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保守も改革も北核の前には商売なかったね

[言論動向]北朝鮮核実験関連マスコミ報道

チョスビン記者/ 2006年10月12日12時48分

戦争前夜の1週間だった。北朝鮮が核実験を断行した9日から3日、世界の耳目 が朝鮮半島に集中している間、韓半島のマスコミはすべてこれに呼応するかの ように無数の記事を暴雨のように吐き出した。9日から11日まで、ポータルサ イトで検索できる北核関連のコンテンツだけで何と2000本余り、保守言論を代 表する朝鮮日報と改革言論ハンギョレ新聞は、それぞれ80本ほどの独自コンテ ンツを提供した。情報の提供、読者の知る権利という側面では大変「有難い」 ことかもしれないが、‘大げさ’、‘興奮’、‘動揺’という修飾語が常に付 きまとうとすればそうも言っていられない。誤報と判明した日本の報道機関の 第二回核実験報道には全世界のマスコミが動揺し、韓国のある保守言論のイン ターネット版には「ソウルに核爆弾が落ちたら」という仮想シナリオまで掲載 されたというのだから、韓半島はすでにマスコミを通じた「戦争ではない戦争」 を行っているわけだ。

北朝鮮の核実験から3日目になる11日、予想と違って株式市場には変動がなく、 94年の時のような買い占め現象もなかったという報道が出ると、不安をあおる 報道と推測性の報道慣行が問題として議論され始めた。それにもかかわらず、 相変らず「韓国国民の安保不感症」を指摘する「屈することなく一貫」してい るマスコミもあるのだが。

ここまでくれば、戦争勃発の原因提供者としてのマスコミを非難する世論に対 して単に安保不感症患者と片付けることは...

局面転換による危機ではない

今、持ち上がっている北核局面の根本は、2005年2月に北朝鮮外務省報道官の 核兵器保有および6者会談無期限中断の宣言から始まる。以後、7月5日のテポ ドン発射、10月9日の核実験断行まで、北核局面は次第に深刻になり悪化する 方向に続いている。その局面で、今回の核実験は昨年の北朝鮮による核兵器保 有の主張を裏付け、北の対米外交の最後のカードという政治的意味を持つ。

換言すれば局面転換による「危機」というよりも、局面が次第に深化、悪化し ているということだ。しかしマスコミは「災害」、「超緊張」、「不安でしか たがない」といった安保危機を助長して、北朝鮮の意図について推測性の報道 を量産している。

朝鮮、対北朝鮮政策失敗に焦点・ハンギョレ、今後の国内状況と対応に重点

報道内容も核心が見過ごされている。代表的な保守言論である朝鮮日報と改革 言論ハンギョレ新聞の記事内容を調べると、事実報道では大きな差はないもの の報道の焦点は明確に違いがある。まず、盧武鉉大統領記者会見などの政府の 発表、国内状況と米国、中国などの国外の雰囲気を大きく扱った。特に朝鮮日 報は、インターネット特別版まで構成して経済、外信、国内などの各領域で記 事化した。

しかし朝鮮日報は、「盧武鉉政府対北朝鮮政策『誤判断の連続』」、「盧大統 領『調整された措置』強調の背景」など、今回の北朝鮮核実験の原因に焦点を あてているのに対し、ハンギョレ新聞は「核実験強行は軍部の影響力?」など の記事の他には「対北朝鮮包容政策を放棄するな」、「『経済波及効果最小化』 政府危機管理試験台」、「金融市場一日後に安定..株価反騰、為替レート下落」 など、今後の半島情勢の変化や米国、韓国政府の対応に集中している。

こうした違いは社説でさらに明らかになる。朝鮮日報は盧武鉉政権の対北朝鮮 政策の失敗に原因を求め、さらに強い対北朝鮮制裁と確固たる韓米協調を要求 する。ハンギョレ新聞は現在の南北関係の全面的再検討を憂慮し、政府の安定 した管理と対話などの平和的な枠組みによる危機克服を解決法に提示した。

「同盟国米国の核の傘しかない」、「南北関係の全面的再検討は時期尚早」

朝鮮日報は9日から11日まで、4回の社説で、ハンギョレ新聞は6回の社説でこ れを明らかにしている。

朝鮮日報10日の社説「大韓民国を守る大決断を」で「北朝鮮の核の脅しから大 韓民国の安全を守ってくれるのは、同盟国米国の核の傘しかない」とし、「こ の政権の下で、同盟の絆は完全に錆つき、同盟の壁は完全にひびが入った」と 指摘した。

また11日の社説「大統領は4800万の安全と危機のために心と聞く耳を持て」で、 朝鮮日報は「盧武鉉政権の北朝鮮核政策が北朝鮮の核実験でみじめな失敗をむ かえることになった最大の原因は、誤った仮定にもとづく政策を押し通してき たため」と診断した。

ハンギョレ新聞は10日の社説「北朝鮮の核実験は誤った判断」で「北朝鮮は挑 発の全責任を負え」としつつ「南北関係を全面的に再検討せよという主張も時 期尚早」と冷徹で現実的な対応を要求した。

また11日の社説「韓国の主導的責務は終わらない」でハンギョレ新聞は「北朝 鮮による核実験の発表があっても、今のように混乱なく状況を管理できるのも、 包容政策があったため」とし「韓国は国際協調への賛同とは別に、対話の可能 性を高める独自の責務を放棄してはならない」と主張した。

過度な言論報道の姿勢が今回の北朝鮮核実験の局面で露呈

しかし、今回の北朝鮮の核実験が韓米同盟の対北朝鮮威嚇とからむ南韓政府の 対北朝鮮政策と米国の対北朝鮮敵対政策の合同作品だという点で、朝鮮日報と ハンギョレ新聞の原因診断は核心をはずれている。

韓半島民衆の生命を担保とする北朝鮮の核実験の責任は責任として問う必要が あるが、北朝鮮に対するブッシュ政権の悪意的な無視、対北朝鮮先制核攻撃の オプションを維持したまま進められた対北朝鮮敵対政策の強行などが根本的な 原因であることを見過ごしてはいけない。また、戦略的柔軟性など軍事的緊張 を高める米国との同盟下で、太陽政策、包容政策といった南韓の対北朝鮮政策 も、今回の北朝鮮の核実験局面の原因だと思われる。

しかし、朝鮮日報、ハンギョレを含むマスコミ各社はまともな原因診断を出せ ないまま、北朝鮮の核に関する一方的な罵倒を続け、推測性の報道を続けると いう姿勢を見せた。その上、誤報まで出る状況だ。北核のように敏感な事案に ついては、慣行とも言えるマスコミの過度な報道姿勢が最近の局面で露呈した というわけだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2006-10-12 23:24:39 / Last modified on 2006-10-12 23:24:40 Copyright: Default

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