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採用広告に「00歳以下」を入れると差別

22日から年齢差別禁止法施行

キム・ヨンウク記者 batblue@jinbo.net / 2009年03月17日16時52分

今後、事業主が社員募集広告を出す時「00歳以下」等の年齢制限をすると罰則 または過怠金を受けることになる。3月22日から「雇用上年齢差別禁止および高 齢者雇用促進に関する法律(年齢差別禁止法)」が施行されるためだ。

この法が施行されれば募集・採用で退職・解雇に至るまで、雇用のすべての段 階で、年齢を理由とした差別行為が禁止される。

例えば、募集・採用広告に「0000年度以後出生者」、「満30歳以下」、「満25 歳以上29歳以下」 「2009年卒業(予定)者」、「大学卒業後2年以内」のような 表現が入っていると差別になる。

面接段階でも「年齢が若いがこの仕事ができますか?」「年上だが若い上司と仕 事が出来ますか?」という質問をすれば差別だ。

外国では募集広告で「若い役員」、「活気溌刺」 「新鮮で革新的なアイディア を持っている」等も差別とされるという。

今回の年齢差別禁止は段階的に施行される。労働部は「韓国企業の相当数が年 功中心で運営されている現実と、新制度の導入による労働市場の衝撃を緩和す るために、年齢差別禁止を段階的に導入することにした」と明らかにした。

これに伴い、募集・採用部門は公布の日から1年が過ぎた今年3月22日から施行 され、その他の賃金・賃金以外の金品支給および福利厚生、教育・訓練および 配置・配転・昇進、退職・解雇などは2010年1月1日から施行される。

今回の年齢差別禁止法は、国家人権委員会が勧告を担当して、是正命令は労働 部が担当するようになる。

年齢差別行為で被害を受けた人は国家人権委員会に被害にあった日から1年以内 に陳情を提起できる。国家人権委員会が救済措置などの勧告をしても事業主が 正当な理由なく勧告を履行せず、その被害の程度が深刻だと認められる場合、 労働部長官は被害者の申請または職権で是正命令ができるようになった。

▲年齢差別是正手続き[出処:労働部]

また年齢差別行為の是正命令を正当な理由なく履行しない事業主には3千万ウォ ン以下の過怠金を賦課する。

勤労関係成立以前の段階で発生する募集・採用時の年齢差別は、是正命令の実 効性がない点を考慮して、500万ウォン以下の罰金が賦課される。

事業主の報復的不利益措置を憂慮し、権利保護が受けられないケースを防ぎ、 法の実効性を確保する条項も置いた。

差別についての陳情、訴訟、申告などをしたことを理由に該当労働者に対し解 雇やその他の不利な処遇をすれば2年以下の懲役または1千万ウォン以下の罰金 を支払わなければならない。

〈年齢差別禁止法〉関連Q&A

Q1)高齢者だけのための法でしょうか?

年齢差別禁止法は高齢者雇用促進法を改正したもので、改正前は高齢者への雇 用促進政策に重点を置いていましたが、今後は雇用上の年齢差別の慣行を解消 するために法律の名前も変更し、高齢者だけでなく全ての年齢に対する雇用上 の年齢差別を禁止するようにしました。

Q2)こうした失業難の中で青年はもっと就職が難しくなるのではないのですか?

今までの採用慣行は、特定の年齢を基準に志願資格を付与し、同年代の集団間 競争をする場合がほとんどでしたが、年齢差別禁止法が施行されれば世代間競 争する状況になり、一瞬青年に不利に見えます。しかし窮極的に能力と無関係 に年齢を基準とする年功序列の慣行を解消することで、公正な競争を可能にす る基礎が用意されます。

Q3)合格できない人に機会を与えるのは浪費ではないのですか?

特定の年令帯の人が採用試験に合格できないと思うのは年齢への偏見かもしれ ません。むしろ年齢差別を改善し、競争率が高まれば適格者を選抜できる可能 性がさらに高くなるかもしれません。

Q4)高齢な人がくれば働かせるのが難しくないでしょうか?

業務上、どうしても設定しなければならない位階秩序を年長者と年少者の関係 に変えるのは合理的ではありません。韓国社会が持つ基本情緒が年齢による組 織内の位階秩序を容認していますが、これは変えるべき慣行といえます。

Q5)敬老優待も差別でしょうか?

年齢差別禁止法は雇用上、合理的な理由なく年齢を理由とした差別(優待、排除、 区別したり不利に待遇)という行為だけを規制します。雇用領域ではない日常生活 領域は適用範囲ではありません。

Q6)人権委ができることは何ですか?

人権委は是正勧告機関です。是正勧告そのものは強制力を持つませんが、年齢 差別禁止法は労働部による是正命令が可能なので、事実上強制性があります。 もし人権委が差別行為と判断して是正勧告をした事案について、被陳情人が履 行しなければ、その後に法院の裁判などで肯定的影響を与えられます。

Q7)いつから施行するのですか?

募集・採用分野は2009年3月22日から、その他、賃金、賃金他金品、昇進、退職・ 解雇分野は2010年1月1日から施行されます。

Q8)被害にあった時はどうすればいいのですか?

被害にあった日から1年以内に人権委に陳情してください。人権委は陳情事件を 調査し、年齢差別と認められれば事業主などの被陳情人に是正勧告をし、被陳 情人が委員会勧告を履行しなければ被害者は労働部に是正命令を申請すること ができます。

Q9)事業主が委員会勧告を受け入れなければどうなるのですか?

人権委是正勧告を履行しないと、被害者は労働部に是正命令を申請することが できます。事業主がこれを履行しない場合は3千万ウォン以下の過怠金が賦課さ れます。また募集・採用分野で年齢差別をした事業主は、5百万ウォン以下の罰 金、年齢差別行為に対する陳情、資料提出、証言などをしたという理由で勤労 者に解雇、配転、懲戒などの不利な処遇をした事業主は2年以下の懲役または 1千万ウォン以下の罰金が賦課されます。過怠金は、事業場の規模(常時勤労者 数)により上限額がそれぞれ適用されます

Q10)なぜ人権委と労働部が分けてするのですか?

人権委は2001年から国家人権委員会法により年齢をはじめとする多様な理由の 差別行為を調査し、是正勧告をしてきました。しかし年齢差別禁止法が改正・ 施行されたことで、別途の是正組織をおくと業務の重複による効率の低下や、 同一事案に対して国家機関が互いに異なる決定をすると国民の混乱を招くこと になるので、人権委に差別是正機能を一元化しました。しかし人権委は強制力 を伴わない勧告・調整機能に集中するので、是正効果をあげるために法的拘束力 がある是正命令権限を持つ労働部と協調するのです。

Q11)数年前に差別されましたが救済されますか?

年齢差別禁止法は調査および是正勧告の権限を人権委に付与したので調査手続 などは国家人権委員会法に従います。人権委法では陳情の原因になった事実が 発生した日から1年以上経過し、陳情ならその陳情を却下するように規定してい ますので、原則的に調査や救済は困難です。

Q12)両親が差別されました。私が代わりに陳情してもかまいませんか?

国家人権委員会法第30条によれば被害者だけでなく被害事実を知っている人や 団体も陳情を提起できますが、年齢差別禁止法は年齢差別にあった被害者本人 が人権委に陳情すると規定しています。国家人権委員会法による是正勧告は、 是正命令などの強制力がありません。年齢差別禁止法による処理(強制力を伴う 救済措置)を望む場合は、両親が直接陳情しなければなりません。

Q13)年齢差別された時、人権委、労働部どちらにでも行ってもいいのですか?

年齢差別陳情の調査と判断、救済措置などの勧告は人権委の業務ですから、人 権委に陳情してください。ただし、募集・採用領域での差別行為には労働部も 捜査などの権限を持っていますから、労働部管轄地方労働官署に陳情書を提出 することもできます。

Q14)事業主がどんな人を選ぶかは事業主の自由ではないのですか?

人材採用を含む企業人事政策の自主性は認められます。しかし年齢差別は能力 に基づく合理的な人事管理および企業文化形成を阻害し、長期的には勤労者の 能力発現を低下し、企業の発展を妨げる障害要素であり社会的支出を増大させ る否定的な影響をおよぼすので、国家的次元でこれを解消する必要から年齢差 別禁止法を施行するようになりました。

Q15)事業主にとても過度な負担を与えるのではないのですか?

まず企業が悩むもう一つの規制装置ができたのは事実です。しかし長期的には 企業人事制度の透明性と確実性を図ることで効率と競争力を高められます。

Q16)事業主の立場としては管理費用がとても多くかかるのではないのですか?

募集段階で年齢制限がなくなれば志願者数が増え、賃金設計や労務管理計画の 樹立などで現在より管理費用が増加します。しかし長期的には年功序列ではな く能力による人材管理が可能になり、企業の効率と競争力が増大します。

Q17)定年や給与体系も差別でしょうか?

年齢差別禁止法は勤労契約、就業規則、団体協約などで設定した定年を差別の 例外と認定しています。また勤続期間の差異を考慮した賃金、賃金外金品の支 給、福利厚生の合理的な差別は差別の例外理由と認定しています。

Q18)高齢という理由で整理解雇されましたが、これも差別でしょうか?

整理解雇理由が単純に『年齢』が高いという理由なら、差別の可能性が高くな ります。

Q19)卒業年度制限も差別でしょうか?

卒業年度はたいてい年齢と密接に連結していて、特定年令帯が合理的理由なく 優遇されるという面で、差別行為と見る余地があります。

Q20)面接で何歳かと聞かれました。差別でしょうか?

業務遂行と直接に関連がない年齢に関する質問は差別につながる余地があるの で、できればしないことが望ましいです。

Q21) 1人以上の事業場が適用対象ですが、コンビニエンスストアのアルバイト を選ぶ時も年齢で差別してはいけませんか?

コンビニエンスストアーの時間制アルバイトも勤労基準法上の勤労者なので、 コンビニエンスストアーの事業主が年齢差別禁止法が禁止する差別行為をすれ ば是正勧告を受けます。

Q22)歳と年齢は違うのですか?

辞書的意味と法的意味はどちらも同じですが、国家人権委員会法では『歳』、 年齢差別禁止法では『年齢』と規定しているという違いがあります。

Q23)コンピュータを扱えない年配の方を事務職に採用することはできなくなりませんか?

年齢ではなく、該当業務を遂行するのに必要な能力を持つかどうかで判断すれ ば、高齢者を採用しないことが差別行為ではありません。しかし年を取った人 はコンピュータを使えないという先入観で募集から除外したり採用過程で一律 に排除したとすれば差別です。

Q24)年齢が若いから昇進させてくれないのも差別でしょうか?

昇進に必要な要件を同一に備えているのに単に年齢が若いという理由で昇進か ら排除すれば、差別に該当します。

Q25)採用広告に年齢制限はありませんが、結果を見ると20代しか選ばれません でした。これも差別でしょうか?

差別の判断には、書類選考、面接試験などの採用手続きで20代を優待する採用 基準が適用されたかを調査しなければなりません。もし特定年齢を優待したり 排除する採用基準ではなく、中立的な基準を適用していれば、統計上特定年齢 集団が不利な待遇を受けたか、適用された中立的な基準が合理的か(または正当 か)を検討し、間接差別かどうかを判断できます。

Q26)受験願書に年齢や生年月日を書いてはいけませんか?

年齢を書くこと自体が年齢差別と断定することは難しいですが、受験者の年齢 を知れば年齢についての先入観が作用する可能性がありますので、どうしても 必要でなければ年齢を記載しなくても良い様式を使うのが望ましいです。

Q27)同点者の場合、年長者を優待することも差別でしょうか?

採用など雇用領域での選抜基準は、職務遂行能力の評価が優先でなければなら ず、これは同点者処理でも同じです。社会経験の多い少ないは個人により異な り、どんな経験をしたのかという具体的な内容も重要なので、年長者基準は合 理的ではないこともあります。

Q28)経歴者優待も年齢差別でしょうか?

間接差別の問題を検討することができます。一定水準の在職期間、知識、経歴、 資格などは年齢に関する要素と見られ、このような要件を備えた人を優待し、 特定の年齢集団に不利な結果が発生して、経歴者を優待する合理的な理由がな い場合は、年齢差別と見られます。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-03-20 04:47:29 / Last modified on 2009-03-20 04:47:30 Copyright: Default

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