ファインテック高空籠城64日…健康診断のために煙突に上がった医者たち

人権委の事務総長も煙突に上がり、人権状態を確認

キム・ハンジュ記者 2018.01.14 16:39

64日間、高さ75mの煙突で座り込みをしている金属労組ファインテック支会のホン・ギタク、パク・チュノ組合員の健康を診断するために医者たちが煙突に上がった。医者たちは、組合員たちの健康は良くなく、煙突の現場は非常に劣悪だと明らかにした。

［出処:金属労組ファインテック支会］

先立ってファインテック支会の組合員二人は、雇用、団体協約、労働組合3継承を要求し、 2017年11月12日に木洞のソウルエネルギー公社内にある煙突に上がった。

1月14日午前11時頃、人道主義実践医師協議会のホン・ジョンウォン医師、キルボッ韓医師会のオ・チュンサン韓医師は直接煙突に上がり、組合員たちの健康を検診した。国家人権委員会のチョ・ヨンソン事務総長も同行して人権状況、組合員たちの意見を聞いた。

ホン・ジョンウォン医師は診断後の午後1時に煙突から降りて「寒さが続き凍傷のおそれがある」とし「煙突空間の幅は60〜80cmで、腰を伸ばせないほど狭い。パク・チュノ組合員は腰の痛みが深刻で、食事が制限されているために胃腸障害がある」と伝えた。

オ・チュンサン韓医師は「二人とも筋肉量がかなり減っており、ホン・ギタク組合員は首の椎間板ヘルニアが疑われる症状、ストレスによる火病反応を脈診で発見した」とし「診断後、症状に合う薬で治療し、風邪を予防する漢方薬を渡した。床は氷の塊のようで、ビニールテントなので雫が固まっており、生活しやすい環境では決してない」と明らかにした。

ホン・ギタク前支会長は検診後、煙突から電話で「先週の零下15度の寒さの時は本当に大変だった」とし「座込場は氷で囲まれ、床は冷気で身動きもできなかった。しかし10年以上戦っても、雇用一つなく、労組もできない世の中がくやしくて (座り込みを)止めることができない。文在寅(ムン・ジェイン)政府になっても資本家の世の中は変わっていない」と伝えた。

検診は約一時間ほど行われた。医者たちは煙突で血圧、血糖、神経などを検査した。血液検査は緑色病院で行う予定だ。ホン・ギタク、パク・チュノ組合員は、零下の寒さが続くが、敷物と毛布程度で保温を維持している状態だ。

一方、医者たちと共に煙突に上がった人権委のチョ・ヨンソン事務総長は「煙突の上は切迫した状況」だとし「組合員たちは人権委にスターフレックス(現ファインテック)のキム・セグォン代表が (雇用、労組、団体協約3継承の)合意事項を履行するように、政府、国会が動けという意見を伝えた。人権委は労使問題に介入できないが、危険な状況に置かれた労働者二人を考慮して、政府機関に要求する方法を探したい」と伝えた。

医者と人権委事務総長が高さ75mの煙突に上って下りるだけで1時間かかった。煙突は柱にそった螺旋階段で上がる曲線区間、次にははしごで上がる直線区間がある。

彼らは消防当局の支援で安全装備を着用した後に煙突に上がった。警察1人が煙突に上がる時に同行した。警察は煙突の上まで一緒に行こうとしたが、ホン・ギタク、パク・チュノ組合員の反発で真下で待機した。ファインテック支会によれば、事前に消防当局の安全要員の同行を要請したが、要員の安全問題で装備だけが提供された。

▲煙突に上がるオ・チュンサン韓医師、ホン・ジョンウォン医師、チョ・ヨンソン国家人権委事務総長［出処:キム・ハンジュ記者］

ファインテック労働者問題の解決を要求する市民社会団体は「零下10度前後の煙突生活は、それだけで殺人的だが、会社はまだ一度も対話を提案もせず、国会と労働部などの役割もない状態」とし「二人の労働者の煙突高空籠城が長期化しており、すでに危険な状況だ。スターフレックスのキム・セグォンはいますぐ3継承合意事項を履行するために、ファインテック労働者との対話に出てくるべきだ」と伝えた。

スターフレックスのキム・セグォン代表は、ファインテック支会のチャ・ガンホ副支会長の408日高空籠城の末に、 2015年7月、整理解雇労働者たちの雇用、労働組合、団体協約3継承に合意している。