行為です。国旗を燃やすとかもそうです。こうした行為や街頭でのデ モは、WTOの会議に参加している各国政府は見守り、その意志表示の強さを推し 測っていることは確実です。こうしたコンベンションセンターをとりまく人々の さまざまな意志表示とセンターのなかでのロビー活動が相乗効果をもって政府代 表の行動を縛ることができる。

14日の午前中には、日本大使館への抗議行動があったようですが、私の周囲の日 本からの参加者は誰も情報を把握できておらず参加できていません。参加した方 がいれば、是非報告をお願いします。

昼からは、フォーカスやPARCなどが主催したAnother Future: Alternatives to the WTO and the Bretton Woods Institutions に途中から参加しました。オル タナティブという議論は非常に難しいと感じています。WTOやFTAの問題点は共有 できているとしても、そこから先のオルタナティブということになると、今すぐ に一人でもできること(フェアトレードなど)と長期的な経済のシステムそれ自 体の変更を必要とするようなグローバルな制度の変革問題を同時に議論すること はできないでしょう。前者は可能性が高い反面、そこから制度全体をひっくりか えせるかどうか。後者は現在の多国籍企業や資本の利益に誘導される市場経済を どのように否定するのか、それに代わる制度とは何か、それは結局のところ現在 の政府や国家、国際機関をどの程度ひていするものなのか、といった問題がまだ 十分に論議できていない。途上国からの参加者の中には、政府への期待が大きい ところもある。日本はまったく期待できない。この国民国家への期待の温度差 は、政権が代わるたびに一喜一憂するような問題に終始するのであれば、本質的 な問題の解決にはなならいだろう。とすれば、国家とか資本とかの基本的な性格 にたちもどって議論することが不可欠なのだけれど、「社会主義」という選択肢 を提起できるかといえば、それもまたまだ20世紀の社会主義の失敗の総括が十 分ではない。

午後2時から、ビクトリア公園では、韓国のKoPAなどが主催してアジアからの参 加者による集会が行われました。韓国の教職員組合から今日の午前中の行動の報 告、フィリピンの漁民、インドネシアの農民運動連盟、インドの移住労働者の運 動そして日本からな脱WTO草の根ネットワークの大野さんが発言しました。


Created by staff01. Last modified on 2005-12-15 12:11:26 Copyright: Default

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