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人権委、ICCの審査控えて討論会開くも「寒々」

要式行為に過ぎない討論会、市民団体が不参加を宣言

カル・ホンシク記者 2015.01.30 11:24

「人権委墜落、ヒョン委員長が自ら招来」討論会でも批判あふれて

国家人権委員会(以下、人権委)が今年3月の国家人権機構国際調停委員会(ICC)の等級審査を控えて勧告事項履行のための討論会を開いたが、 多くの市民社会団体が「真情性ない要式行為」だとして討論会に参加しなかった。 討論会には市民社会団体だけでなく、玄炳哲(ヒョン・ビョンチョル)委員長、人権委員の誰も参加せず、荒涼さを加えた。

▲人権委共同行動などの市民社会団体は人権委主催のICC勧告事項履行討論会に参加しなかった。市民社会団体の会員が討論会場の前で人権委を糾弾している。

市民社会団体、「A級アリバイのための討論会」と批判

1月26日、国家人権委本来の役割を求める共同行動(以下、人権委共同行動)などの市民社会団体は人権委に対し、 市民社会団体を罵倒した玄炳哲委員長の謝罪と全員委員会議事録の実名公開などを要求し、 要求に応じなければ討論会に参加しないという書簡を送った。

これについて人権委は28日に文書で玄委員長の発言は 「市民社会を非難しようとしたのではなく、委員の異議に対して理解を助ける過程で多少強く説明された」とし、遺憾を表明した。 全員委議事録の実名公開に対しては「全員委の会議で決定しなければならない」と回答を避けた。 そのため人権委共同行動などは真情性ある回答ではないとして討論会への不参加を宣言した。 討論者を打診された民主社会のための弁護士の会(以下、民主弁護士会)のキム・ビョンジュ弁護士などもこの日の討論会への参加を拒否した。

人権委共同行動などは1月29日午後1時、人権委の前で討論会不参加宣言記者会見を行い、 人権委が市民社会団体との協力を軽視し、透明で民主的な人権委運営ができていないと批判した。

人権運動サランバンのミョンスク活動家は 「人権委は発足以後、会議録に人権委員の実名を記載してきたが、 玄委員長選任後は全員実名を公開していない。 このように不透明で密室運営される人権委で、市民社会団体を非難する発言が出てきたのは当然の帰結だった」と批判した。

民主弁護士会少数者人権委員会のキム・ドンヒョン弁護士は 「等級低下を市民社会団体のせいにして、ICC勧告趣旨を破って市民社会団体の参加を排除しながら、人権委は『残念』と言うだけだ」とし 「これは、人権委が市民社会団体にどんな観点を持っているのかを赤裸々に見せるもの」と批判した。

民主弁護士会少数者人権委員会のチャン・ソヨン弁護士は 「玄炳哲委員長は、 これまで竜山惨事、双竜自動車解雇労働者などに対する市民社会団体の要求を独断で無視してきた。 同性愛を差別し、差別禁止法に反対したチェ・イウ人権委員の選任に対する責任ある回答も人権委は拒否した」とし 「ICC等級小委審査を前にして、人権委は今になって市民社会団体の参加を要求している。 討論会は等級小委でA等級を受けるためのアリバイに過ぎない」と叱責した。

人権委に対する糾弾発言を終えた市民社会団体の会員らは、討論会が開かれるプレジデントホテル(31階シューベルトホール)討論会場前の廊下に移動し、 玄委員長の謝罪と人権委運営の透明性保障を要求する記者会見文を朗読して退場した。 彼らは今後も人権委の現実をICCをはじめ国際社会に知らせ、人権委革新のための活動を続けると明らかにした。

▲人権委共同行動などの市民社会団体は、記者会見で討論会不参加を宣言した。

討論会でも人権委に対する批判続出

この日の午後2時、人権委がソウル市中区小公洞のプレジデントホテルで開いた討論会では、 市民社会団体の会員はほとんど参加しなかった。 一部の市民社会団体活動家などが討論者として参加したものの、 人権委の委員選出、市民社会団体排除などについて批判の声をあげた。 討論会には玄委員長をはじめ、人権委員全員が参加せず、参席者から顰蹙を買った。

新社会連帯のシン・スギョン代表は、 1月12日の全員委員会で議決された人権委員選出・指名ガイドラインで人権専門機構の委員指名などに人権団体の参加が明記されていないことに 「これは人権団体の協力の重要性に対する委員の認識が不足している」と指摘した。

同日議決された人権委法改正案については 「人権委員の資格を基準化(大学あるいは研究所、法曹職域、人権関連活動10年以上などの資格要件を追加)したのは危険な接近」とし 「『無資格議論』で人権団体から批判された委員はすべてこの資格を充足している」と批判した。

新政治民主連合の張(チャン)ハナ議員室のイ・ボラ補佐官は 「昨年からガイドライン制定の過程で市民社会の概念が削除され、 今年の一部人権委員の発言からは市民社会団体を敵対的に感じる印象を受けた」とし 「市民社会団体の監視と参加はICCの奨励事項だ。 市民社会が郊外周辺で提起する問題提起を積極的に受け入れることが ICC勧告に対する実効的な履行方案の一つ」と強調した。

イ補佐官は、国政監査で国会議員が人権委に要求した資料公開を拒否されたことについて 「政府と公権力から独立して自由でなければならないという意味で人権委に機能的免責を提起しているが、 逆に人権委は市民あるいは国会からの独立を要求しているようだ」と批判した。

人権連帯のオ・チャンイク事務局長は 「人権委は玄炳哲委員長の就任以後、 国内の人権懸案について先頭に立って解決を妨害してきた。 人権委の地位墜落は玄委員長が招いた」とし、玄委員長など非適格人権委員の辞任を要求した。

2004年の加入以後、ずっとA等級を維持してきた韓国人権委は昨年3月と11月の二回、 ICCから「等級保留」の判定を受けた。 そのためICCは韓国人権委に人権委員選出の透明性、構成の多様性、機能的免責および独立性保障、市民社会団体参加などを勧告してきた。 人権委は3月6日のICC等級小委を控えている。

▲この日の討論会には市民社会団体のほとんどの会員は参加しなかった。討論会の参加者は30人ほどだったが、ほとんど取材記者か人権委職員だった。人権委員もこの日の討論会に参加しなかった。

付記
カル・ホンシク記者はビーマイナーの記者です。この記事はビーマイナーにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


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