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東洋セメント非正規職勝利、セメント業界にナビ効果を与えるか?

[インタビュー]正規職を勝ち取って現場に戻る東洋セメント支部組合員

パク・タソル記者 2017.10.03 17:02

2015年に解雇された東洋セメント支部の組合員たちが来る10月16日から現場に復帰する。 非正規職の労働者たちが労働組合を作ってから解雇されるまでの時間は10ケ月、 解雇された後に復職するまでの時間は30か月だ。 解雇された時、すでに雇用労働部は彼らを正規職と判定した。 使用者側が彼らを正規職と認めるまで30か月かかっただけだ。

▲サムピョ本社があるソウル市鍾路区のイマビルの前に作られた野宿座込場

東洋セメントでは、これほどまでの反乱はなかっただろう。 正規職でもない非正規職労働者たちが労組を作り、正規職の判決を引き出したという。 従事者の半分以上を非正規職労働者で埋めていた会社としては、 これからの影響が恐ろしかったのだろう。 あわてた会社は江戸の仇を長崎で討つかのように、 復職どころか損賠仮差押えなどをかけて闘う労働者たちを瓦解させようとした。 だが解雇された組合員たちは2015年2月、雇用労働部から偽装請負の判定を引き出したことを始め、 ソウル中央地方法院でも不法派遣を認められた。 中央労働委員会は彼らの解雇は不当だと判決した。

長びく戦いで、組合員たちは減ったが、残った人々はますます強くなった。 彼らはあらゆる闘争方式を学び、非正規職-整理解雇撤廃、労働悪法廃止という大きな絵を描き始めた。 彼らはまずセメント業界の不法派遣問題をつきつける。 支部は復職のニュースを伝えながら 「当局はセメント業界に対して即刻特別勤労監督を行い、 直接雇用を命令しろ」とした。 また民主労総江原本部が主軸になって「セメント業界不法派遣申告センター」を作り、 サムピョセメントと共に正規職転換を要求する計画」だと明らかにした。

この小さくても大きな勝利が業界全体に蔓延する不法派遣を根絶する開始点になるだろうか? 去る9月28日、ソウル市鍾路区額ビルの前で開かれた東洋セメント支部闘争勝利報告大会で四人と会って話を聞いた。

934日の闘争を終えて、現場に復帰する心情は?

キム・ギョンネ東洋セメント支部主席副支部長:思ったよりはやく終わり、昨日まで実感がわかなかった。 今日は秋夕の賞与金が入ってきたが、ものすごい金が入っていた。 非正規職の名節の時のボーナスはやっと10万ウォンだったのに 「やっと正規職になったんだなあ!」と実感したよ。 現場にいる、今日も厳しく搾取されている非正規職の仲間のことを考えると胸が痛む。 完全な勝利でなく、残念な気がする。

どの点が残念か?

キム・ギョンネ東洋セメント支部主席副支部長:まだ現場には400人以上の下請非正規職労働者たちがいる。 集会、宣伝戦を行いながら、非正規職撤廃を叫んだが約束を守れなかった。 IMF以前には私の父もそうだが、三陟の労働者はみんな正規職だった。 ところが非正規職の輪を断ち切れずに残念だ。

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:正規職になって戻るが元職復帰ではない。 私たちが解雇され、他の下請企業が入ってきて働いている状態だ。 東洋セメント支部の39人を含み75人が今回戻る。 前から構想してきた何かのパートを作るというが、生産ラインに送るという。 会社は非正規職と正規職と混在すれば、また不法派遣事業場になるので私たちが働いていた非正規職の職場には戻さないだろう。 またその場が生産量と直結する業務だった。 例えば私たちが怠業やストライキでもすれば、途方もない打撃を受ける。

セメント業界初の偽装請負判定を受け、正規職を勝ち取った。現場の非正規職労働者の問題提起もあると思うか?

チェ・チャンス東洋セメント支部代議員:組合員だった人々は会社側に二度と問題提起しないという覚書を書いて復職した。 地位確認訴訟1審判決が出て、使用者側がこれまで受け取れなかったわずかな賃金を握らせて、放棄覚書を書かせた。 これから起きる法的な問題について訴訟かしないと言って。 それでも支部が正規職と確認されたので、その人を除くその他の非正規労働者は、 いつでもまた訴訟を提起できる状況になった。 会社側は妨害するだろうが。

現場に復帰してすべきことが明確になったようだ。

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:組織するしかない。 不法派遣、偽装請負が蔓延しているが、すべて叩いて行くことに合意したので、 会社に免罪符を与えることになるのではないか混乱したりもする。 だが法より闘争で突破する方が重要だと考えて、一日もはやく現場に戻ろうと戦った。 戻って、当該がこれについて問題を提起して、立ち上がれるようにする役割を果たしたい。

キム・ギョンネ東洋セメント支部主席副支部長:東洋セメントには東洋セメント支部とトゥソン支部、民主労総所属の二つ支部がある。 二つの支部がしっかりしていれば組織は難しくないと考える。 考え方によって違うから。 東洋支部は戦ってきた底力があるから、できる。 私たちがどうするかによって変わる余地は確かにある。

イ・イニョン東洋セメント支部組合員:私たちは生産部署に転換配置されるが、多分一箇所に集めないだろう。 現場の勤務状態が一か所に集まって働ける条件ではない。 一応、6週間の教育が終わって現場配置を見なければわからない。 教育期間にも多分弾圧は激しいだろう。 これに対応しなければならないが、連休が挟まっているので戻る前に対応する時間はとても短い。 少し心配があるが、今の組織力なら十分に粘れるだろう。

東洋セメントの今年の雇用現況を見ると昨年より所属外勤労が100人程度増えた。なぜ増えたのか?

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:日雇いのような人員がかなり増えた。 かれらが後でどうなるのかというと、例えば下請企業が東洋セメントで働くと募集する。 募集すれば人員会社から紹介を受けてきたり、フリーマーケットなどで見て、働きたいと言って働く。 しかし勤労契約書を書かずにそのまま働いていると、20日ほど経って、工場の正門で中に入れない。 なぜかと聞くと、警備がもうあなたは会社にこないでくれと言っていると伝える。 これまでの賃金は通帳に入れてやるから帰れと正門で防ぐ。

もうひとつの不当労働行為が起きているのか?

キム・ジニョン東洋セメント支部:そうだ。 サラリーマン職員を募集するように広告を出して働かせ、必要がなければ日割で計算してこれまでの給与は払うから出て行けという。 こんなことが何度もあって、ある中年女性が労組事務室にも訪ねてきた。 20日ほど働いたが、こんな退職通知を受け取ったと言う。 苦しくて尋ねたいが、行くところがないと言いながら。 そのうちに後で出てきた話は、会社が前から構想してきた何かのパートを作るという。 人員は75人必要だが、その中で正規職になる東洋セメント支部の39人も含まれていると。 残りは子会社から履歴書を受けるという。 私が考えるに、モデル的に人員を募集して働かせ、あれこれ考えるつもりのようだ。

その部署がどこか知っているか?

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:工場内で全く新しいことはしないだろう。 トゥソンでは解雇はしなかったが、元の仕事をさせないようにした。 機関車も走らせて、重機も扱う技能工だったが、その仕事はさせず、 清掃やスコップ作業のようなことをさせ始めた。 そして働く前に写真を取って、「やったのか、やらなかったのか」と言って困らせる。

会社で交渉中に小細工もした

イ・イニョン東洋セメント支部組合員:去る8月、2次交渉の時に使用者側から個別に復職通知書を回した。 9月中に日を決めて出勤しろといった。 トゥソンで4人、われわれの支部で1人がそのようにして復職通知書にサインした。 われわれの支部のその人は、20か月以上、生計のための仕事をしている状況だった。 とても力強い闘争をした仲間だが、家族も復職を催促する状況で、おそらく圧迫が強かったのだろう。

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:交渉中なのに個別に懐柔を試みようとしたのがけしからん。 使用者側は交渉する前にも個別に合意するという基調が強かった。 トゥソンと同じく、別に交渉しようといったし、民主労総は抜けろといった。 当該としか話さないといったが、われわれは上級団体がある労組だというと、 私達と交渉する意志がないと片付けた。

チェ・チャンス東洋セメント支部代議員:電話もして、携帯メールも送った。 その誠意で交渉をしなければならないということだ。

今回の合意で使用者側は50余億ウォンもの損賠仮差押えを解くことにした。労組からの訴訟はどうなるのか?

キム・ジニョン東洋セメント支部教宣部長:勤労者地位確認訴訟を民事で争っていたが、 その裁判は使用者側から控訴を取り下げることにした。 不当労働行為、不当解雇は中労委と会社の間の訴訟だ。 会社は中労委の不当解雇の判定に従わなかった。 その後、中労委の立場は裁判所の判断を待つということだったが、 民事訴訟と連係して顔色をうかがうということではないか? 民事の判決が出れば、それを参考にするというが、 もう私たちが合意したので使用者側が免罪符を受ける可能性が高いと考えている。

長期闘争、非正規職闘争労働者たちに言いたいことは?

キム・ギョンネ東洋セメント支部主席副支部長:力を落とさず、信じて闘争するように願う。 戦っただけ、得られる。 東洋セメント支部とトゥソン支部は一緒に戦いを続ける。 今は正規職になったが、解決されたわけではない。 非正規職は撤廃できず、整理解雇も撤廃できず、労働三権も争奪できず、労働悪法の撤廃もできず、戦い続けなければならない。 現場でも、外ででも戦い続けなければならない。 連帯が団結だから、連帯の力で戦おう。

イ・イニョン東洋セメント支部組合員:他の仲間たちが勝ち取った勝利を踏台として、自分たちの問題も解決できたのだろう。 もうセメント業界で私たちの事例を通じ、他の非正規職事業場の問題が一日も早く解決されることを願う。 労組を作って、多くの新しい歴史が生まれた。 東洋セメントで非正規職労組を作ったことも初めてで、 セメント業界で偽装請負の判定を受けたのも初めてで、 法的にすべて勝って戦ったのも初めてだった。 こうした事例が他の業者に反映され、一緒に力を得て戦い抜いてほしい。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-10-14 04:28:16 / Last modified on 2017-10-14 04:28:20 Copyright: Default

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