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MB 3年、我執と独善で全てが逆行

[連続寄稿](1)独断と退行のMB 3年

イドフム(漢陽大) 2011.05.02 10:29

[編集者注]最近進歩教授3団体(民教協、教授労組、学団協)が合同で 〈独断と退行:李明博政権3年白書〉(メーデー)を発刊した。

彼らはこの本で李明博政権3年を評価し、現在の政治、経済、社会文化、統一、 環境すべての面で危機の極に達し、南北の戦争の危機、ダブルディップと金融 危機、二極化の深化による家族と社会の解体、4大河川地域の洪水の危険と原発 の安全事故の可能性の増大など、さまざまな災害が現実になる可能性があると 指摘した。だが報道機関とインターネットが統制され、対話を拒否して我執と 独善を続けるMBとその追従勢力にすべての権力が集中し、対応できるシステム もないと警告した。

また彼らは今、国民の多くが現政権に批判的で、政治、経済、社会文化、環境 などすべての領域で破局は遠くないという不安と自覚をしている段階とし、社 会的な談論を生産し、世論を造成して進歩的な理念と政策を国民に刻印させる 必要があると強調する。

この本の筆者たちが各部門の内容をまとめなおした文を16回にわたり連載する。

▲大統領就任式に立った李明博大統領[出処:青瓦台]

今、世界は新しい時代へと進んでいる。アナログ時代からデジタル社会へと息 つまるように移動しており、金融危機と二極化などの新自由主義の弊害を省察 し、市場を牽制し、正義の価値をたて、福祉を強化する方向へと旋回している。

米国中心の一極体制は崩れ、G-2のチャイメリカ(Chimerica)時代が『公式』に 発足した。ジャスミン革命の火花はアフリカと中東でごうごう燃え上がり、 あれほど強固だった独裁政権と王政体制が続々と崩壊している。

MB 3年、危機の極点に立った韓国社会

李明博政権3年、こうした世界の流れにもかかわらず、ただ独善と独断を続けた ため、今、韓国社会は危機の極にある。血を流して勝ち取った民主主義は形骸 だけが残されている。

現政権は、言論を制度的に統制できるようにメディア法を改悪し、朝鮮・中央・ 東亜と毎日経済が主導するコンソーシアムを総合編成チャンネル事業者(総編) に選び、放送局の社長とこれを統制する機構の首長を自分の操り人形に交替し た。対話の場であるインターネットさえミネルバの拘束以後、自由にコメントを 付けることもできない場になった。

これで言論は政権のラッパ手になって、検察は権力の執行者に転落し、最後の 砦である司法府もほとんど権力の手中でもてあそばれている。権力から一番自 由であるべき芸術と学問の領域まで鎖がかけられ、一番独立でなければならな い宗教も権力のパートナーになった。

特定の宗教と教会出身者が権力の上層部を占め、国家の政策も自由にしており、 他の宗教は直間接的にさまざまな弾圧を受けている。国民と言論の牽制、宗教 の間の均衡を失った政権の独善と腐敗は、極端に駆け上がっている。

BSE波動で、竜山惨事、言論掌握、双竜車と4大河川事業に至るまで、現政権が 実行した政策と事業からは民主主義の価値と手続きは消えた。現政権は権力の 維持に助けになることなら、民主的な手続きを無視するだけでなく、実定法に 違反することもはばからない。

反民主的な労働関係法を改正し、公務員労組の問題で見られるように公然と労 組破壊工作をし、双竜車のように抵抗する労働組織には光州虐殺を思い出させ る無慈悲な暴力を行使した。

こうした状況で、労働者の労働条件は甚大に悪化し、人生は極度に疲弊して、 労働災害で死んだり自殺する者が続出しており、家庭が崩壊することも頻繁だ。 860万人もの非正規職労働者は同じ仕事をしてもほぼ半額の賃金で、常時解雇の 不安の中で非人間的な労働に耐え、不当に切られてもまともに抗議さえできず、 通りをさまよっている。生存権の危機と公権力の暴力の中で労働者は手足を失っ て死ぬこともできず、やっと生存しており、相当数の労働者が死で最後の抵抗 をしている。

断絶した南北対話、拡大した親米事大主義

今、朝鮮半島は戦争状態にある。現政権は、執権の初期から多極体制を指向す る自主的な外交で東アジア平和体制を強固にすることから抜け出し、親米一辺 倒の事大外交を続け、主導権を失ったまま、東アジアの緊張を高めて対米従属 を深め、朝鮮半島を孤立させた。

南北対話を拒否してただ対北朝鮮強硬政策だけに固執し、その結果は延坪島に 砲弾が落ち、また朝鮮半島に戦争の暗雲が立ちこめた。今の南北関係は統一に 向かってたった一歩も進めないまま、6.25以前の状態に退行した。

親米事大外交は、国民の保健と経済にも深刻な危機を引き起こしている。牛肉 交渉でBSEをはじめ多くの病気を持つ米国産牛肉の統制が消え、国民の保健は危 機にある。韓米FTA交渉は経済の対米従属を深め、韓国だけで169の国内法を改 正しなければならないほどの、主権も譲り渡す不平等交渉だった。

現政権は、それでもこちらに有利だった自動車関連部門などで大幅に譲歩して むしろ毒素条項を追加した。そのため生産と輸出をするたびに米国の基準と要 求に合わせなければならず、米国の商品は良い条件で自由に韓国市場を掻き回 せるようになった。

特に、現在の規定のとおりなら、米国企業は政府の福祉政策が彼らの利益に反 すればいつでも市場の規制や企業の利益侵害を理由に訴訟ができる。今のとお りに両国で批准されると、与党も同意する時代的な大勢である福祉国家は不可 能だ。

MB政権があおる二極化の現実

現政権が一番強調した経済領域でも、危機と混乱は同じだ。現政権は747公約 (7%成長、4万ドル国民所得、世界経済7位大国)を掲げた。だが、経済の内実を 固めることは後回しにして、短期的な景気浮揚策だけに汲々とし、財閥と上位 1%のためだけの政策を執行した。

この結果はみじめだ。ITなどの先端産業と中小企業は没落し、政府の負債は 810兆ウォン、家計の負債は何と795兆4000億ウォンを越えた。「半減する」 と約束した青年失業率は8.5%にのぼる。二極化はさらに極端になった。

政権3年で大韓民国全体が企業化し、経済は上位1%だけのための財閥経済権力 独裁体制に転換した。金持ち減税と金融関連法改正で、持てる者の利益を高め、 貯蓄銀行は破産して再開発と福祉縮小で庶民経済は破産状態に達した。

この状況で物価は沸き上がり(4.5%)、私教育費は天井知らずに跳ね上がり、家 計の負債と利子負担は正常な生計が困難なほどになり、さらに伝貰大乱まで起 きたことで庶民の人生は崖っぷちに追いやられ、暮せないという怨念の声が天 を突き、苦痛のうめきは大地にあふれる。

いつ雇用を切られるのか、いつ家から追い出されるかわからない状況で、物価 と利子負担と伝貰費と教育費上昇で毎月の赤字の家計を借金で埋めに埋めて、 限界に達し、子供を殺して自殺をする人が相次いでいる。

それでも現政権は福祉費を削減した予算をかっぱらいで通過させて、分譲価格 の上限制廃止、総負債償還割合の規制緩和、4大河川など、土建事業オールイン して物価と家の価格を上げ、金持ちだけが豊かに暮らせる政策を進めることだ けに没頭している。

工程率が50%を越えた4大河川事業は、全国土を破壊して民族の乳腺である漢江、 洛東江、錦江、栄山江を腐水にして、数千点の周辺文化財を破壊し、逆に洪水 と浸水の可能性を高めた。土建事業にドライブをかけ、物価は上がり、技術の 発展と福祉は後退し、地域の民主主義は解体され地域共同体は崩壊している。

つまり、3年間で大韓民国は沈没し、庶民の人生は破綻に達した。これほど国全 体が危機に置かれた根本的な原因は、前の政権にあるわけでも、外部の状況に あるわけでもない。李明博政権が退行的な政策を推進することにあらゆる努力 をして、それについての対話を拒否して我執と独断を続けたためだ。

全てが後退したMB 3年、私たちがすべきこと

現政権は、これまで国民が血の汗で実現した自由と正義と平等の価値を毀損し たまま、多極体制を指向する自主的な平和外交と東アジア平和体制構築から、 親米一辺倒の事大外交と朝鮮半島孤立へ、統一から南北の戦争の危機へ、民主 主義から独裁ー、ITなどの先端産業の発展と中小企業の均衡発展から財閥経済 権力独裁体制へ、庶民福祉から民生の破綻へ、自由で人間的な教育から競争と 効率中心の技術伝授へ、人権と市民主権の確立から人権と市民主権の剥奪と侵 害へと退行させている。

こうした不正と破綻と危機に直面し、われわれがするべきことは3つある。一つ は『今ここで』これに抵抗し、また歴史の水車を正しい方向に戻すことだ。も う一つは強い記憶闘争を展開し、二度とこのような政権が登場しないように皆 の頭と細胞に刻印することだ。そしてもう一つは大衆のからだに宿る『自分の 中のMB』を追い出し、正義と平等と共生に向けた夢と情熱が国民すべての頭と 胸にまた芽を吹き、花を咲かせるようにすることだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-05-04 03:14:44 / Last modified on 2011-05-04 03:14:53 Copyright: Default

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