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韓国:密陽の老人が上京して抗議
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密陽おばあさんたちが上京...「故郷の土ための気持ちは止められない」

密陽送電塔反対住民記者会見…「名分を失った送電塔工事を中断し、社会的合意機構を作れ」

チョン・ウニ記者 2013.10.18 16:27

密陽の住民たちが政府が送電塔建設を強行する根拠が消えたとし、ソウルに上京して問題の解決を要求した。

10月18日午後、政府総合庁舎の前で送電塔反対対策委員会と密陽住民約50人が 記者会見を行い、「新古里原発3、4号機のケーブル性能試験検査の結果、竣工 が2年以上延期された状況で、密陽送電塔工事を強行する名分が消えた」とし、 即刻工事を中断して社会的合意機構を作ることを要求した。

からだを支えられて出てきた82歳の密陽プブン面の自治会長、キム・ギルゴン おじいさんは、マイクを持つや否や涙を流した。

キムおじいさんは、「私たちが小さかった時、どれほど空腹でボロを着ていた のか。それでもセマウル運動に参加してこの国を作ったのが、このおじいさん、 おばあさんたちだ」と話した。続いて彼は「それでも百姓をしながら幸せに暮 らしている私たちの村になぜこんなことをするのか。良心を守って生きてきた のに、この社会は何か。われわれはただ汚染されない土地を子供たちに譲るこ とではないのか。いくらでも代案がある。故郷の土地のことを考えるお母さん の気持ちは止められない」と訴えた。

おじいさんはまた参加者を取り巻く警官を指さして「私たちが暴力をふるった のか。なぜ警察が出てきたのか」と訴えた。老患で手をぶるぶる震わせながら、 ぽつりぽつりとやっと話すおじいさんの話を聞きながら、おばあさんたちと 一同は共に泣いた。

記者会見場は白い髪を銀の櫛で止めてプラカードを持ったおばあさん、あごま での作業帽を目深にかぶり、手を上にあげたおばあさん、歳月を重ねて白くなっ た髪で白い頭のおばあさん、シワのようにくしゃくしゃなハンカチでずっと涙 を拭くおばあさん、手の甲までシミができた手を合わせて祈るおばあさんで ぎっしりと埋まった。

プラカードを持って座り、涙を流してマイクを持ったハン・ジョンネお母さん は、「豊かに暮らす人だけが行きられるようにして、貧しい人をなぜさらに殺 そうとするのかわかりません」とし「朴大統領様、私たちの村をご覧になって、 送電塔を作らせないようにして下さい」と懇々とお願いした。

丹場面龍回村のソン・ヨンスク住民は、「密陽住民の痛哭の涙は川になるほど」 とし「政府が4つの暴力を語るが、われわれ住民への政府の暴力には何というの だろうか」とくやしさを訴えた。彼はまた「私たちの家族が一緒に食事をして からどれほど経ったかわからない。家にも帰れず野宿をしている。子供のよう なナツメ、栗、エゴマ、コメ作りもできない」とし「一度でも大統領が来て、 問題を解決しろ」と要求した。

送電塔建設反対闘争に連帯してきた緑の党のハ・スンス共同運営委員長は、 「私たちの言葉がみんな事実だったことがわかってきた」とし、部品の欠陥で 送電塔工事が遅れた事実を指摘し、「総理と長官は嘘をついた。今度は朴槿恵 (パク・クネ)大統領が出てくるべきだ」と発言した。

ソウル市庁前で15日間ハンストをしているキム・ジョンフェ住民は「私たちの 何が悪くて警察から暴力を受けるのか」とし「毎日のように病院へ、監獄へと 運ばれる」とし「警察が、この国の政府が、そして一番の権力者の朴槿恵大統領が 悪い」と鬱憤を放った。

18日間ハンストをしているカトリックのチョ・ソンジェ釜山教区神父は「名分 のない戦いのためにソウルに来ることになって申し訳ない」として「残念さ、 小さな気持ちがみんな集まる瞬間、この貪欲は崩れるだろう」と発言した。

密陽送電塔反対対策委のキム・ジュナン共同代表は「われわれは誠実に対話し ようと努めた。人生の豊富な経験と知性を通じ、対話しようとする大人たちの 試みを妨害すれば、政府と韓電はすべての責任を負わなければならない」と 要求した。

司会をしたカトリック人権委員会のキム・ドクチン事務局長は「竜山惨事を思 い出す」とし「6人を犠牲にして強行された竜山開発の現場は、現在、駐車場に なったまま放置されている」と、理由なく送電塔建設を強行する政府に反対す る住民は正当だと話した。

双竜車整備支会のムン・ギジュ支会長は「100日以上送電塔で座り込みをした。 電磁波の後遺症でからだをきちんと支えるのが難しい。密陽に送電塔が建設さ れれば、年を取ったお年寄りにどんな問題が起きるのか、火を見るより明らか だ。十分な対話と協議をして決めるべき問題だ」と明らかにした。

記者会見の後、キム・ジュナン神父と71歳のイ・ナムウ府北面住民代表が、 「朴槿恵大統領に差し上げる密陽住民の公開書簡」を渡すために出発した。 その後、密陽住民のおばあさん、おじいさんたちは765拝のお辞儀をして、 送電塔建設撤回を祈った。

司会者は765拝について「朴槿恵大統領と韓電への礼ではなく国民にする礼だ」 とし「今まで関心を持ってくれて有難い。これからこの問題がうまく解決され るように助けてほしいという意味だ」と明らかにした。

おばあさんたちは、冷たいアスファルトの上で司会者の掛け声に合わせて硬い 膝を折り、曲がった背中をさらに曲げて礼をした。数人のおばあさんは、礼を しながらも手を上げて、よく聞こえないしわがれ声で「送電塔建設反対」を叫 んだ。

おばあさんたちが今日出てきた密陽では、すでに33人が病院に搬送され、22人 が連行され、残った住民たちは台風が通る風雨の中でビニールをかぶって座り 込みをしている。

この日、密陽の住民たちは朴大統領への公開書簡で、密陽送電塔工事即時中断、 責任者処罰、社会的公論化機構構成を要求した。密陽の住民たちは来週、また ソウルに上京し、青瓦台、韓電、警察庁、国家人権委など、送電塔を強行する 主要政府部署の前でデモを続ける計画だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-10-19 12:38:21 / Last modified on 2013-12-17 09:56:16 Copyright: Default

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