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LNJ Logo 韓国:日韓FTA阻止東京遠征闘争団長へのインタビュー
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総体的な世界化攻勢への単一戦線を形成する

日韓FTA阻止東京遠征闘争団 および 反世界化共同闘争期間集中

[インタビュー]チョジュノ反世界化共同闘争企画団運営委員長

ラウニョン記者 hallola@jinbo.net

各界の運動単位が反世界化闘争に集中する。 1030汎国民大会、1031公共労働者総力闘争決意大会を皮切りに、 反世界化闘争週間が始まる。 10月30日から11月14日まで行われる反世界化闘争週間には、 民衆大会をはじめとする国際討論会と、 日韓FTA第6次会議阻止の東京遠征闘争まで、さまざまな闘争が展開される。

民主労総と韓国労総による 派遣法撤廃と日韓FTA阻止の共同闘争の宣言と同時に、 運動陣営内では「反世界化共同闘争企画団」を構成して 反世界化の単一の流れを作ろうという計画だ。

メディアチャムセサンは、 東京遠征闘争と反世界化共同闘争を準備している チョジュノ反世界化共同闘争企画団運営委員長と会って、 闘争の準備と今後の計画をきいた。

*原論的な質問から始める。反世界化闘争は資本の世界化とブロック化戦略に対する長期的な闘いだ。日韓FTAが持つ意味をどう考えているのか*

WTO体制は多国間交渉だ。 合意できないまま、二国間交渉にまかせようという流れだ。 二国間交渉は、さらに危険な交渉だ。 多国間が正しいというわけではないが、 多国間なら弱小国や世界民衆の被害が大きくても、 それを保護しようとする緩衝装置が存在するが、 二国間交渉は強者の論理が押しつけられる不平等協約になる可能性が高い。 韓チリFTAで経験したように、FTAによって農民は絶対的に被害を蒙ったが、 その後、どんな対策も樹立されなかった。

韓国と日本では産業構造がほとんど全く同じで、 競争力のある企業の分布がよく似ている。 日韓FTAが締結されれば産業の全般にわたり労働者の生と直結するため、 その影響は絶対的だ。 韓国は日本に比べて資本力や技術力において絶対的に低い地位におり、 両国がFTAを進めると韓国の産業は崩壊し、 続いて労働者の条件自体が最悪の状態になるのは明らかだ。

*日韓FTA締結後の暴風についてもう少し具体的な例を上げると*

例えば、韓国の自動車産業は現在世界6位の競争力を持っている。 しかし少し詳しく見れば、6位と言える規模ではない。 日本と比較すると、おとなと子供の水準だ。 それでも韓国が自動車産業を成長させることができたのは、 関税という保護貿易のためで、多数の中小企業の犠牲(部品生産)があったからだ。

世界の100大部品業者に、米国企業が37社、日本企業が23社ある。 わが国にはマンド機械1社の事業場があるが、 株式持分の構造上、マンドも米国系という状況だ。 日韓FTAになれば、国内の部品業界は抹殺されざるをえない。 その影響がまざまざと目に見えるような状況だ。 高級車水準で8%関税をダウンさせたとしても、競争にならない構造だ。 FTA以後は、部品業者が崩壊して、完成車も競争力が劣り、 果してどうなるか。 韓チリFTAに対する農民対策もいいかげんだったのに、 多数の部品業者に対する代案を政府が出せるのだろうか。 政府は対策も代案もない状況だ。

*FTA関連の闘争は、かなり遅れている。日韓FTA交渉は第五次会議まで進み、韓シンガポールFTAでは進行中という状況だ。*

政府はFTAに関する交渉内容を全く公開していない。 内容と日程などについて、政府が密室交渉で進めており、 闘争の配置が容易ではなかった。 わかっていれば要求をして闘争を組織するのだが、それも容易ではなかった。 単なる憂慮ではなく、韓チリFTAで確認されたように 政府は民衆に対する、労働市場に関する対策がない。 社会的安定網も保障制度も準備されていない。 ジャングルの法則に労働者を追いやっている環境には、 とにかく反対せざるをえない。 代案を用意する問題は、どのように交渉が進められているかについての 判断の根拠が必要だが、内容がわからないので現在の私たちの 対応も原則的にならざるをえない。

民主労総は、新自由主義世界化政策が正しいかという基礎的な質問から もう一度始めようとしている。 FTAを基本通商政策として推進することに根本的な問いを投げかけ、 労働者農民に対する対策がない交渉で、 内容が確認できないことには基本的に反対するという立場だ。 産業全般が崩壊する危険があるため、 世界化が当然のこと、大きな流れだという議論だけで 全国民の運命を任せることはできない。

*政府とFTAを眺める観点の差が大きいだけでなく、交渉の結果に対する対策が無いことに対する指摘が強いが*

政府はたいへん意欲的に、検討もされていないFTAを進めている。 交渉をする人々も、おそらくきちんと内容を知らないのだろう。 感じがいいから走って行き、大きな流れだから走って行き、 相手が強く要求したら押され、基本的にFTAを眺める観点が違う。 政府は補完的効果を主張している。 韓国にとって弱い部分を世界市場で補うことができるというわけだ。 しかし政府は理解すべきだ。 一回崩壊した産業を、よみがえらせることはできない。 そして世界各国との競争で勝てる産業分野が果していくつ残るのか。 韓チリFTAで農業が崩壊して農民たちが一網打尽になり、 日韓FTAを締結して産業が崩壊して労働者が苦しみ、 サービス市場を開放して産業も崩壊させ、関連労働者を追いやり、 そんな調子だ。 補完的効果が生まれるのではなく、交渉が進むほどに 次々と死に、倒れていかざるをえない。 死んだ果樹農家をどのようにして突然生き返らせられるだろうか。 理論的には可能なのか知らなくても現実的には不可能だ.

*ちょっと内容を代えよう。昨日(10/28)の記者会見で反世界化共同闘争期間の事業計画を明らかにした。主催は反世界共同闘争企画団というが、これの説明をお願いしたい*

反世界化共同闘争企画団は、反世界化に関する各連帯単位が参加する 一時的な対応機構だ。 民衆連帯と民主労総、そして韓国労総、民主労働党と共同対策委員会、 WTO反対国民行動といった団体が連帯単位として参加している。 今までは、新自由主義世界化に関する対応闘争は、 分散的に進められていた。このような分散的な流れを共有して、 調整しつつ包括的にまとめあげる総合的な中心指揮部はない。

もちろん、民衆連帯の中に反世界化特委があるが、 現実的条件できちんと機能できなかったのは事実だ。 反世界化闘争は、各分野別に個別化して闘争し、 散発的に闘争して成果を出せるような闘争ではない。 総体的な攻勢に対して全員が共感している。 それで単一の戦線を明確に構築しなければならないという問題意識から 企画団を構成した。まずは今年末まで基本事業を進め、 評価の後に後続的な活動に取り組むことに内部的に合意した。

*日韓FTAについて公開された内容もなく、反世界化に対する議題を大衆的に解くのは容易ではない。反世界化について直接組合員教育をしているが、組合員の反応はどうか*

遅くはあるが、組合員教育からゆっくり進めている。 内容はやさしくはないが、組合員は具体的に話せばすぐに理解する。 世界化という傾向や論理は漠然とした感じを与える。 難しく感じられる最も大きな理由は、略語と英語だということだ。 噛み砕いて話し、具体的な過程を話せば、だれでも理解できる。 そして、組合員と直結した問題なので、簡単に関連を見つけられる。 そして、多くの組合員が共感を示している。 現場の雰囲気は良い。 客観的には短い時期だが、闘争を組織し抜けると確信している。

*10月30日に汎国民大会、10月31日に公共連帯集会が予定されている。どちらも反世界化と開放化市場化反対公共性争奪のための闘争だ。*

各領域別に反世界化闘争が具体化している。 反世界化共同闘争企画団の共同闘争期間事業は、 30日の汎国民大会を筆頭に始まる。 △東京遠征闘争(10/31〜11/4) △代案世界化フォーラム(11/10〜11) △全国民衆大会(11/13) △労働者大会(11/14)等、多方面の闘争を準備している。

*10月31日に第6次日韓FTA会議阻止東京闘争団が出発するが、簡単に紹介してくれ*

私が遠征団団長だ(笑)。 人員は約90人程度になる。 民主労総が55人程度で第一多く、 韓国労総と社会団体闘争団が一緒に行く。 日本は、韓国と状況が違うので 日本の現地状況と条件に合せた活動を計画している。 まず、交渉が行われる会議場を中心に圧力を加える闘争を行う計画だ。 そして日本国会訪問、日韓共同集会、ワークショップなどの日程が決っている。

日韓共同労働者集会では、日本の連盟と市民社会団体が参加する闘争で、 日本としては大規模な集会でもある。 そして最後の日のワークショップでは、 FTAに関する日韓労働者の連帯活動について具体的に議論する計画だ。

*日韓FTAによる経済的効果を考慮すると日本の労働者の立場はわれわれとは若干違うように思われるが、日本の労組の立場はどうか?*

日本には3つのナショナルセンターがある。 そのうち一番規模が大きい連合と、部分的に日程をあわせる。 連合は「日韓FTAはいずれにしてもやらなければならない。 労働に関する分野について保護条項を入れ込むことに神経を使うべきだ」 という程度の立場を確認している。国益と利害関係を共にしているのは事実だ。

しかし日本の他の市民団体や他のナショナルセンターは、 FTAが締結されると「誰が得をするか」という問題に限定して考えない。 日本にとって経済的なメリットがあるということと、 日本の労働者にとってメリットが生じるということは別の問題だからだ。 米国の労働者のほうが、むしろヨーロッパやその他の国の労働者よりよく働き、 労働の柔軟化も相当だ。 日本の社会団体は、このような部分に焦点を当てている。 FTA締結で自国内の勤労条件、社会保障、安全網などが むしろ下方平準化するだろうということに憂慮を持ってFTAを眺めている。

*日韓FTAだけでなく最近クロストッパー・ヒル駐韓米大使は韓米FTAに具体的に言及した。*

二国間交渉では、最も強力なジャングルの論理が作用する。 今、政府は最も大きい怪物二頭とFTAをしようと乗り出している。 これはたいへん危険な発想だ。 日韓FTAの効果は韓米FTAの基本的な土台となる。 一例として自動車市場をあげると、日韓FTAで関税を撤廃して、 米国とは関税をおくことができるだろうか。 当然の結果として、日韓FTAは標準になるだろう。 技術従属と資本従属で食われる結果を持たらさざるをえない。 われわれは、韓米、日韓FTAに対して根本的な問題を投じなければならない。 これは、新自由主義世界化の決定版協約であり、 何の緩衝装置も、準備も、保護も無く、衝撃だけを作り出す。

このようなFTA交渉は、密室交渉で進められているので 交渉の進行を把握することが難しく、 民主労総だけでなく準備がうまく進んでいない状況だ。 これから準備を始めると考えなければならない。 特に私達は各論になるとかなり弱い。 強化する方法を検討している。 現在は、民主労総と労働研究院が共同でFTA研究チームを設置して 長短期的な内容的対応策を用意している。

参与政府は、本当に参加させない政府だ。 かと言って、政府は交渉における各論の準備ができているかと言えば、 調べた痕跡はない。総体的な資料がないだけでなく、 関税を下げればその産業にどんな影響がおよぶのか、 どんな影響が発生するのかについての産業的調査すらない。 政府は机上でチャートをいじっているだけで、交渉に引きずられているだけだ。

*最後に政府はFTA交渉対象国を次第に拡大し、拡散させて進めている。これについて共同闘争期間以後の反世界化闘争の計画は*

いずれにしても、1か月や2か月で終わる闘争ではなく、何年も続く長期的な闘いだ。 現在はその闘争を始めるスタートラインから一歩踏み出したところだ。 まず週間闘争で日韓FTA阻止の雰囲気を拡散させることに力を注ぐ。 そして12月の国会に上程される法案に対する闘争が進められる。 企画団の場合も一時的な機構と想定しているので、 闘争の後で評価を行い、今後の計画を議論して決定して行くという計画だ。

2004年10月29日16:25:26

原文

翻訳:安田(ゆ)


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