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韓国:ハンスト14日、キリュン電子前で
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不法を続ける警察…労働者は行く所がない

[記者の目] ハンスト14日、キリュン電子の閉じられた工場の門の前で

オドヨプ記者 odol@jinbo.net / 2006年09月07日9時10分

九老同盟ストライキで労働運動史の一ページを飾った九老工業団地で9月6日、 また歴史の一節が刻まれた。年を越した戦いだけに今何日目なのかを考えるよ り、ただ長期闘争事業場と呼ぶしかないキリュン電子の前で、労働者たちは工 場と業種・地域を超えた団結の力を見せた。

同僚を飢え死にさせるまいと、地域業種を超えて駆け付けた労働者たち。キリュン電子前をぎっしり埋めた。

鉄条網、頑固な鉄の扉でも足りず、工場の中にはバリケードと鉄条網で二重の防御が張られた。

ある浦項の建設労働者が高い正門の上に登ると、あわてて用役警備が駆け付ける。

ハンスト14日目、一週間前は頑張ったからと余裕で笑っていたキムソヨン分会 長の顔はやつれ、大きく響く声はない。カンファスク副分会長は一歩足を踏み 出すのもつらそうだ。

飢え死ぬのは労働者

飢えるのは労働者だ。毎日通勤してハンスト者の顔を見ても、まだ会社は法に 明示された交渉の場も持とうとしない。非正規職労働者の要求を聞き入れるよ りは生活困難者助け合いをすると、会社は公然と話すという。

キムソヨン分会長は言う。「もの乞いはしない」。ハンストをする理由も、交 渉をしてくれ、正規職にしてくれともの乞いをするのではない。堂々と話をす したい。当然の権利を命がけで得ようとする意志を見せることだという。

キリュン電子労働者はなにを間違えたのか? 彼らが年を越して、してきたこと を調べよう。法で保障された労働組合を作って交渉をしようといった。だが会 社は無返答だった。自分の工場で座り込みをして、会社は公権力を動員して、 工場の外で追い出して、監獄に送った。

法もまた、非正規職労働者が悪いのではなく、会社が不法派遣をしたという判 決を下した。会社の不法に対し、法に合わせて正規職として働けるようにして くれといった。法を犯した人は会社の中にいて、法に合わせて働きたい労働者 は工場の外で飢え、野宿をしている。

不法死守警察

9月6日、キリュン電子勝利決意大会の日だ。警察は法を犯して工場の中の人を 守るために、集会開始前に工場の中に入った。集会を終えた労働者たちが自分 の職場に入ろうとすると、黒い服の用役警備が労働者に消火時に使う消火器を 撃ってなる。水だけでなく消火粉末を人の顔にふきかけてなる。

警察は見守っている。消防士を火ではなく人に向けるのは明らかに不法なのに、 不法を後で守ってやっている。消火粉末を人に向ける行為をながめている。

三八度線は三八度線は... キリュン電子垣根にも鉄条網はある。鉄条網を取り払う労働者たち

徹底した防御、今回は徹底した攻撃。放水銃に消火粉末に。戦争だ。

放水銃を浴び、全身はぐっしょりぬれても、開ける、必ず開ける。

びっしょり水をかぶり、消火粉末でせき込み息ができない労働者たちは工場の 扉をあけた。今まで工場の中で不法を見ていた警官が盾を持って労働者を遮る。

集会参席者は警告をする。「お前らが扉をあけなければ、労働者たちは地域業 種を超えた団結の力でいつでも扉を開けることができる。だが進んで扉をあけ る機会を与える」とし、集会を終わらせた。

いらだっているのは使用者

いらだっているのは14日間ハンストをしている労働者ではない。会社が誠実に 交渉に出てくることを警告し、余裕を持って機会を与えた労働者は自信にあふ れている。警察まで工場の中に入れて(?)ぶるぶると震えている会社側の方が、 さらにいらだっているのである。

20年前の九老同盟ストライキの地域らしく、今日の集会には金属労組南部地域 の労働者と化繊連盟、浦項建設労働者など、約300人の労働者が駆け付けた。 正門を開く時は自分のことのように保身を図ることのない姿は涙ぐましかった。

特に同僚の葬儀を行い、大学路から大統領府まで十歩一拝をして涙を流して駆 け付けた浦項地域建設労働者たちは、誰よりも先頭に立って戦った。さらに高 い鉄扉、スキ間なく溶接された正門、さらにぎっしり囲まれた鉄条網、鉄の針 が打ち込まれた壁が、連帯する労働者の力で簡単に崩れたのだ。久しぶりに九 老らしい連帯の力を見せた集会だった。

返事のないキリュン電子...明るい希望という文句がわびしい。

行かせない。ある組合員が工場を守り、集会後に工場を出て行く警察の車を遮るが、車は組合員に向かって運転する。そうだ労働者は非正規労働者は警察に保護される資格もない存在だ。轢いていけ。

つらく苦しい取材

だが調子にのってはいけない。なぜ正当な声をあげて食を断つ痛みを甘受しな ければならないのか。順天、亀尾、清州をはじめ、全国から駆け付けた労働者 たちは、閉じた正門を開いても帰る足は重い。

キリュン電子の労働者は、いつになればラインの前に立てるのか、自分の命を かけたハンストはいつ終わるのか、約束がないためだ。

取材する心はつらく苦しい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-09-09 19:57:30 / Last modified on 2006-09-09 19:57:31 Copyright: Default

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