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政府、利川惨事の遺族なしで特例法制定を推進

「多重人命被害犯罪特例法」制定...遺族要求7項目のうち1項目を受け入れ

キム・ハンジュ記者 2020.06.18 13:49

38人の労働者が死亡した利川物流センター火災惨事が発生してから51日、 政府は多重人命被害犯罪処罰特例法を制定し、 現場安全基準を大幅強化すると明らかにした。

労働界はこれまで重大災害企業処罰法の制定により労災に対する企業責任を強化しろと主張してきた。 これに対して政府は多重人命被害犯罪特例法で答えたわけだ。

雇用労働部の李載甲(イ・ジェガプ)長官は6月18日に政府世宗庁舎で 「建設現場火災安全対策」を発表した。 対策発表に先立ち李長官は 「利川火災事故で命を失った勤労者の方々と遺族の方々に非常に残念な心情」と明らかにした。 だが利川惨事遺族を代理するキム・ヨンジュン弁護士によれば、 政府はこの日、対策発表に遺族を招くことはなかった。

▲2020年4月29日午後多数の死傷者が発生した京畿道利川市暮加面の物流倉庫工事現場火災現場で黒い煙が吹き出している。[出処:京畿道消防災害本部]

公共と民間の工事はすべて適正工事期間算定義務化

政府は計画段階から建設工事安全性を確保すると明らかにした。 具体的には公共と民間の工事はすべて適正工事期間算定を義務化して、 安全管理が不良な建設業者リストの公開により適格業者が選ばれるように誘導する計画だ。 また大事故が発生した時は労働者に適正に補償されるように勤労者災害保険加入を義務化する。

政府は建築資材の火災安全基準を大幅に強化するとも言った。 利川惨事は溶接の火の粉が断熱材に引火した火災惨事で大きくなった。 政府は600平米以上倉庫、1000平米以上の工場だけに適用されていた 壁材の火災安全基準をすべての工場・倉庫に拡大し、 サンドイッチパネルを使う場合は準不燃以上の性能を確保するようにした。 火災安全基準がなかったウレタンフォームなど内部の断熱材に対しても 難燃性能を確保すると明らかにした。

また可燃性物質を扱う作業と火気を使う作業を同時にすることを禁止する。 これに違反した場合、監理に工事を中止する権限を付与する。 また引火性物質を扱う時は、ガス警報機、強制換気装置などの安全設備設置を義務化する。 これに必要な費用は政府が支援する。 安全専門担当監理を導入し、公共工事はすべての規模、 民間工事は常駐監理対象工事に配置する。 元請には事前に危険な作業の日時、内容、期間などの情報を把握して、 下請企業の作業調整義務を賦課する計画だ。

多重人命被害犯罪特例法制定推進

政府は企業と経営責任者の労働安全警戒心を向上させるために多重人命被害犯罪特例法制定を推進すると明らかにした。 法務部公共刑事課はこの日のブリーフィングで 「多重人命被害犯罪特例法に関しては、法務部でT/Fを稼動させ、 現在該当の条文を検討中」とし 「今年の年末までの国会通過を目標にしている」と話した。 労働界が要求した重大災害企業処罰法には 「故魯会燦(ノ・フェチャン)議員が発議した法案や、 最近姜恩美(カン・ウンミ)議員が発議した法案などを十分に検討して、 特例法制定の参考にする予定」と説明した。 事実上、重大災害企業処罰法に代えて「多重人命被害犯罪特例法」を作るということだ。 法務部は該当特例法の具体的な内容は明らかにしなかった。

また企業の経済的制裁と経営者責任を強化するように産業安全保健法の実効性を確保していく方針だ。 現在、産安法は泰安火力発電所の故キム・ヨンギュン死亡事件を契機として昨年全面改正された。 産安法を改正しても労災事故が減らないので 「キム・ヨンギュンないキム・ヨンギュン法」と批判された。 李長官は「現在の産安法改正案に新設された加重処罰規定が 量刑基準や求刑基準に反映されなければならない」とし 「最近量刑委員会委員長と会って協議し、 量刑委員会は来年4月までに(産安法の)量刑基準を議論すると伝えた」とした。

李長官は「企業の経営責任者が外部の規制のために安全を守るのではなく経営の核心価値だという認識を持てば、 私たちの職場は画期的に変わる」とし 「政府は関係機関合同で今回の対策を支障なく履行し、現場で実際きちんと作動しているのかを持続的に点検する計画」と明らかにした。

「遺族も呼ばずに対策発表…現在の労災処理はめちゃくちゃ」

キム・ヨンジュン弁護士によれば、遺族が制度的に要求している事項は、 ▲重大災害企業処罰法制定、 ▲特別法による先補償・後求償、 ▲一定規模以上の工事で近在保険義務加入、 ▲証明責任の緩和および転換、 ▲懲罰的損害賠償、 ▲安全関連情報公開義務化、 ▲捜査および調査過程での遺族参加権保障だ。

7項目の要求の中で、政府が対策として受け入れた事案は労災保険の義務加入程度だ。 重大災害企業処罰法は多重人命被害犯罪特例法で代替された。 懲罰的損害賠償は対策にないのかという取材陣の質問に李長官は 「全体的な民事上の損害賠償制度、刑事法体系に関して総合的な検討が必要な事項だと考える」と説明した。 安全関連情報は政府の対策で「危険現場情報を自動抽出できる安全保健情報ビッグデータを構築する」程度と明示された。

キム弁護士はチャムセサンとの通話で、遺族意見を聞きもせずに 政府がこのような対策を発表したことは理解できないと明らかにした。 キム弁護士は「政府が対策を発表するのなら、 遺族に明確に知らせて出席を薦めるべきではないのか」とし 「現在、労災処理も円満にされていない。 勤労福祉公団は最末端の請負業者所属の労働者を、その上の協力業者の労働者として偽りの申告をしたのに、 これをきちんと把握していない。 また、遺族は発注処などの役職員との合意もない。 まず事故をきちんと処理して政府が巨大談論で話すべきではないか」と指摘した。

一方6月20日に利川惨事犠牲者の合同告別式が 利川市チャンジョン洞の チャンジョン青少年文化センター内の合同焼香所で開かれる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-06-28 08:46:14 / Last modified on 2020-06-28 08:46:22 Copyright: Default

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