労働部長官「青年雇用を数字で提示するのはよくない」

「労使文化が定着すれば非正規職の割合は下がる」

ヨン・ソンノク記者 2015.10.08 11:21

労働部の李基権(イ・ギコン)長官が10月5日、蔚山地域の報道機関記者懇談会で、現行2年の非正規職保護法が実際には2年ごとに他の職場を探さなければならないものだったことを間接的に認めた。李長官は、現代自動車と現代重工が賃金ピーク制を実施して賃金体系を改編することで企業の競争力が生き返ると強くアピールした。現代自動車の現場を例として「労働市場構造改革」がどれほど青年雇用を増やせるかという質問には「数字で提示するのはよくない。こうした(労使政大妥協)労使文化が定着すれば、現在よりも非正規職の割合は下がる」と答えた。また現代自動車の現場を比喩して「生産によって転換配置に合意しなければできないというのは時代遅れ」だといった。

▲李基権労働部長官が5日の記者懇談会で冒頭発言をしている。［出処:蔚山ジャーナルヨン・ソンノク記者］

李基権労働部長官が5日の午後2時に蔚山市中区の革新都市にある安全保健公団6階の大会議室で、蔚山地域報道機関記者と懇談会を開いた。

李長官は労使政が出した非正規職差別是正制度改善案の中で、期間制を4年に延ばす案は、熟練労働者が必要な現場にも非正規職を使ったり、実際に非正規職を量産する恐れがあるのではないかという質問に「35歳以上の中壮年は正規職転換が難しく、2年ごとに変わることについての雇用不安が深刻だ」と話した後、「(非正規職労働者たちが)なぜ政府が2年ごとに新しい職場を探し回って困らせるのか恨む」と述べた。これは、政府が主導する非正規職保護法が実際には非正規職の雇用を不安にしたことを間接的に認めるものだ。

李長官は非正規職が増えるという心配について「先進国は労働柔軟化の次元で非正規職を使うが、われわれは人件費次元で使ったりもするが、もう乱用されないようにしなければならない」とし、その対策として非正規職は1年未満の勤務でも退職金を払うような装置を用意したり、生命と安全に関する仕事はなるべく非正規職を使わないようにしなければならないといった。

李長官は「非正規職労働者の期間を延長すると正規職雇用が期間制に行く心配や、良くない方向に行く心配もあるので装置を用意しなければならない」とし「期間を延長すれば正規職が期間制になる心配よりも、下請けに行くことを防げる」といった。彼は現場で話を聞けば答が出てくるとし、労使政委員会で十分な検討が必要だといった。

現代自動車には現在、下請労働者、不法派遣労働者、嘱託職労働者が存在しており、正規職労働者の賃金を下げればなぜ青年雇用が増えるのか、数字で提示してくれという質問には「(企業は)予測可能な透明性が見えれば直接採用を恐れない。数字で提示するのはよくない。こうした労使文化が定着すれば、現在よりも非正規職の割合は下がる」とした。

李基権長官は、自動車業種は世界と競争するので競争力がなければ雇用が安定せず、長期的に賃金体系を変えなければならないといった。労働者の上位10%が譲歩する代わりに、企業は益金削減財源に加え、果敢な投資をすることで青年雇用問題が解決できるといった。

李長官は冒頭発言で「子供たちに雇用を与えられるようなことを蔚山でできるかどうかが、大韓民国で労働改革ができるかどうかに直結している」とし「蔚山が労働市場改革の先導的な役割を果たしてくれるかどうかは大変重要だ」とした。李基権長官は記者懇談会の後、午後5時に金起炫(キム・ギヒョン)市長とイ・ジュニ韓国労総蔚山本部長、蔚山労使民政関係者と会い、蔚山が労働市場改革の先導的役割を果たすよう要請した。

付記
ヨン・ソンノク記者は蔚山ジャーナルの記者です。この記事は蔚山ジャーナルにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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