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800ウォンで停職のバス運転手、「懲戒委の前に辞表を要求された」

民主労総湖南高速支会「停職、予備運転手発令などで組合員弾圧」

ムン・ジュヒョン記者 2014.04.16 11:20

民主労総湖南高速支会(湖南高速支会)が800ウォンのために会社から停職処分を受けたイ・インスル(2006年入社)氏は、 懲戒委員会が開かれる前の3月28日、1月中旬に会社の関係者から辞表を推奨されたとし、強硬対応の立場を明らかにした。

民主労総湖南高速支会の関係者は 「インスル氏の場合、着服が糾明されない状況で会社が3重の懲戒をした。 明白な不当労働行為」とし 「闘争と共に民事訴訟も準備しており、地方労働委員会への救済申請も考えている。 その時、この問題も共に提起したい」と明らかにした。

労組によれば1月中旬、インスル氏が是認書作成を拒否したため、 会社の関係者が「自主的に辞表を書くほうが良くないか」とし、事実上辞表を要求した。

▲民主労総湖南高速支会はインスル氏がCCTVの確認もしていなかった1月中旬、使用者側関係者が是認書と辞表を要求したと強く反発している。〈労組が公開した当時の録音記録〉 [出処:チャムソリ]

湖南高速支会の関係者は「当時、会社の関係者がインスル氏に電話をかけて、800ウォンが未入金という事実を知らせ、『着服』だと説明した。 続いてまた電話をかけ、是認書を要求したが拒否されたので辞表を勧めた」と話した。 該当状況は録音されており、労組が保管している。

民主労総全北地域バス支部のコン・ユンシク主席副支部長は、3月28日に開かれた懲戒委員会でこれについて 「CCTVを確認もせずにインスル氏に辞表を提出しろというのは明白な脅迫」と労組の立場を代わりに伝えた。

湖南高速の該当関係者に立場を聞くために電話インタビューを試みたが丁重に断られた。 なお湖南高速は何回か記者とのインタビューを断っている。

会社、「横領および着服は解雇事項」... イ・インスル氏、「着服していない」

湖南高速によれば、インスル氏は12月に3回にわたり、現金で受け取った収益金総額800ウォンを入金しなかった。 具体的には、 △12月6日9時頃、三礼第三工団の停留所で発生した23200ウォンのうち200ウォン、 △15日ウソク大で発生した34200ウォンのうち200ウォン、 △ 12月24日9時頃、第三工団停留所で発生した46400ウォンのうち400ウォンの総額800ウォンだ。 インスル氏もヒジン氏の事例のように、キップ売場がない場所で乗客が払った現金で問題が発生した。

イ・インスル氏はこのことが問題になった1月から現在まで、会社が主張する「着服」の容疑を否定している。 インスル氏は「現金と公金は着服していない」とし 「乗客から受け取った金をそのまま入金した」と明らかにした。

会社は12月6日の件について、各々異なる手でコインと紙幣を受け取る場面が入っているCCTVの映像を根拠として、 インスル氏は23200ウォンを受け取ったが200ウォンを着服し、紙幣だけを入金したと主張した。 他の200ウォンと400ウォンもこれと似た論理を適用している。 インスル氏が正確にいくら受け取ったのかはCCTVでは確認できなかった。

3月28日に開かれた懲戒委員会で懲戒委員長になった会社の管理者は、 インスル氏を尋問する過程で 「乗客から紙幣とコインを受け取る場面がすべてCCTVで目撃され、このうち紙幣だけを入金したのは事実なのに、なぜ偽りを続けるのか」と問い質した。

しかしインスル氏はチャムソリとのインタビューで 「当時、二人の料金(11600ウォン*2))を払ったお客さんは、23200ウォンを払うべきなのに、23000ウォンしか払わなかった。 そのうち1000ウォンは500ウォンのコイン二つで払った」と明らかにした。 コインを受ける場面はまさにその500ウォンを受け取った時のものだというのがインスル氏の主張だ。 そして会社に入金する時、紙幣だけを入金したのは、500ウォンのコイン二つを1000ウォンの紙幣に変えて入金したと釈明した。 コインが多いと管理が大変だという理由だった。

またインスル氏は「会社が釣銭を準備するわけではないので、100ウォン足りないお客さんは11600ウォンの料金で11500ウォンを受けとることもある」とし 「小銭が不足している乗客も乗せろという教育も受け、この8年間そうしてきた」と主張した。

インスル氏はこうした主張を懲戒委でも積極的に述べたが、会社側の懲戒委員らは受け入れなかった。 会社は就業規則、団体協約(組合員が会社の財産を横領または運送収入金を不正に着服した証拠が確実な者は、労組支部との協議なく解雇する)等を根拠で懲戒を決めた。

停職1か月で復職後、予備運転手に発令、「適応が難しい」

懲戒委員会はインスル氏もヒジン氏と共に解雇を決めたが、会社は1週間後に停職1か月に軽減した。 インスル氏はすでに3月初めから乗務停止状態だったため、停職1か月は乗務停止に代えて現在は復職している。 その代わりに彼は1月中旬の乗務停止約9日間の賃金と3月初めからの乗務停止1か月間、仕事ができず、賃金を受け取れなかった。

インスル氏は復職後、約8年間続けてきた完州三礼-ソウル区間の市外バス路線の代わりに全州〜南原間の支線を走る予備運転手に発令された。 これまで乗ってきたバスではなく非番の運転手のバスを代わりに走らせる形態だ。 インスル氏は「なじみのない路線に送られて、とても頭が痛い。 バスもいつも変わるので、労働強度が高いのは事実」と話した。

インスル氏も4月の初めの懲戒について再審を申請した。 再審は4月22日に開かれる。 インスル氏は「今回の再審は一回だけ見逃してくれとか赦免を要求するのではない」とし 「間違ったこともなく、着服したわけでもない。 単に乗客から受け取った金額を正確に入金しただけ」とし、失った名誉を取り戻したいという気持を伝えた。

労組、「民主労総加入が今回の懲戒の本当の理由」... 会社、全面否定

インスル氏は自分に対する懲戒が 「民主労総に加入したので懲戒したのだろう」とし、労組弾圧だと主張している。 懲戒委員会で労働側の委員もこのように主張したが、会社の関係者らは労組の主張を否定している。

▲民主労総湖南高速支会は今回の懲戒を弾圧と規定して、全州商工会議所と労働部の前で大規模プラカードデモを毎日午前8時から9時まで行っている。[出処:チャムソリ]

インスル氏は「問題になった12月、同僚の運転手約15人と共に韓国労総から脱退し、民主労総に加入した」と話した。 民主労総湖南高速支会の関係者は「インスル氏は当時、集団で民主労総に加入した人の中で一番積極的な人物」と話した。

インスル氏は「2013年の賃金交渉までは、市外バスの運転手と市内バスの運転手は大きな差がなく、均等に賃金が上がった」とし 「ところが韓国労総が2013年の賃金交渉で市内バスと市外バスに差をつけたので、これではいけないと考えて韓国労総を脱退し、民主労総に力を貸すために加入した」と民主労総加入の理由を説明した。

韓国労総全北地域自動車労組は昨年11月、全北バス運送事業組合と賃金交渉をしていた時、全州と群山、益山地域の市内バスについては満勤日数をこれまでの24日から22日に縮小し、10万3000ウォンの値上げに合意した。 農漁村バスと市外バスは賃金6万3000ウォンの値上げに合意した。 (有)湖南高速は、市外・市内バスを共同で運営しており、この差についてインスル氏をはじめとする一部の韓国労総市外バス組合員が反発していた。

インスル氏は「定年が2年ほど残っている状況で、後輩のために何かしたいという気持ちだったのに、とてもくやしい」と話した。 (記事提携=チャムソリ)

付記
ムン・ジュヒョン記者はチャムソリの記者です。この記事はチャムソリにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-04-18 00:19:30 / Last modified on 2014-04-18 00:19:30 Copyright: Default

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