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カカオトーク1人のアカウントを押収して3千人を査察…「事実上の監聴」

チャットルームで話した双竜車、希望バス、取材情報すべて押収

チョン・ウニ記者 2014.10.01 14:52

捜査当局が1人のカカオトークの押収捜索により、 3000人の個人情報と対話を一度に査察したという事実が知らされ、 衝撃を与えている。

このような事実は去る6月の万民共同会を主導した容疑で拘束起訴されたチョン・ジヌ氏(労働党副代表)が、 去る5月1日から6月10日までの40日間のカカオトーク内容を押収捜索したという通知書を9月18日に鍾路警察署から受け取ったことでわかった。 警察が押収したカカオトークの内容には、 メッセージ内容、対話相手方IDおよび電話番号、対話日時、受発信内訳一切、 絵と写真のファイル全てが含まれていた。

押収された当時、チョン・ジヌ氏が行っていたカカオトークの対話の中には小学校の同窓と交わした話だけでなく、 クレジットカード番号や暗証番号、裁判に関して弁護士と交わした対話などがすべて入っていた。 また、先日カカオトークの押収捜索を受けたヨン・ヘイン氏(「じっとしてろ」沈黙デモ行進提案者)の場合は、 押収捜索の対象にMACアドレス(通信のためにLANカードなどに付与された一種のアドレス)まで含まれており、 問題の深刻性を加えている。 捜査当局は結局、カカオトークの対話内容を裁判所に証拠資料として提出はしなかったが、 集示法違反を口実として通信記録にアクセスし、 数千人を査察したという疑惑を受けている。

このような状況でチョン・ジヌ氏とヨン・ヘイン氏は10月1日午前、 ソウルのフランシスコ教育会館で進歩ネットワークセンター、 人権団体連席会議公権力監視対応チームなどの人権団体と共に 「カカオトーク押収捜索糾弾記者会見」を開き、 「これは単に一個人に該当する押収捜索ではなく、 広範囲な監視・査察行為であり、深刻な表現の自由侵害で、サイバー検閲に当たる」とし、 被害当事者としてこの状況と問題を具体的に知らせた。

チャットルームの双竜車、希望バス、取材情報をすべて押収

チョン・ジヌ氏が提起した最初の問題は、 捜査当局がカカオトークの押収捜索でチャットルームに加入した周辺人物をはじめ、 不特定多数の広範囲な査察をしたという点だ。 実際、捜査当局がカカオトークのアカウントを押収捜索する場合、 彼らはアカウント所有者1人だけでなく、 その人のチャットルームに加入した多くの個人情報と対話内容まで見ることができる。 そのため、知人から名前も知らない人まで、合計約3千人が加入している親睦室や時事討論、 政党活動と社会運動、配偶者や知人とのカカオトークでの対話など、 警察は押収捜索によって多くの対話記録を一度にすべてアクセスできた。

またチョン・ジヌ氏のチャットルームにあった政党活動と社会運動関連の対話内容もすべて捜査当局に公開されたという問題がある。 チョン・ジヌ氏は「チャットルームには、 セウォル号裁判とは直間接的な関係はなくても、 平常時の労働運動に関し、労組破壊専門コンサルティング企業等が心配するような内容、 双竜車闘争などについて労働部がかなり関心を持つような内容も含まれている」と伝えた。 また希望バス弁護団とのチャットルームでは、事実上、 検察と希望バス弁護団の間での鋭い論争についての戦略が議論されていたが、 捜査当局はこの討論の過程をすべて見ることができたという。 記者とのチャットルームで、デモ参加者についての敏感な情報がやり取りされたが、 これもまた制限されていなかった。

[出処:チョン・ジヌ氏(労働党副代表)]

捜査過程もまた、ファックス一枚でカカオトーク社に文書を送り、 アカウントの内容をファイル資料として伝送される形式で行われた。 この事実もチョン・ジヌ氏は保釈で釈放された後、一方的に通報を受けただけだ。 チョン・ジヌ氏が拘置所に収監されていた時、 警察は彼の老母しかいなかった自宅を訪問し、 彼の携帯電話を押収しようとした。

チョン・ジヌ氏は 「自分のチャットルームには、 知人だけでなく名前も知らない多くの人々がいたのに、 誰も知らない間に公権力の捜査対象になった」とし 「個人情報だけでなく、 カカオトークの対話内容でわかる政治指向がすべて警察の手に渡った」と指摘した。 彼はまた「私がこの事実をチャットルームで知人に知らせた時、 皆が一瞬沈黙した」とし 「初めて国家機関に法律違反者扱いされる経験をしたようで、 とても衝撃が大きく心理的なアノミー状態になっていたようだ」と伝えた。

「じっとしてろ」沈黙デモの提案者、ヨン・ヘイン氏は 「私の場合は集示法違反、解散命令拒絶罪に該当するのに、 なぜカカオトークと情報を押収捜索したのかについては説明がなかった」とし 「ただ対話をした人々についての情報とMACアドレスまで押収したという点で、 鳥肌が立つほど恐ろしかった」と明らかにした。

「カカオトークの対話内容を押収捜査...事実上の監聴」

▲鍾路警察署が一方的に通知した押収捜索令状[出処:チョン・ジヌ氏(労働党副代表)]

専門家たちは、 チョン・ジヌ氏に対する捜査当局のカカオトーク押収捜索を辛辣に批判した。 こうした捜査当局に対する法的対応だけでなく、 現在の通信環境に対応できる法的改善も必要だという意見だ。

進歩ネットワークセンターのチャン・ヨギョン活動家は 「チョン・ジヌ氏の場合のように、 容疑立証とは無関係に情報収集に活用されるのは、 国家によるビッグブラザー的な監視」とし 「個人の情報基本権侵害」であり 「結局、政治的表現を萎縮させる効果を生む」と指摘した。

希望バス弁護団のチョ・ヨンソン弁護士は 「カカオトークの押収捜索は、名目上は集示法違反が問題だが、 事実上、一種の情報収集を目的に行われた」と批判した。

西江大法学専門大のイ・ホジュン教授は 「カカオトークの押収捜索は、 対話内容の押収であり、事実上の監聴」と釘を刺した。 このために「オンラインの対話内容は監聴に準じる程度の保護を受けなければならない」という立場だ。 イ教授はまた「押収捜索の場合、 被疑当事者に急を要する場合は通知しないが、 サーバーの押収捜索の場合は急な状況に該当しないという点、 デジタル押収捜索の場合は被疑者と弁護人の参加が必要だという点、 デジタル対話の当事者全員に通知しなければならなかったという点、 令状を提示しなければならないのにファックス一枚で押収が行われた点」が問題だと指摘した。

チョン・ジヌ氏は「保釈された後、 検察から保釈を取り消すと脅迫されているが、 また監獄に行く証拠資料になっても堂々と私の言葉と文を書く」とし 「やられないように用心しようではなく、 本来の基本的な権利を得るためにやり直そう」と要請した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-10-02 12:33:22 / Last modified on 2014-10-02 12:33:23 Copyright: Default

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