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サムスン、「医療民営化2ラウンド」...MBに『報告書』を提出

サムスンとMBの合同作品、『健康管理サービス民営化』と『遠隔医療』

ユン・ジヨン記者 2010.10.06 00:37

医療民営化に向けたサムスンの第2ラウンド実行計画が政府の協調の下に始めら れた。

5月、医療分野に23兆ウォンを投資すると発表、医療産業化に本格的に着手した サムスンは、サムスン経済研究所の報告書のとおりに医療民営化事業の準備を すべて終えた。『未来福祉社会実現のための保健医療産業先進化方案』という 名のこの報告書は、昨年11月、保健福祉部がサムスン経済研究所に随意契約で 発注したもので、健康管理サービス法の制定と医療法改正案など、MB政府の医 療民営化政策と同じ内容を含んでいる。

『医療民営化阻止および健康保険保障性強化のための汎国民運動本部(汎国本)』 は、この報告書を民主労働党のクァク・ジョンスク議員に提出させ、内容を検 討、分析して発表した。汎国本は、先進化方案研究報告書について「MB政府の 医療民営化推進計画を提案するため」と明らかにしている。

「医療民営化」の別名、サムスンの「HT」計画

汎国本は、『営利病院許容』と『民営保険の個人疾病情報確保』、『健康保険 当然指定制廃止』等といった直接的な医療民営化計画が国民的な抵抗を受け、 サムスンはHealth Technology(HT)という迂回戦略を提出したと主張している。

▲HT産業の構造[出処:"保健医療産業先進化方案"報告書25ページ]

HTは医薬品、医療機器、医療サービスだけでなく、医療伝達体系のような保健 医療システムを包括し、商業化する戦略だ。つまりHTは、公的領域の健康保険、 保健医療サービス、患者疾病情報までをHTの名で商業化の領域に包括する。

実際、7月13日に開催された『第8回HTフォーラム』でサムスン経済研究所は、 HTの重要性について『保健医療分野の投資効果は他の分野より高い』とし、 『保健医療は単一分野では世界最大の市場で、他の産業より高成長の展望』と 医療商業化の重要性を力説した。

特に報告書では、BT(生物体を利用した製品とサービスを生産する技術)と、 HT(健康増進または疾病の予防、治療のための諸般の技術)を区分して、HTは 『医療サービス』が中心だと定義した。ここでの『医療サービス』は、病院と 薬局などの保健医療体系で、汎国本はこの内容が社会公共性が必要な保健医療 体系の商業化を目的するものと指摘した。

▲BTとHTの産業領域区分[出処:"保健医療産業先進化方案"報告書24ページ]

また汎国本は、「必須かつ基本的なサービスを商品化し、利益追求の対象に転 落させようとする産業政策こそ医療民営化」とサムスンのHT計画を批判した。

サムスンの民営化商売は『健康管理サービス民営化』と『遠隔医療』

サムスン経済研究所は、医療サービス推進有望分野として遠隔医療をはじめと する情報化、予防医学、リハビリ治療、健康診断、患者対象教育などをあげる。 だがこれは政府が患者に公共的に提供するか提供すべき部分だ。

特に汎国本は、「サムスンが保健医療サービス分野で、予防、リハビリ医学、 健康診断、教育などを『健康管理サービス』にまとめ、健康保険から除外して 産業化を推進すべきだと言っている」と説明した。実際にこれと同じ内容を含 む法案である『健康管理サービス法案』が現在国会に上程されている。

遠隔医療では、サムスンは報告書で一番有望な産業化の分野としている。だが 遠隔医療は、現在までその安全性と効率性は検証されておらず、患者を検診し た結果の共有などの個人疾病情報漏出問題で多くの議論を呼んできた。遠隔医 療は現在、『医療法』で認めようとしている『遠隔診療』と同じ内容だ。

▲サムスンソウル病院

汎国本は「結局、サムスンは営利病院許容と民間保険活性化などが当分難しく なり、健康管理サービスと遠隔診療で、迂回的な医療民営化への接近を試みて いる」と解釈した。だが李明博政権が営利病院許容と民間保険活性化などを推 進し続けている状況で、サムスンの迂迴路は『医療民営化』政策の最終的な完 成のための包括政策だと見ることができる。

この他にもサムスンは報告書で、病院の『専門大型化』による医療サービスの 市場形成と、海外進出の必要性を強調している。

『国民医療費支出』が『成長』と言うサムスン

サムスン経済研究所は報告書で『世界最高水準の国内医療支出の増加=成長動力 化の機会』とした。これは、国民の医療費の増加がつまり成長だという認識が 底にあると解釈できる。汎国本は「特にこうした主張は、現在の浪費的な国民 医療費の支出を奨励する対象と見ていることに問題がある」と指摘した。

そのためサムスンは、保健医療さえ成長至上主義的に見ているという非難を免 れない。実際にサムスンは報告書で『2020年に世界5位圏のHT強国に行こう』と いうビジョンを提示した。だが医療費の増加、つまり国民医療費の支出の増加 は、そっくり国民の負担増になり、深刻な問題を発生するため、議論が続いて いる。

特に韓国は老人人口が急増しており、行為別点数制度などといった費用膨張的 な構造と制度において、医療費の急増が重要な社会問題に台頭している。だか ら汎国本など市民社会団体は、これらの問題について政府が公共性を担保でき る政策で解決するよう要求してきたが、結局サムスンをはじめとする政府は 『成長の機会』とみなすよう要求している実情だ。

現在、李明博政権は今年の定期国会で、健康管理サービス市場化の内容を含む 『健康管理サービス法』の制定立法の努力を傾けている。また同時に遠隔医療 を全面的に認める『医療法』改正案を強引に通そうとている。

だがサムスンは報告書で医療民営化推進のための兵役特例、税金減免などの規 制緩和と政府支援の拡大を政府に要求している。特にサムスンは医療民営化の ための汎政府推進機構を提案しているが、汎国本は「福祉部の分野だった保健 医療の分野を経済部署の管轄下に置こうとしている」と解釈している。

▲サムスン経済研究所が提案した汎政府推進機構案[出処:上記報告書582ページ]

実際に彼らは報告書で国会科学技術委員会の傘下にHT戦略委員会を設置したり、 保健福祉部、知識経済部、教科部が合同で部署合同HT推進委員会を設立するよう 提案しているという。

これについて汎国本は、「こうした国家支援体系の中で、病院-民営保険会社- 財閥の連係体系を確立し、医療民営化の国家的体系を構築しようとしている」 と非難した。

一方、汎国民運動本部は10月6日午前、民主労総でサムスン経済研究所の『未来 福祉社会実現のための保健医療産業先進化方案』研究報告書の内容と問題を 暴露する記者会見を開き、これらの内容を発表する予定だ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2010-10-07 02:00:52 / Last modified on 2010-10-07 02:03:12 Copyright: Default

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