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霊光原発が危険だ...総体的不良に住民は不安と怒り

[霊光原発企画](1)偽造部品事件と核心部品の亀裂...大事故の可能性

ムン・ジュヒョン記者 2012.11.26 11:40

〈編集者 注〉最近、霊光原発5〜6号機の偽造部品事件と霊光原発3号機の核心 部品(制御棒管路の亀裂)で深刻な欠陥が発生するなど、霊光原発をめぐる一連の 事故が原発に対する総体的な不信につながっている。特に、霊光原発3号機の 核心部品の欠陥は、86年に霊光原発の稼動が始まって以来最高水準の故障といわれ、 霊光郡を含む全南地域に大きな衝撃を与えており、霊光原発からわずか1.5Km しか離れていない高敞郡上下面地域の住民も不安に震えている。

一方、高敞郡では、『郡民行動』と上下面農民会が「霊光原発事故は霊光郡と 全南だけの問題ではなく、高敞をはじめとする全羅北道も危険を感じて積極的 に対応すべきだ」とし「霊光原発に対する全羅北道次元の対応と共に、放射能 防災対策などを総合的に検討しろ」と指摘している。

最近広がっている霊光原発の安全威嚇と高敞をはじめとする地域社会の動きを 3回にわたり連載したい。

(1) 霊光原発が危険だ。総体的不良で地域住民の不安と怒りが高まる

(2) 霊光は震えているのに、高敞が静かなのはなぜ?

(3) 核発電所の秘密主義を捨て、社会の統制を受けよ

霊光原発5・6号機の偽造部品事件
「霊光原発5・6号機で頻繁な故障、偽造部品事件と関係がある」

11月5日、知識経済部は「2003年から2012年まで、原発部品の納品業者(8社)が 提出した海外品質検証機関の検証書60件が偽造であることが確認された」とし 「霊光5・6号機は今日から稼動を停止し、年末までに早急に部品を交換する」 と明らかにした。

知識経済部が発表した偽造部品の量は237品目、7682製品、約8億ウォン規模で、 ほとんどが霊光5・6号機に設置されており、霊光3・4号機、蔚珍3号機にの一部 にも設置されている。

[出処:ハッピーデイ高敞]

韓水原は今回の偽造部品事故について「未検証品はすべて原子炉格納建屋の外 にある補助設備で使われており、原発の多重化システムが部品の誤作動を感知 するので、放射性物質が漏出する事故の可能性はない」と釈明したが、今回の 偽造部品事件の発覚は、霊光原発内の安全管理システムによるものではなく、 霊光原発に対する不信はさらに大きくなった。

韓水原は今回の事件を外部からの情報提供(9月21日)があった後、独自の調査で 約一か月後の10月19日、初め検証書の偽造を確認した。そして約60件の検証書 が偽造されていたことは、それから20日後の11月1日に確認した。情報提供から 約1か月半以上が経っていた。そればかりか、今回の偽造部品は2003年から続い ていたということは、霊光原発の安全管理に深刻な欠陥があることを端的に示す。

霊光原発の偽造部品事件はここで終わらない。11月9日、進歩正義党核安全特別委 (キム・ジェナム、チョン・ジヌ議員)が霊光原発を訪問し、3月に原子力安全 技術院(KINS)が部品納品過程に問題があった事実を明らかにし、これをKINSと 韓水原が知っていたのに追加の捜査をしなかった事実を公開した。

進歩正義党核安全特別委によれば、KINSは3月26日から30日までの5日間、霊光 原発5・6号機に対する品質保証有効性の検査を行った。この過程で、品質検証 機関の承認のない納品を摘発した。当時使われていた部品は534個で、この中に は発電所制御系統に使われる部品が含まれていた。

核安全特別委は「これらの部品が故障すると発電所が突然停止する重要な部品」 とし「これはすでに3月に韓水原が納品過程に問題があったという事実を知って いながら追加措置を取らなかったり、隠したという疑問を感じる」と主張した。

▲ヤンジ村入り口からみた霊光原発

一方、霊光原発5号機と6号機は、他の原発より事故が多い。現在まで霊光原発 5号機と6号機は、稼動以後、それぞれ18件と9件の事故が発生した。5号機は 2002年5月、6号機は同年12月に稼動を始めた。しかし稼動から24年経った蔚珍 原発1号機は、現在までに15件の事故が発生しており、それより先に稼動を始め た国内初の原発である古里原発1号機は13件の事故が発生している。発生頻度で 見ると、今回の偽造部品事件と霊光原発5号機、6号機の原発事故は無関係では ないと専門家は指摘する。

3号機、制御棒案内管の亀裂を発見
専門家、「放射能流出など深刻な事故の憂慮、溶接は別の亀裂を呼ぶ」

霊光原発偽造部品事件が韓水原の隠蔽疑惑と共に大きくなった状況で、韓水原 は11月8日、霊光原発3号機の原子炉制御棒の案内管に欠陥が確認されたと発表した。

韓水原は「霊光原発3号機の定期点検中だった11月6日、制御棒の案内管に亀裂 が発見された」と明らかにした。今回発見された亀裂は原子炉ヘッドに溶接さ れ一体型として構成される84本の制御棒誘導管のうち、6本で発生したもので、 制御棒案内管は核燃料の核分裂に耐える原子炉のヘッドの部分の内側で原子炉 の核心的な設備だ。

韓水原は、今回の欠陥について「穴があいたり冷却水が漏洩したわけではなく、 安全に問題はない。欠陥の原因は部品メーカーと共に調査している」と釈明し ている。そして今回の亀裂を溶接した後に案内管を交換するかどうかは後で検討 する予定だ。

▲霊光原発近隣でよく見る横断幕(訳注:「3号機の案内管の亀裂を溶接するとは、不安」と書かれている)

しかし今回の亀裂は、78年に韓国で原発が稼動してから初めての事例で専門家 は案内管の亀裂が大きくなって隙間ができれば、放射能汚染水が原子炉の外に 噴出するなど重大な事故につながりかねないと主張している。

霊光民間環境監視機構の関係者も「亀裂で爆発しなくても、高い気圧で亀裂の 部位が曲がり、制御棒が降りなくなれば問題が発生する」とし「案内管の亀裂 は深刻」だと意見を出した。

また、韓水原が明らかにした溶接についても問題を提起した。『霊光核発電所 汎国民対策委』のある関係者は、「冷却水に入れるホウ酸と溶接は逆説的」とし 「溶接すると溶接部位は固くなるかもしれないが、その周辺部がとても脆弱に なる。換言すれば韓水原が発表した対策は、別の亀裂を起こしかねない」と 憂慮を表明した。

また、核安全特別委は「政府と韓水原は、2003年から2012年までに納品された 部品の偽造があると明らかにした」とし「だが実際に問題になった品質検証書 は、すべて2008年以後に納品された部品についてのものだ。この10年ではなく、 李明博政権の4年間に集中している」と主張した。

こうした状況で、霊光原発3号機と同じ方式で製作された4号機の制御棒案内管 でも異常の兆候が把握され、地域住民の不安はさらに高まっている。

事故が続き、住民の不安と怒りは最高潮
「権限のある民間環境監視機構の常設化と霊光原発の稼働の全面中止を」

霊光原発の深刻な安全問題が提起され、地域住民は韓水原と霊光原発側が事件 を隠していると怒っている。

霊光原発近隣地域のフンノン、ペクス、ポプソンをはじめ、高敞上下まで含む 地域住民と、霊光原発の頻繁な事故を指摘してきた霊光核発電所共同行動は 『霊光核発電所汎国民対策委』を結成して本格的な活動に入った。

▲対策委が霊光原発入口にコンテナを設置して座り込みを始めた。

彼らは11月15日と20日、霊光原発進入を試みる闘争と共に、原発職員の出勤を 阻止する闘争を行った。そして、霊光原発の前にコンテナを設置し、座り込み をしている。今後、追加のコンテナを設置して座り込みを拡大する計画だ。

また、『霊光原発安全性調査官民合同対策委員会』(官民合同対策機構)構成と 霊光原発稼働の全面中止を要求し、今後、強力な対応をする予定だ。

霊光農民会のチュ・ギョンチェ会長は「これまで韓水原は、霊光原発の安全を 集中的に広報し、原発の近隣住民も不安は大きかったが、韓水原の主張を信じ ようとしてきた。しかし最近、韓水原が住民をだましていたという不信が高ま り、住民の対応も積極的に変わった」とし「最近、住民は対策委に積極的、 自発的に参加している」と話した。

続いて「韓水原は世論が静まれば、また停止している原発の稼動を準備してい ると思う」とし「霊光原発の問題はとても広いことが確認されたのだから、 韓水原は責任と使命感を持って霊光原発の稼働を全面中止すべきだ」と話した。

そして官民合同対策機構にも「今回の事故への対策機構を越え、これから地域 住民と民間団体が参加する常設民間監視機構を構成して、力をつけなければな らないだろう」と話した。

▲99年に設立された民間環境監視機構

これまで民間環境監視機構がなかったわけではない。しかし権限に制限があり 活動には多くの困難を味わってきた。1999年に設立された『霊光原発環境安全 監視センター』(民間環境監視機構)は、90年代の初めから霊光原発近隣で発生 する各種の疾病と原発の故障などで不安を感じた霊光郡民の、長い反核闘争の 成果だ。しかし分野が限られ、霊光原発監視の権限が少なく、困難があるのも 事実だ。

チュ・ギョンチェ会長は「監視機構の権限は少ないが活発な活動をしてきた」 とし「最近発生した偽造部品事件と3号機亀裂事故などで、この監視機構が問題 を明らかにするなど、事実上、原発3号機、5号機、6号機の稼動停止を実現した。 韓水原は、自分たちで問題を発見して停止したと説明しているが、監視機構の 活動がなければ隠しただろう」と民間環境監視機構の重要性を説明した。

チュ会長は、「3号機の欠陥は、民間環境監視機構が韓水原からの連絡を受けて 認知したのではなく、情報提供により知った」とし「今の民間環境監視機構は 韓水原の情報公開対象に含まれず、KINSや韓水原の報告書でしか把握できない」 とし、現存の民間環境監視機構の限界を説明した。

続いて「この民間機構も事実放射能を分析するために作ったのであり、原子力 を監視するために作ったのではない」とし「環境放射能モニターをする水準」 とし、民間環境監視機構が霊光原発を総合的に監視する民間環境監視機構にな なるべきだと主張した。(記事提携=チャムソリ)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2012-11-27 01:03:04 / Last modified on 2012-11-27 01:03:05 Copyright: Default

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