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7つの歴史学会が「国定教科書中断」で共同声明

国定教科書反発拡散... 教育部、来月末までに決定

チェ・デヒョン記者 2014.08.28 17:45

高等学校で使う韓国史教科書を 国定教科書にする試みを防げという声が高まっている。

8月28日に歴史学界を代表する7つの歴史学会が共同声明を発表した。 歴史教師をはじめ、事実上すべての歴史学界が国定教科書転換に反対し始めたのだ。 だが教育部は相変らず韓国史教科書国定化の可能性を開いており、対立が大きくなっている。

▲韓国歴史研究会など7つの歴史学会が28日に韓国史教科書国定化の試みの中断を要求する共同声明書を発表した。写真左からチェ・ウンソク韓国中世史学会会長、キム・ヨンダル韓国近現代史学会会長、チョン・ヨンデ韓国歴史研究会会長、チャン・ギュシク韓国史研究会編集理事、ソン・ヤンソプ朝鮮時代史学会会長、ファン・ミノ韓国民族運動史学会会長[出処:教育希望]

「国定教科書は国論分裂の種... 検討する価値がない」

8月28日、韓国史研究会と韓国歴史研究会、 韓国古代史学会、韓国中世史学会、朝鮮時代史学会、韓国近現代史学会、韓国民族運動史学会の国内歴史学界を代表する7つの歴史学会は共同声明で 「韓国史教科書国定化試みを直ちに中断しろ」と要求した。

これらの学会は、韓国の通史と各時代史を代表する学会でね 事実上、国内のほとんどすべての歴史学界が国定教科書に反対したと見られる。

これらの学会は、共同声明で 「教育部が教学社教科書を救おうとしたのは、 教育現場の常識的判断と選択によって座礁した。 この時点で登場した教科書国定化の試みの意図を尋ねざるをえない」と疑問を提起した。

これらの学会は、韓国史国定教科書の試みに対して 「政権ごとに異なる『国論』に立脚して国定教科書を作るということは、 時代錯誤的発想でしかない。 むしろ『国論分裂の種』を撒くことになる」と指摘し 「韓国歴史学界と歴史教育界の反発と抵抗に直面するばかりか、 維新時代の辛い歴史を思い出す国民も、決してこれを受け入れないだろう」と主張した。

また韓国史教科書を国定化した場合の副作用も憂慮した。 彼ら学会は歴史教育が画一化され、多様な思考の形成と創造的な思考能力を持つ市民を育てるのが難しくなり、 力量ある歴史学者が政権の干渉と統制を敬遠して執筆を忌避するようになると憂慮した。 その結果、検認定教科書より質が低い教科書が出され、 研究と教育の好循環の構造が壊れ、歴史研究と歴史教育に支障を招くと見通した。

これらの学会は教育部に △韓国史教科書国定化の試み中断、 △編修機能の強化など歴史教育に対する干渉と統制の中断、 △歴史学界と歴史教育界が推薦する信望ある学者による検定制改善委員会構成、 △歴史教育に対する外部の不当な干渉と圧力の遮断を要求した。

韓国歴史研究会のチョン・ヨンデ会長は 「歴史教科書の国定化は40年前の維新時代に退行するもので、検討する価値もない後進的制度」と断言し 「これを強行すれば、社会の対立を引き起こすので、これを防ぐために学会の立場を明らかにする」と共同声明を発表した背景を説明した。

これらの学会は、 黄祐呂(ファン・ウヨ)教育部長官が人事聴聞会で国定教科書を推進する方針を初めて明らかにした8月7日に対応方案の議論を始め、 この日の共同声明を発表することになったと明らかにした。

こうした歴史学界の雰囲気は、8月26日に教育部が開いた 「韓国史教科書発行体制改善討論会」でもすでに感知された。 討論会の参席者のほとんどが国史教科書国定化に反対し、 一部の保守指向の人々も慎重論を展開した。

黄祐呂長官「重要な歴史的事実を二つも三つも教えられない」

それでも教育部は、韓国史教科書の国定化の可能性を相変らず開いている。 黄祐呂(ファン・ウヨ)教育部長官は8月27日午前、政府の世宗庁舎教育部大会議室で開かれた記者懇談会で 「重要な歴史的事実を二つも三つも教えることはできないのではないか。 歴史的に重要な事実は一つで教えろというのが国民の声」とし 「(歴史教育の)評価も憲法の価値と大韓民国の枠組み中に溶け込ませられるようにしなければならない」と所信を明らかにした。

続いて黄長官は 「国政という概念も公論化を経なければならない。 (韓国史が)一つに決まれば国家が権威を付与するということ」とし 「歴史的争点がない国はそうではないが、 価値観の混沌と対立が尖鋭なわが国では(国家が)責任を負ってやるべきではないか」と国定転換に強い意志を示した。

黄長官は、韓国史教科書の国定化について、 従来の計画のとおりに来月末までに決めるという意思も表明した。 黄長官は「公聴会も開き、公論化をして、 9月末までに早く合意ができるように意見を集める」と話した。(記事提携=教育希望)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-31 21:59:31 / Last modified on 2014-08-31 21:59:31 Copyright: Default

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