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トウォン精工、昼間連続2交代で暮しが変わった

まっ暗な夜のライン止めた自動車工場、想像ではない現実

ウ・ヨンヘ記者 2011.06.01 14:24

まっ暗な夜、止まった自動車生産工場を想像できるだろうか?

おそらく不可能だろう。自動車産業が国家の競争力の責任を持つ韓国社会で、 生産が止まると国際市場から直撃を受け、国益に甚大な影響を及ぼすとしか 聞かされていなかったからだ。

だが京畿道安城にあるトウォン精工では、昼間連続2交代に転換し、夜間労働を なくした。想像を現実にしたのだ。

夜間労働撤廃、想像ではなく労働者の生活の要求

トウォン精工は労使合意で2010年9月21日、『昼間連続2交代』を施行した。 賃金体系は『月給制』に転換した。短時間でこうして勤務形態が変わったの ではない。

1998年、現代自動車労組が構造調整の代案として提示した『昼間連続2交代制』 は、同種の事業場に影響を与えた。完成車事業場はもちろん、部品業者事業場 も『昼間連続2交代制』を準備するために、使用者側と共同研究会を作り、 ゆっくり準備に入った。

トウォン精工もここに属する。5年の期間をかけて組合員に質問し、資料を集め た。支部の幹部は組合員の情緒を把握するために走り回った。そしてトウォン 精工の状況に合った勤務形態を研究していった。

トウォン精工労組(金属労組所属トウォン精工支会)が昼間連続2交代制を導入し ようとした理由は、『夜間労働撤廃で労働者の健康権確保』と『雇用安定』、 『時給制を月給制に転換して安定した生活賃金の確保』、『労働時間短縮による 雇用創出』にあった。そして導入要求の中には『人間らしい生』を『一緒に 暮らそう』というトウォン精工労働者の期待があった。

この中で何よりも重く提起されたのは、『夜間労働撤廃』と『月給制による 生活賃金確保』しようという要求だ。

トウォン精工の労働者はこれまで夜昼二交代で勤務してきた。基本給だけでは 生活賃金を確保できない賃金構造のため、残業、特別勤務などの夜間労働は続 いた。工場は週末も休まず動き、長時間労働は構造的に繰り返された。

10年、20年、ドゥウォン精工の労働者は深夜労働を続け、深夜労働による疾病 とストレス、筋骨格系疾患などとともに生きてきた。家では家族と一緒にいら れず、余暇の時間に家族が集まってご飯を食べるのも難しかった。

昼間連続2交代施行、労働者の生が変わり始めた

トウォン精工で16年間働いているPE製造チームのJ氏は10年間深夜労働をしてき た。夜昼10時間二交替で働きながら、基本給は4家族の生計を立てる生活賃金と しては非常に不足だった。J氏は残業と週末特別勤務をしながら休まず労働して きた。その結果、J氏は深刻な高脂血症に苦しむことになった。

彼は「昼間は、午後5時20分まで正規勤務をして、2時間残業した。残業や特別 勤務は賃金と直結するので欠かすことができなかった」とし、「残業をして、 やっと生活賃金になる構造」だったという。残業後に退勤して夕食を食べれば 9時を越えるので、昼間勤務の時も余暇時間は想像もできなかった。

夜間の場合は午前6時20分に退勤した。J氏は「しばらく眠り、12時から1時程度 に起きる。もっと寝たいが、昼は熟睡が難しい。夜働けばいつもある程度寝ら れるようになる。疲労を残したままで深夜労働を繰り返していた。さらに週末 に特別勤務をすると、子供たちも休んで妻も休んでいるのに、同じように深夜 労働をした」と、深夜労働が苦痛だったことを吐露した。

トウォン精工は昼間連続二交代を『8時間+8時間』にしている。午前の勤務者は 午前8時に出勤して午後4時に退勤、午後の勤務者は午後4時に出勤して午前12時 に退勤する。午前勤務が1組で、午後勤務が2組になっている。勤務班は一週間に 一回ずつ変わる。

健康回復、家族との時間増えて

昼間連続2交代制を施行してからの最大の変化は『余裕がある生』と『健康』を 取り戻したことだ。J氏は「初めは生活バターンが変わり、なじまなかった。体 が適応するのに時間がかかった。今8か月ほどだから。前はどうしてそんなに 働いたのかという気がする」と笑った。

彼は何よりも家族と一緒の時間が増え、週末には子供たちと遠足にも行き、 一緒に食事もできる余裕ができたと喜んでいた。同好会活動も始めた。

J氏は「初めは5時ぐらいに家に帰るので、子供たちが家にお父さんがいるのが とても変な気がするといった。『お父さん今日は出勤しなかったの?』と聞く ほどだった。今は子供たちがとてもよろこんでいる。子供たちともよく遊び、 晩の準備もして、一緒にご飯も食べ、近くの小学校に散歩にも行って運動をする 余裕ができた」とし「昔からしたかったボーリング同好会も始めた。時間的な 余裕がなくてできなかったことができるようになった」と伝えた。

また、J氏は深夜労働をしなくなり『何となく体調が良くなった』と、労組が言っ ていた『健康権確保』が正しかったことを改めて感じていると言う。「夜12時 に退勤し、午前8時、9時に起きれば本当に眠った気がする。以前の睡眠の質と は比較もできないほど熟睡できるようになった。本当に不思議なのは、やせた ことだ。高脂血症だったが、数値が900台で薬を飲む程度だったが、今は100台 になった。ほとんど何もしていないのにそうだ。していることはランニング・ マシンで少し歩いたり近所の散歩程度だが、健康が本当に良くなった。身体の リズムの変化が体で感じられる」と健康の変化に驚いていた。

トウォン精工支会の関係者は「勤務形態変更の後の変化を尋ねたアンケートで、 睡眠の質の上昇は60%、勤務の疲労が減ったが70%だった」とし「長い間、深夜 労働をした人ほど、身体適応速度が遅かった」とした。

組合員の応答によれば、健康のために運動する回数と時間が増え、一緒に家事 をする頻度が増え、家族と一緒の時間が増えた。深夜労働撤廃で労働者たちの 健康や生活の質の変化が著しく現れたのだ。

昼間連続2交代、労働者健康権を中心に考えるべき

全国で現代自動車、起亜自動車をはじめとする金属事業場では昼間連続2交代制 を何年も議論ばかりしている状況だ。ユソン企業は、周知のように使用者側が 具体案を拒否して職場閉鎖をする超強気の態度を取った。ではトウォン精工の 使用者側はどうか?

J氏は「会社も一応、深夜の固定管理費が減り、組合員の勤怠も良くなったと 満足しているようだ」と見た。また現在、昼間連続2交代制を推進している事業場 の労働者たちには「深夜労働がなくなり思っていたより良い。ぜひ昼間連続2交代制 を勝ち取ろう」と話した。

トウォン精工支会の関係者も「電気料金と管理労務費が節約でき、勤怠が良くて、 生産性が上がった。会社もこうした部分は認めている」と伝えた。

しかし「トウォン精工は労使間で長時間の議論を通じ、徹底的に準備して昼間 連続二交代制を施行した」と強調し「各事業場でも昼間連続二交代制施行のた めしっかりした取り組みが必要だ。何よりも労働者健康権を優先に考えなけれ ばならない」と言う。(記事提携=メディア忠清)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-06-02 03:44:37 / Last modified on 2011-06-02 03:44:39 Copyright: Default

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