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セウォル号惨事200日「安全対策」詐欺、「安全商売」に変身

親企業規制改革委員会・国民経済諮問会議、強力な規制緩和と安全商業化推進

ユン・ジヨン記者 2014.10.29 18:32

セウォル号惨事以後、国民の安全を最優先の国政課題にするという朴槿恵政権が規制緩和政策の速度をつけ、安全社会の時計の針を逆に回している。 惨事の原因と指定された安全規制緩和問題は、6か月経っても解決せず、むしろ法的に強力な規制緩和ドライブをかけて安全規制緩和を固着させている。

惨事以後に政府が用意した安全対策の虚構もあらわれている。 青瓦台と政府部署、与党などが進めてきた多くの安全対策の議論は、企業活性化のための『安全産業育成』が強調された。 安全事故に対する企業などの責任を強化する方向ではなく、今回の機会に国内安全産業を育てようという意志だ。

惨事以後、安全社会の建設どころか政府の規制緩和強行策が続き、市民社会の憂慮も深まっている。 セウォル号惨事国民対策会議と民主労総は10月29日午後2時、征東フランシスコ教育会館で 「セウォル号惨事以後の政府の安全対策と問題点」の討論会を開き、政府の安全規制緩和政策を強く批判した。

親企業人物で構成された「規制改革委員会」を打ち出して強力な規制緩和ドライブ

3月、朴槿恵大統領は、規制改革長官会議で規制との戦争を宣言した。 4月16日に発生したセウォル号惨事で安全規制緩和に対する憂慮の声が高まったが、政府の規制改革ドライブに制約をかけられなかった。 実際に5月までに規制改革委員会に提出された規制改善課題は852件で、そのうち安全管理規制改善の課題は119件に達する。

民主労総のチェ・ミョンソン労働安全局長は 「セウォル号惨事以後に問題になった主な安全規制緩和問題は一件も変わらなかった」と説明した。 惨事の主な原因になった船舶過剰積載と陸上過剰積載問題、鉄道や地下鉄車両の耐久年限の問題、垂直建て増し問題、1人乗務制問題はまだ改善されず、 一部は議論もされていない。

その代わりに政府は資本側の人々で構成された「規制改革委員会」に強大な権限を付与し、強力な規制改革を推進している。 規制改革委員会は大統領が委嘱した民間委員で構成され、委員長は国務総理と民間委員長2人が共同で受け持っている。

チェ・ミョンソン局長は 「規制改革委員会の民間委員は財閥大企業の利害を反映する人物で構成されている。 大韓商工会議所などの経済団体が直接介入して、労働界と市民社会の利害を代表する方案は何もない」とし 「委員会が改編される前の5月まで、民間委員のほとんどは財閥大企業の社外重役かこれを歴任した人々だった」と説明した。

政府は7月に「朴槿恵政権の規制改革を実質的に率いて行く規制改革推進体系と指令塔を全面改編する」と明らかにし、規制改革委員会を改編した。 規制改革指令塔の第9代民間委員長としては現キム&チャン法律事務所のソ・ドンウォン常任顧問が委嘱された。 規制改革委員会はすべての行政機関の規制新設と強化に対する直接審査と既存規制の整備を審査する強大な権限を持つ。

実際に昨年、保健福祉部は救急車の老朽化問題を解決するために、救急車運行年限の規制を強化して救急車の義務保有台数を増やす施行令施行規則を立法予告した。 だがこれは規制改革委員会の反対で座礁した。 事業者負担を増やす規制を施行令や規則なので導入できないという理由だった。

チェ・ミョンソン局長は 「規制強化に対する審査で、委員会が利益を侵害する余地がある時、これを撤回させれば行政府はこれにすべて従わなければならない。 委員会の決定に異議を提起する方法はなく、むしろ委員会の決定に従わなければ、これに対して疏明しなければならない」とし 「民間委員として経青、大韓商工会議所、全経連の人が入っているので、財界は労使政協議の過程をおかしく感じる。 規制改革委員会を通して、反対するのが簡単だからだ」と説明した。

安全対策は安全産業育成に変身...安全で商売する政府

政府は規制改革委員会を全面改編すると同時に「行政規制基本法改正案」を発議して、規制緩和政策に速度を速めている。 チェ・ミョンソン局長は「政府はセウォル号惨事から3か月も経たないうちに行政規制基本法改正案を発議した」とし 「これは規制緩和を加速するために提出された『規制費用総量制』、『ネガティブ制』、『日没制』を法令化すること」と指摘した。

規制費用総量制は、規制の総量を設定し、新しい規制が導入されれば合理的な判断なしで既存の規制を無条件に減らす方式だ。 規制日没制も存続期限を決めて期間が過ぎれば規制を自然に消滅させる方案だ。 最大の問題は、ネガティブ規制方式が市場に導入されると、食品や医薬品などの安全関連規制も致命打を受けかねないという点だ。

チェ・ミョンソン局長は「政府は行政規制基本法改正案を発議するにあたり、安全に関する問題を反映すると明らかにした。 だが内容を見れば『規制の原則』の条項に『災難、災害』という単語を追加しただけで、 規制改革委員会が安全規制の新設、補完、強化措置を勧告できるという内容だけ」とし 「政府はたった二つの宣言的な条項で世論を糊塗している。 朴槿恵(パク・クネ)の安全社会と規制緩和は詐欺でしかない」と声を高めた。

その上、セウォル号惨事後に多く進められた青瓦台と与党、政府部署の安全対策会議が「企業活性化対策」に化けることもあった。 惨事以後、青瓦台と総理室、党-政、党-政-青、安全政策調整会議などが開いた安全関連対策会議は50回に達する。 ミョンスク人権運動サランバン常任活動家は 「8月26日の第5次国民経済諮問会議の後、政府の部処は安全産業育成方案を発表しているが、内容は市民の安全とは関係ない内容がとても多い。 ほとんどが安全産業育成に関するもの」と指摘した。

実際に8月に金融委員会と金融監督院は、大規模災害を予防するための対策として「民間災難保険商品」を開発すると発表した。 民間の防災機能を強化するとして「防災コンサルティング業務」を保険会社の付随業務として認めるという計画も出てきた。 企画財政部は、来年から消防ヘリコプターに国産ヘリコプターを導入し、国内安全産業を育成する計画を出した。 ミョンスク活動家は「その上、9月19日の産業通商資源部の発表を見れば、民間保険商品開発、保安装備開発の他にもリアルタイム遠隔医療という医療法改正の争点を安全産業に入れた」とし 「安全対策が安全産業に化けた。 安全を商業化し、企業に金を稼がせることに焦点が合わされていること」と批判した。

続いて「最大の問題は、安全事故に対する企業の責任を問う方案がないということ」とし 「重大災害や大事故の場合、企業主を処罰する企業殺人法を制定しなければならないという声が高いが、政府の対策からは抜けている」と説明した。

なおセウォル号惨事遺族のキム・ソンシル氏は 「セウォル号惨事後もチャングン療養病院で、高揚総合ターミナルで、板橋公演会場で安全事故が起き続けている。 真実を明らかにできなかったから結局こうした事故がずっと続く」とし 「真相調査小委員会、安全社会小委員会構成などを含む遺族の特別法制定要求は、単に遺族だけのためではない。 国民が安全に直接参加して直していけるようにしたい」と強調した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-30 04:19:08 / Last modified on 2014-10-30 04:19:10 Copyright: Default

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