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労災死亡・災害惨事被害者らの破壊された人生

「加害企業の処罰なしでは労災トラウマは終わらない...重大災害企業処罰法切実」

パク・タソル記者 2020.08.12 15:06

労災死亡と災害惨事を直接体験した被害者が、 事故のトラウマと改善されない現実を吐露した。 彼らは責任者は処罰されなければ現場は改善されないとし、 重大災害企業処罰法制定の必要性を強調した。 重大災害企業処罰法を制定して、 労災事故と災害惨事に対する企業最高責任者と企業法人に責任を問おうということだ。

8月12日午前、ソウル市光化門世宗文化会館階段の前で 「労災死亡・災害惨事被害者証言」記者会見が開かれた。 この日の記者会見で、2011年の加湿器殺菌剤惨事、 2017年のサムスン重工業クレーン衝突労災死亡、 今年発生した三票セメント労災死亡とクーパン発コロナ19被害の証言が続いた。

加湿器殺菌剤被害者の母親、ソン・スヨン氏は、 この事件がSKケミカルが供給してエギョンが販売した加湿器メイトのためだと言葉を切り出した。 また、被害調査、被害補償、加害企業処罰などがまだ終わっていない 現在進行中の事件であることを明確にした。 ソン氏の娘は加湿器殺菌剤により肺の損傷という被害を受けた。

加湿器殺菌剤は1994年から2011年まで販売され、 現在、関連の死者が1500人を越えた。 加湿器殺菌剤被害者の一部が被害に対する因果関係を認められ、 治療費と葬儀費などの支援を受けたが、 被害者全体の規模に比較すればその範囲は非常に制約的だ。

ソン氏によれば、 加湿器殺菌剤関連の調査は2016年では一歩遅れて始まったが、 供給会社のSKケミカルは起訴さえできず昨年になってやっとエギョンと共に起訴され、 裁判が続いている。 ソン氏は「2011年に加湿器殺菌剤被害が知らされてから10年目につかんだ機会」とし 「1500人以上の死者を出した殺人企業を厳重に処罰しなければならない」と話した。 ソン氏は「きちんと吸入毒性実験をせず、ただ企業の利益だけを追求して、 消費者の安全には無関心な加害企業に対して厳重な処置が行われることで、 化学物質からもう少し安全な未来が用意されるだろうと思う」と強調し、加害企業の処罰を要求した。

労災事故が重なった三票セメントの労働者もマイクを持った。 三票セメントは昨年の重機による死亡事故に続き、 今年だけで2件の労災による死亡が発生した。 今年死亡した労働者はすべて下請所属だった。 三票セメント支部の組合員でもある民主労総東海三陟支部のキム・ジニョン支部長は 「労働部も共犯」として労働部の職務遺棄を指摘した。 キム支部長は「二人が死亡して労働部に特別勤労監督を要求したが、 まだ三人死んでいないからできないといった。 あと1人死ななければならないということかと問い詰めたが、 一般的な随時監督で充分だといった」とし 「労働部は勤労監督二日目に再稼働を許可し、 わずか3か月も経たないうちにまた同じ死亡事故が発生した。 労働部が死に対する原因を究明して防止対策を出していたら防げた事故」と声を高めた。

三票セメントで今年発生した事故はすべて下請労働者が被害者だった。 二人とも停止した設備を点検していた時に突然機械が運転され、 1人は狭窄事故、1人は転落事故にあった。 キム支部長は「会社が不法派遣の余地のために下請労働者には無線機を与えない。 無線機が与えられなくても、少なくとも安全管理者の1人でも配置されていれば 起きなかったことだ」とし 「安全のための費用とは比較にならない程、 労災事故による莫大な費用がかかれば、 そして元請事業主が強力に処罰されれば、 使用者は安全のための実質的な措置をする」と話した。

クーパン富川新鮮センターのコロナ19確診被害労働者は完治して退院したが、 烙印が続くと吐露した。 被害労働者のA氏は自分を「保健前科者」と称し 「これから緋文字をつけて生きていかなければならない」と話した。 A氏は「退院したが、隣人と会うのが恐ろしく、 やむをえない外出の時に降りて行く時はエレベーターに乗らず、歩いて降りて行く。 我が家はアパートてっぺんの20階だ。 家ではくしゃみもできず顔色をうかがう。 遠い将来、息子が結婚して孫ができても抱くことができるか心配が先んじる」と憂慮した。

A氏は「確診者自身だけでなく、周辺と家族までが苦痛だ。 クーパン側の安易な対処で労働者が感染したのは確実なのに、 何の慰労のメッセージもなく、 再発防止、補償と関連したいかなる対策や立場表明も全くしていない」と批判した。

2017年のサムスン重工業クレーン事故の被害労働者キム・ヨンファン氏の発言は代読された。 キム氏は2017年5月1日のメーデーにサムスン重工業巨済造船所マルティン・リンゲ作業現場で働き、 クレーンが崩壊して下請作業者が負傷して死んだ事故を目撃した。 個人的に精神科治療を受け、市民団体の助けを受けて2018年5月になってやっと労災が認められた。

キム氏はこの日送ってきたメッセージで 「事業報国という創業理念と経営哲学を持つサムスンは、 もうこの表札をはずして人命軽視、責任回避、労働搾取、 この3種類を価値として経営することを願う」と批判した。 キム氏は「本社のイメージメーキングのために コロナ被害地域の大邱には300億ウォンを、 梅雨水害地域のためには30億ウォンを寄付したが、 労災の被害を受けた職員や下請労働者にはただ無視し続けている」といった。

キム氏は「事故の後、きちんとした措置、謝罪、賠償は一切受けられなかった。 勤労福祉公団、労働部など政府機関では手をこまねき、遠くからながめていて、 市民活動家や団体が被害者を救済するこの現実に惨憺たる気がする」とし 「本当に苦痛を断ち切るためには、 重大災害企業処罰法と懲罰的損害賠償という法が切実だ」と明らかにした。

社会活動家で労働者心理治療ネットワーク・トントントクのハ・ヒョヨル執行委員長は、 長い相談の経験を通じて心の傷は相談だけでは治らないと説明した。 ハ執行委員長は 「相談をしに来る人が共通して加害者の心からの謝罪と事故責任究明、 対策の3種類を望む。 だがほとんどの場合、三つの望みのうち一つもきちんとなされない」とし 「3つの望み全てを制度として確立することが重要だ。 こうした措置がなければ心理治癒は足踏みをするほかはない」と指摘した。

一方、重大災害企業処罰法を21代国会で通過させるための 市民、労働者、労災災害惨事被害者の努力が続いている。 彼らは9月の1か月間、市民10万人の同意を受ければ法案を提出できる 「国会国民同意請願」を計画している。 所管常任委に回付されれば審査を経て本会議に付議されるか廃棄される。 現在は市民の署名を集め、9月の1か月間の市民請願のための力を集めている。 民主労総も下半期最大の事業の一つが重大災害企業処罰法制定だとし、 闘争する意向を明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-08-14 21:20:31 / Last modified on 2020-08-14 21:20:32 Copyright: Default

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