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経済特区の恩恵を受けながら青年を「不法派遣」に転落させた悪い企業

マンドヘラ、「不法派遣」痕跡隠し...鄭夢元一家の労組破壊シーズン2

ユン・ジヨン記者 2017.03.17 00:51

財界順位30位圏に入る大企業の系列会社の正規職だという。 給与水準と勤務環境は地域で最高水準、一生働ける会社だともいわれた。 20代〜30代初めの青年たちが求人の対象だった。 青年たちは大韓民国で初の経済特区である仁川松都に駆けつけた。 そしてドイツと国内企業が共に作った自動車部品メーカーの労働者になった。 そこで彼らは、聞いたこともない労務代行機関との勤労契約を締結した。 12時間ずつ夜昼二交代をして、時給7260ウォンを受け取った。 だが作業の指揮と命令は元請の職員の所管だった。 話では聞いていた不法派遣だった。 労働組合を組織すると、元請の管理者たちが懐柔と脅迫をした。 労組結成から一か月で「一生働ける会社」と大声を上げていた下請け業者は廃業を宣言した。 大韓民国経済特区1号の仁川松都にある(株)マンドヘラエレクトロニクスの事業場で行われたことだ。

[出処:マンドヘラ ホームページ]

一生働ける正規職? マンドヘラの不法派遣隠し

採用情報はもっともらしかった。 漢拏グループ系列の自動車電子部品生産社員を募集するという広告だった。 広告文には「当社正職員として長期間勤務が可能で、 仁川地域内では給与水準と勤務環境は最高」と記載されていた。 漢拏ホールディングスが50%の株式を保有する(株)マンドヘラの就職情報であった。

漢拏系列会社の正規職社員という虚像は、いくらも経たないうちにこなごなになった。 マンドヘラに入社した生産職労働者たちはソウルコミュニケーション(SC)とHRTCという請負業者との勤労契約を結んだ。 作業場ではマンドヘラのロゴがついた作業服を着ていたが、彼らはマンドヘラの職員ではなかった。 その一方で、業務指示と監督、人事権限などは元請の職員にあった。 明白な不法派遣だった。 労働者たちは2月12日、非正規職労組を結成した。 350人中300人が労組に加入した。 元請・下請の管理者が労組からの脱退を懐柔、脅迫し始めた。 1か月後には請負業者のHRTCが廃業を宣言した。 そして現場では証拠隠滅が始まった。

マンドヘラ非正規職支会のペ・テミン支会長は 「請負業者のソウルコミュニケーションは、最近経営陣を作り生産チーム長、品質チーム長、所長などを選んでいる」と説明した。 労組が発足したので急いで不法派遣の痕跡を消し、真性請負化を試みる意図だ。 労組が発足する前までは、すべての作業配置や変更、業務指示、監督、勤怠管理、懲戒、勤労時間決定などの権限は元請にあった。 ペ支会長は「現場で下請業者管理者に会ったことがない。 私の場合、労組設立の前まで元請の保全チーム課長が業務を指示した」とし 「保全チーム課長は、業務指示に従わなければ人事措置する、クビにすると話した」と説明した。

ペーパー請負業者が「不法派遣」に対応する方式

もうひとつの偽装請負業者のHRTCは、廃業まで宣言して不法派遣を隠している。 HRTCは3月3日、労組側にマンドヘラとの生産請負業務を中断するという文書を送った。 労組結成から一か月の廃業宣言だった。 理由は、ユン某代表理事の腰ディスクと帯状疱疹。 真性請負化で現場を隠すSCとは違う動きであった。 HRTCが事業を放棄するとすぐ、ベステンプという新しい請負業者が選ばれた。 一部では、HRTCが元請との請負関係を放棄しなければならない別の理由があるのではないかという疑惑も上がっている。 当期純利益が270余億ウォンにのぼる元請との請負契約を自ら放棄するというのは常識的ではないということだ。

HRTCの事業規模と方式は、SCやベステンプとは違う。 SCは資本金5億ウォンのアウトソーシング業者で、官公庁、製造業、金融業、サービス業などの産業全般に人員を派遣している。 ベステンプも専門の人材派遣業者だ。 しかしHRTCはマンドヘラ以外の事業場への労働力供給の記録は何もない。 2014年から今年まで、マンドヘラ生産職人員ばかり採用した。 この会社の代表、ユン某氏は2014年7月に人員派遣業者のHNSという法人をまた一つ設立した。 資本金2千万ウォンの会社だ。 HRTCとHNSの所在地も全く同じだ。 労組では、HRTCが現代車出身の退職者が設立した会社だと推定している。 自動車部品メーカーのマンドは、現代車に一番多くの生産物量を供給している。 漢拏グループの鄭夢元(チョン・モンウォン)会長と現代車の鄭夢九(チョン・モング)会長は、いとこ同士だ。 2008年に鄭夢元会長がマンドを取り戻した時にも現代家の助けが大きかった。

事実「労組結成-不法派遣疑惑提議-下請企業廃業」は、不法派遣を隠蔽する典型的な手順だ。 不法派遣の代表的な事業場である現代自動車でも、労働者が労組に加入した後で不法派遣の正規職化を要求すれば、下請企業が廃業する事例が続いてきた。 HRTC側に対して企業の現況などを尋ねるために連絡を取ったが、職員のA氏は 「事務室に一人でいる。入社して1年にしかならないので、よく知らない」と答えた。 翌日、別の職員のB氏も「話すことはない。 (内容は)社長(ユン某氏)が知っている。 (廃業についても)知らない」と回答を避けた。 B氏は現在の職員は160人程度だと明らかにしたが、本社の住所を尋ねると「知らせることはできない」と答えた。

経済特区の恩恵を受けて、青年たちを「不法派遣」に転落させた悪い企業

マンドヘラは2008年、マンドとドイツの部品会社ヘラと共に設立した会社だ。 自動車部品メーカーで、自動車につけるセンサーを生産する。 現在は漢拏ホールディングスとヘラが各々50%ずつの株式を保有している。 漢拏ホールディングスの最大の株主は鄭夢元会長だ。 漢拏グループは2016年に財界順位36位を記録した企業集団だ。 そしてマンドヘラの代表理事は鄭夢元会長の義理の兄弟のホン・ソックァ氏だ。 漢拏I&Cの社長だったホン氏は、2015年7月にマンドヘラに席を移した。

マンドヘラは漢拏ホールディングスにとって一番重要な子会社だ。 2015年の売上額4350億、営業利益360億、当期純利益は246億ウォンを記録した。 財界ではマンドヘラの成長の勢いに力づけられて、漢拏ホールディングスの企業価値も上昇すると見通している。 漢拏ホールディングスの売上額が着実に増加しているのも、マンドヘラの実績改善が一役を買っていると分析している。

実際に漢拏は大韓民国1号経済特区にマンドヘラのような子会社を設立し、かなりの利益を得た。 漢拏ホールディングスの子会社のマンドヘラと、マンドの子会社マンドブロジェは、仁川松都に会社を設立し、無償賃貸の恩恵を受けた。 何と50年間の無償提供が可能だ。 マンドヘラとマンドブロジェなど、敷地の無償提供の恩恵を受けた5つの企業の免除金額は1千300億にのぼることが分かった。 経済自由区域入居の特典を受けて不法派遣を量産し、二重に資本を蓄積しているわけだ。 労組では、自動車の電気モーターを生産するマンドブロジェも派遣形態の人員供給が行われていると把握している。 ペ・テミン支会長は「過去にはここでも請負業者SCが管理をしてきたと理解している」と説明した。

漢拏ホールディングス-マンド-マンドヘラ-マンドブロジェなど、系列会社間の人員交替も日常的に行われている。 現在のマンドブロジェのキム・ギョンス非常務理事は、マンドヘラの初代社長だった。 マンドブロジェのイ・サンヨル代表理事は、漢拏スタックポールの代表理事出身だ。 マンドヘラのファン・イニョン2代社長は、漢拏マイスター代表理事に席を移した。 その上、最近マンドヘラの人事チーム長に発令されたホ某氏は、2012年のマンド労組破壊当時、労務管理部署だった人物と知られている。 中小企業現況情報システムによれば、マンドヘラの代表理事は漢拏グループの鄭夢元会長の義理の兄弟ホン・ソックァ氏で、 経営の実権者は鄭夢元会長となっている。

マンドヘラの非正規職労働者たちの平均年齢は30代。 時給7260ウォンで働いている。 ペ支会長は「(採用情報に記載されただけの賃金を受け取るには)1か月に4〜5回の特別勤務と残業をしなければならない」とし 「以前は工場長が全社員を集めて、優秀な社員は正規職員にしてやると公表した。 だが正規職員どころか、下請企業の労働者たちを冷遇して人格冒涜している」と説明した。 労組は3月6日、仁川地方法院にマンドヘラを相手取って勤労者地位確認訴訟を提起した。 元請と暗黙的な勤労契約関係にあるので、元請が直接雇用の意志を示すべきだという内容の訴訟だ。 現在のところ、マンドヘラ側は「担当者がいない」とし、 漢拏グループ側は「(鄭夢元会長と)直接の関係がなく、よくわからない内容」だとして回答を避けている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-03-21 05:31:58 / Last modified on 2017-03-21 05:32:00 Copyright: Default

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