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何が清掃労働者に曲芸を強要するのか

[連続寄稿](1)清掃労働者権利探し行進が始まる

ミョンスク(人権運動サランバン) 2013.06.05 18:03

[編集者注]6月14日午後4時30分、汝矣島文化マダンでは「幸せな権利を探す」という題名で「第4回清掃労働者行進が開催される。2010年6月5日の第1回から、毎年6月に開かれる清掃労働者行進は、この社会の幽霊のように暮らさなければならない清掃労働者の存在と要求を知らせる場で、清掃労働者の飯とバラの権利のための行進だ。労働組合と多くの市民社会団体で構成された第4回清掃労働者行進準備委員会は、幸せな権利を探しに出かけた清掃労働者行進の意味と趣旨を知らせるため、これから3回にわたり、連続寄稿をする。

ハラハラする4メートルの高さで何の保護装具もなく、ある女性が膝をついて腕 を動かす。彼女は軽業師でもなく、パフォーマンスをしているのでもない。単 にその駅で働く清掃労働者でしかない。ソウル二村駅の窓枠で、清掃労働者が 危険なところで一人で清掃をしているのを通る市民が見てSNSに共有し、「清掃 労働者の危険な現実」が世の中に知らされ、多くの市民がこれに公憤し、まだ 清掃労働者の現実はこんなに劣悪なのかと嘆いた。雇用労働部は、ソウル西部 支庁勤労監督官と安全保健公団の職員を派遣して、事実関係と産業安全保健法 違反について調査するという。

清掃労働者に曲芸を強要する社会

彼女がなぜそんなに高い場所で働いていたのかは、まだわからない。いや彼女 にあの高いところを磨けと直接の指示があったかどうかとは無関係に、そこの 労働の現実を物語っているので、これ以上の理由は聞かなくても察することが できる。2010年「暖かいご飯一食の権利」という清掃労働者権利探しのキャン ペーンをしながら、多くの大学で実際に働いている労働者と清掃装具を見た。 とても白く洗われた大きなぞうきんは、いかに該当学校の労働強度が強いかを 物語ってくれた。ある学校では白いものが好きな理事長のおかげで清掃労働者 は汚いところを磨くぞうきんが真っ白になるまで、有害な薬品に長い間手を漬 けて働くほかはなかった。

清掃労働者たちが無理な作業指示に従うほかはない理由は何か。まさに使用者 が直接雇用しているのではなく、用役業者を通じて毎年再契約をする方式で雇 われているからだ。仕事を続けようとすれば、指示に従うしかない。それなら 健康に仕事をする権利は保障されるのか? そうでもない。産業安全保健法は、 直接雇用ではない請負業者(下請企業)で働く労働者の健康権の全てを保障しな い。しかも最近、雇用労働部が危険度と災害発生度などを考慮して、安全保健 義務を差別化するために出した方案は、さらに後退された。教育サービス業、 行政および社会保障などの事業は、産業安全保健法 29条(請負事業時の安全・ 保健措置)の適用を除くことができるように規定したのだ。こうなると、同じ 清掃をしても教育サービス業に分類される大学清掃労働者の場合、産安法29条 の適用が受けられない場合もある。

沈黙の生存方式から抜け出せるように、社会的な力を集めよう

だから彼女に曲芸をさせたのは、非正規職間接雇用を容認し続ける構造であり、 政府の政策であり、権利を制限する不当な法だ。こうした状況で何よりも必要 なことは「われわれは幽霊ではない。私たちも幸せになる権利がある。私たち の権利をよこせ」という叫びであり、行進だ。それで今回の第4回清掃労働者 行進のモットーは「幸せになる権利を探す」だ。声を上げられる社会的な力が なければ沈黙が生存方式にならざるをえない現実を変えることはできない。 それで共に雨に打たれ、共に要求を掲げて用役業者と使用主と対抗する手が、 足が、言葉が必要だ。そんな経験だけが馴染んだ沈黙を破る内在力だという ことを清掃労働者が知るようになるためだ。

だから6月14日に開かれる第4回清掃労働者行進の場所も、巨大なビルが集まる 汝矣島に決めた。大きくて華麗なビルの中に、劣悪な労働条件と賃金を受ける 未組織清掃労働者をすでに労組に組織され、闘争で自らの力と権利を勝ち取る 経験をした清掃労働者が直接会っている。だが容易ではない。汝矣島の正規職 労働組合を通じ、清掃労働者と会おうとしたが、用役業者所長の大騒ぎで失敗 したところもある。まだ清掃労働者が勤務外の時間に誰かに会うことも認めら れないのが、2013年の清掃労働者の現実だ。

最近の二村駅清掃労働者事件による公憤を、清掃労働者の現実を変える根本的 な力にするには実践が必要だ。まず自分がいる事業場、建物で、清掃労働者が 不当な待遇を受けていないのか関心を持つこと、労働組合を作り、権利を探す ように助力すること、6月14日の清掃労働者行進に参加するように知らせること 等等、多い。しかし何よりも必要なことは、清掃労働者が幸せになることが、 私の幸福ともつながり、私の権利ともつながっていることを頭と全身で気付く だろう。

清掃労働者を「特別な」地位だと思い、同情心で連帯するのではなく、私たち すべての尊厳な人生を実現するために、他人の権利と他人の尊厳を守ろうとす る同等なものとして出会わなければならない。清掃労働者が幸せになる権利は 私たちすべてが幸せになる権利だという事実から、清掃労働を、清掃労働者を 見れば、容易ではないが非正規職が幅をきかせ、不当な労働の指示が幅をきか せる社会に小さな突破口ができるのではないだろうか!

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2013-06-06 19:50:50 / Last modified on 2013-06-06 19:50:51 Copyright: Default

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