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労働部、ユソン企業第2労組「御用」の判決にもかかわらず「労組ではない」通知せず

1審判決だから?…他の懸案には1審判決で介入、二重定規
第3労組の設立申告書の処理をめぐっても監督権放棄で議論

チョン・ジェウン記者 2016.05.03 10:54

労働部がユソン企業新労組(第3労組)設立申告書に対して 「現行法のとおりに処理しろ」という立場を労働部天安支庁に4月29日に伝えたことが確認された。 第3労組は4月19日に労組設立申告書を出し、天安支庁が申告書を交付するか、返戻するかを労働部本部に質問したことに対し、こう答えた。

労働部労使関係法制課の関係者は5月2日、メディア忠清の取材に対し 「現行法により処理し、原則通りに対応しろという要旨で答えた」が 「労組設立申告に関しては、労働部長官が地方労働官署に委任したので、 基本的に申告書交付の有無は天安支庁長が判断する問題」だと天安支庁に球を渡した。

会社が設立した「御用労組」のユソン企業労組(第2労組)がまた第3労組を設立し、書類が交付されるかどうかが問題だ。 ソウル中央地方法院は第2労組に対して 「労組設立自体が会社の主導で行われ、労組の自主性と独立性を確保したと見るのは難しく労組設立は無効」と4月14日に判決した。 判決から5日後に第2労組の委員長は第3労組の委員長に乗り換えた。 第2労組は宣伝物を通して、第3労組の設立を企画、実行したと明らかにしている。 労働界が「名前を変えただけの御用労組だ。 第3労組設立申告書を返戻しろ」と要求する理由だ。

労組設立申告に対して労働部は「法と原則」を強調するが、まさにユソン企業の「御用労組」に対する判決による後続措置はない。 労働部は第2労組に対して「労組ではない」通知などの行政処分をしければならない。 労働部の関係者は「第2労組に対する『労組ではない』通知は天安支庁の権限」だと理由を語った。 その一方で「行政訴訟ではなく民事訴訟での判決なので当事者間で処理する問題であり、 確定判決ではなく1審判決」である点を理由に、 ユソン企業第2労組に対する裁判所の判決は労働部が立場を出す事案ではないと述べた。

しかし労働部は「民事1審判決」により、立場も変えたことがある。 労働部は昨年6月まで、労使団体協約の中で「労災による死亡者または災害者に対する優先特別採用条項」には問題がないとしていたが、 今年3月に突然「雇用世襲条項」と呼び、この条項は「違法」だと主張した。

現代車と起亜車-現代車で働き、労災で死亡した労働者A氏とB氏の遺族がそれぞれ使用者側を相手に提起した民事訴訟に対し、 蔚山地方法院(2013年5月)、ソウル中央地方法院(2015年11月)が「労災者特別採用団体協約の条項は無効」として使用者側の主張を認める判決を労働部が根拠としたのだ。 労働部の関係者も当時、取材で9か月で立場が変わった理由について、2件の1審判決をあげて 「労災者特別採用条項も雇用世襲条項であり、違法だと確信をすることになった」と話した。

こうした前例からみて、労働部の立場には一貫性がないのではないかと指摘すると、労働部の関係者は 「雇用世襲条項に対する裁判所の判決は、労働部が(立場を変えた)根拠だというより、 『裁判所がこの部分はこのように見た』というように労働部が紹介したもの」と弁解した。

また労働部はユソン企業第2労組の「設立無効」 1審判決を考慮するにしても、 「判決を引用するほどの事案ではない」と明らかにした。 しかし金属労組によれば、ユソン企業と同じように使用者が介入して複数労組を設立したり、複数労組を悪用して金属労組を弾圧した傘下の事業場は、今年の4月には50か所にのぼる。 このうちヴァレオマンドとボッシュ電装、ユソン企業など、創造コンサルティングを使った労組破壊行為は6〜7年間、社会的な問題になっている。

民主労総のイ・スンチョル報道担当者は 「雇用世襲条項のように、政府の労働改悪と合致する判決はすぐに取りあげ、 ユソン企業の判決は排斥するという労働部の二重的な態度は、 労働部が常に使用者だけに有利な指針を出し、行政をしていることを証明する」と指摘した。 イ報道担当者は「ユソン企業第2労組無効判決は、 労組設立要件のうち自主性を主な尺度として判断したもので、 複数労組時代に御用労組の設立に制約を加えた非常に意味ある判決」とし 「労働部はこの判決を受け入れるだけでなく、御用労組による第3労組設立申告書も返戻しなければならない」と主張した。

共に民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)議員も 「使用者側の主導により作られた労組は労組としての自主性と独立性を持っていないという裁判所の判断にもかかわらず、 ユソン企業の第3労組の設立許可がおりれば、労働部は裁判所の判決を正面から否定することになる」とし 「団体協約に対する雇用世襲条項を問題にした判決にすぐ対応したのと較べ、二重的といえる」と批判した。 続いて「労働部は労組法違反により法の審判を待っているユソン企業使用者に対する勤労監督も生ぬるい態度を取っているなど、 対立の解決に全く役割を果たしていない」とし 「これについて労働部はいますぐきちんと対処しなければならない」と話した。

金属労組ユソン企業支会(第1労組)は第3労組の設立申告について労働部が立場を表明したことについて 「労働部が事実上、第3労組設立申告書を出せといったもので、 露骨な使用者側と御用労組への肩入れだ」と批判した。

ユソン企業支会のキム・ソンミン支会長は 「労組破壊の不当労働行為を行ったユソン企業の柳時英(ユ・シヨン)代表などの使用者を無嫌疑処分し、 不法な職場閉鎖にも目を閉じた労働部が『法と原則』を言うこと自体がまったくおかしい」とし 「その上に裁判所が制約を加えると、使用者が犯罪行為についての裁判を受けているが、 労働部の『原罪』でユソン企業事態は6年間解決していない」と話した。

セナル法律事務所のキム・サンウン弁護士は 「労働部が5年前に第2労組に設立証を出したのと同じようにするということ」とし 「第2労組と第3労組は同じだが、労組の実質的要件である自主性の部分を審査せず、 形式と手続きだけを理由に申告証を交付するのは、 労働部の監督権自体を放棄する行為」と話した。 続いて彼は「労働部が『民事1審判決』云々するのは言い訳でしかない」とし 「御用労組誕生を黙認し、後で当事者が法律訴訟で争えというような労働部の無責任な態度は、 裁判所の判決の趣旨も無視して事実上、御用労組を認めると宣言するもの」と批判した。

一方、労働部天安支庁の関係者は 「労働部本部の回答を受けた」とし 「参照して検討している」とだけ答えた。

付記
チョン・ジェウン記者はメディア忠清の記者です。この記事はメディア忠清にも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(メディア忠清/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-05-05 15:44:17 / Last modified on 2016-05-05 15:44:18 Copyright: Default

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