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「分会長でなければ、やめていた」

平和な五体投地

パク・タソル記者/写真ジョンウン 2016.07.04 15:31

一度太鼓が鳴れば礼を始める。 ひざまずいて両腕と両足をずっと伸ばし、ぴったり地面にひれ伏す。 頭は下げて、額も地面に付ける。 からだの五つの部分が地面に付く。 双方のヒジと両膝、額。 五体投地は身体の五つの部分を地面に投じることから付けられた名前だ。 また太鼓の音が聞こえると立ち上がって歩き始める。 五体投地は仏教で礼拝をする方法の一つだ。 韓国語では「腹這い」という。 腹を地面に付けて這っていくという意味だ。

五体投地を決心した労働者たちは、何かを見せようとする人々だ。 大企業と政府が非正規職を量産して不法な解雇の刃を振り回す時、五体投地を敢行する。 五体投地に勇気が必要な理由は、容易ではないことだからだ。 宗教で五体投地が敬虔な儀式だとすれば、労働者にとっての五体投地は 「生活のどん底がいかに惨めかを確認する過程」だ。 108拝、三歩一拜などが最高のダイエット運動法だと言われるのは理由がある。 何度かひざまずいて立ち上がってみれば、めまいがする。 膝のサポーターなどで関節を保護するが、擦過傷を防ぐだけだ。 休息時間が重要だが、1時間程度続ければ、10分程度はばらばら広がって休む。

2014年のクリスマスイブから5日間、五体投地をしたキリュン電子分会のユ・フンヒ分会長の経験談を聞いた。 大方洞のキリュン本社から青瓦台まで行くコース。 白いチョゴリと、白いズボンで一歩一歩進んだ。 怒りが押し寄せた。 尻尾を切って逃げた社長に対する怒り、非正規職を拡散する政府に対する怒り、耐え難い寒さなどが彼女を苦しめた。 その怒りで三日粘った。 「分会長でなければ、やめたかった」という心情。 五体投地に参加する人々を見て、あと二日続けた。 彼女は市民の反応が他の集会やデモの時とは違うという点を成果にあげた。 信号灯が赤に変わる時も、横断歩道を渡り切れなかったが、 クラクションを鳴らす車はなかった。 全身で進むのを目で応援して、直接応援の言葉をかけたりもする。

警察は、平和だが市民の目を引くこの集会デモ方式は、ありがたくないようだ。 キリュン電子の五体投地に「民族衣装を着て団体で五体投地をするのは抵抗」であり、「騒動」だと規定した後、集会申告を返戻した。 双竜車解雇労働者たちが整理解雇に反対して五体投地をする時は、暴力的に鎮圧した。 ひざまずく人をそのまま持ち上げて投げ捨てた。 当時、救急車にも乗ったある労働者に対する1審の裁判が続いている。 平和な五体投地の準備も、法廷に立つ覚悟は必須要素だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-07-16 01:53:31 / Last modified on 2016-07-16 01:53:32 Copyright: Default

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