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韓米FTA怪談? 「まず情報公開をきちんとしろ」

「表現の自由のために国民の知る権利を保障しろ」

チョン・ヨンギル記者 2011.12.05 18:15

政府と保守言論は韓米FTAをめぐり、SNS上でやり取りされた医療民営化とISDに 対する憂慮を『怪談』だと一蹴した。検察は、撤回したものの怪談と虚偽事実 を流布すると即刻処罰するという立場を発表したこともある。また、12月2日に ソウル行政法院が、韓米FTAハングル協定文の誤訳正誤表を公開するよう判決を 出したが、政府は公開せずにいる。

政府と主流マスコミ各社が韓米FTA協定に疑問を持つ国民に正しい情報を公開し ていないという提起が出てくる理由だ。そのためインターネットユーザーらは 韓米FTA協定文の誤訳を直接見つけてSNSを通じ情報交換している。

表現の自由と知る権利、情報公開請求制度

12月5日午後2時、参与連帯のヌティナムホールで『怪談政府、その責任は誰に』 というテーマで表現の自由と国民の知る権利を調べる討論会が開かれた。最近、 政府が放送通信審議委員会でSNSとスマートフォンアプリケーションを審議する と言い出した。これは表現の自由を侵害し、『怪談』も政府と言論が市民の知 る権利を保障できないからだという意見が提起された。

問題提起をした情報公開センターのキム・ユスン中央大教授は「国際的な言論 の自由を監視する団体、フリーダムハウスが発表した2011年言論の自由報告書 は、韓国を調査対象196か国中70位と評価、部分的な言論自由国に選ばれた」と し「李明博政権になり、表現の自由と知る権利を侵害されている」と主張した。

キム・ユスン教授はこのような主張について、情報公開請求制度に対する情報 公開率と政府の記録管理実態を根拠に提示した。情報公開年次報告書に現れた 公共機関情報の全公開率は、2006年に90.5%、2010年には89.7%で大きな差はな かった。だが中央行政府処だけを見ると、2006年の情報非公開率は11%だったが 2010年には20%と二倍近く上がる。

▲キム・ユスン教授

これについてキム教授は「政府は『政策決定など敏感な情報または国家の安保 などに関する情報を大量に保有管理しているため』と話す。だが改めてみれば 日常的な公共情報ではない政策決定などの重要な国家的事案は知る必要がない と言っているようなもの」と批判した。

彼は「11年2月9日、情報公開センターは全国16の広域自治体と中央行政府処な どに口蹄疫埋没地資料を情報公開請求したが、ほとんどの地方自治体が農林水 産部に責任を転嫁した。農林水産部は埋没地現況ではなく、口蹄疫申告地現況 を公開した」とし、非公開だけが問題なのではなく、虚偽情報の公開も問題だ と指摘した。また「情報公開センターが2009年に催涙液使用について京畿警察庁 に情報公開請求をしたが、警察庁は資料を持っていないので公開できないといっ た。少し後に民主党のチェ・ギュシク議員が警察庁から09年一年間に14回、約 2100リットルの催涙液を使ったという情報を公開した」とし、情報公開に対する 不誠実な態度も批判した。

彼は国務総理室の不法な民間人査察が伝えられた後、ハードディスクの文書の 無断削除、行政内部規制改善のための記録廃棄の簡便化などを例にあげて、 政府の記録管理の実態も批判した。

キム・スンユ教授は「2008年の狂牛病騒動も、流言飛語のせいにして、韓米 FTA批准でも怪談だと言っている。しかし怪談は広がるばかりだ」とし「聞きた くない話に怪談というレッテルを貼っても解決しない。怪談を止められるのは 情報の透明な公開」と強調した。

討論をした進歩ネットワークセンターのチャン・ヨギョン活動家は「FTA怪談 が横行するので、原則的に拘束捜査するという反応だった。狂牛病、延坪島、 天安艦、放射能など、怪談と呼ばれることは政治的な事案が多かった。政府の 意見は真実で、政府の意見ではないのは偽りという態度が問題」と指摘した。 彼女は知る権利を保障するために「情報公開を回避したり、非公開にすることに 不利益を与えるなど、法制度の整備も必要だ」と提案した。

言論の役割、代案メディアとしてSNSの可能性

討論をしたパク・チュミン弁護士は「以前、流言飛語通信という言葉があった。 国民に納得できる情報を言論が提供しないため、非公式の情報が行き来した」 とし「(いわゆる怪談論争は)今日のマスコミの報道を信じられず国民の疑問を 解決できないため」と話した。地上波放送局が李明博大統領の『内谷洞私邸 議論』を報道せず、保守報道機関が韓米FTA憂慮を怪談と言うだけの状況などが 国民の知る権利を侵害しているという批判だ。

言論労組のパク・チュンソク民主言論実践委員長は「記者に責任がある。反省 する」という言葉で討論を始めた。彼は「消費者物価策定の部分で(政府が)金 を抜いたのは、消費者物価を少しでも下げる意図だ。特に、政府や研究機関が 経済的波及効果に言及する時は、記者は聖域ない報道をしなければならなかっ た」とし、国民の知る権利を充たす記者の役割を強調した。

▲チャン・ヨギョン
進歩ネット活動家

最近、インターネットユーザーは韓米FTA批准無効路上デモの情報と写真をSNS を通じ、リアルタイムで共有している。SNSの世論化機能が拡大しており討論者 たちも知る権利と表現の自由の保障に関するSNSの役割を強調した。チャン・ ヨギョン活動家は「ツイッターでバック・トゥ・ザ・ソース運動をしようという 話を読んだ。マスコミに出回る話のソースを探してみようということだ。情報が 加工された後に見るのではなく、直接元情報を見ようという趣旨」とし「市民は SNSを通じて、躍動性を見せている」とし、SNSを通じたコミュニケーションの 可能性を指摘した。

放送通信大のチョン・ジュンヨン教授は「言論ではニュースの種になる情報も、 出てこない情報らが多い。2002年のインターネットに対する経験のようにSNSが 新しい表現の通路を提供する」とし、SNSのニューメディアとしての可能性を高 く買いつつ、「似た意見を持つ人だけで意見をやりとりする閉鎖的な性格も持っ ている」と限界を指摘した。

彼は「朝鮮・中央・東亜と李明博政権は、特定のメディアから出てくるものは 無条件に怪談だと片付ける。これはメディアそのものの信頼性を低下させて、 保守言論の力を維持する戦略」とし「これを越えるためにはSNSが未来的な要素、 発展したもの、魅力的なものに見えるようにトレンドにすることが重要だ」 と主張した。

討論者たちはSNSの役割を強調した。だがSNSという技術ではなく、公的情報の 公開と市民の知る権利と表現の自由を保障することよるコミュニケーションの 役割を強調したわけだ。また、『怪談』は保守言論の言葉通りに流布するのでは なく、情報を知ろうとする欲望によって現れることを見せてくれる。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-12-06 03:26:18 / Last modified on 2011-12-06 03:28:19 Copyright: Default

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