療養保護士は国家資格証明を持った家政婦?

老人長期療養保険施行1年、苦しむ療養保護士

保健福祉家族部が「国家が代りに子供ができない親孝行をする」という趣旨で 導入した老人長期療養保険制度が施行1周年をむかえた。保健福祉部はこの制度 が安定して位置を占めつつあると自評したが、一線で働く療養保護士の証言は これと違う。

全国療養保護士協会は、老人長期療養保険制度施行1周年になる7月1日を「療養 保護士の日」と宣布する一方、この日の午前、保健福祉部の前で記者会見して、 療養保護士の人材拡充とサービスの質の改善などを要求した。

▲全国療養保護士協会の会員が1日に老人長期療養保険施行1年をむかえ保健福祉部前で記者会見を行っている。［出処:全国療養保護士協会］

記者会見に参加した療養保護士の証言によれば、療養サービスを提供する保護 社の勤労条件は非常に劣悪な水準で、これにより対象老人もきちんとしたサー ビスを提供されていない。療養保護士1人が20人以上の老人を介助したり、対象 者の疾病に療養保護士が伝染しても補償どころか雇用から追い出される例も出 された。

療養保護士のA氏は「施設がキムチの材料を取ってこいと言えば行かなければな らず、葬儀場でサービスしろと言われればしなければならない。国家が認めた 公式家政婦だとしても、家政婦より低い賃金に雑用... 夜間に1人で10人、20 人を越える年配者の介助をして心労焦燥しているのに、療養機関の評価にどれ ほどの実効性があるか」と打ち明けた。

京畿道のある療養院で働き、対象者から疥癬にかかった療養保護士のB氏は 「(施設が)金をかけないので対象者を放置し、こんな状況にまでなった。伝染 した療養保護士を家で休ませて治療させず『どうせ感染したのだからその部屋 で働け』と言う」と憤慨した。

昨年11月の国会討論資料として提出された療養保護士労働実態によれば、療養 保護士は一日8時間以上、12時間2交代、あるいは24時間隔日勤務をしているが 派遣業者の中間搾取で月8〜90万ウォンの賃金という場合が多かった。また療養 保護士の業務以外に利用者家族の洗濯や清掃、炊事、畑仕事、さらに利用者が 運営する食堂の仕事や祭壇の掃除を要求されるなど不当な業務の強要も多かった。

療養保護士協会はこの他にも「本人も知らず、療養機関で療養サービスを受け たように虚偽記載されたり、しるこ一皿で療養保護士に4時間サービスしたとい うサインを取ってこさせたり、現場では各種の不法、便法が横行している」と 暴露した。

全国療養保護士協会のチョン・グムジャ会長は「政府の政策の失敗でサービス を利用する年配の方とサービスを提供する療養保護士が被害者になっている」 とし「老人福祉は後まわしで、営利の追求に汲々とする民間療養機関が不法・ 便法を行うのを管理監督し、公共機関が正しい制度運営の模範を示せ」と指摘 した。

記者会見の参加者は、△民間市場化療養政策全面修正、△低賃金非正規職化45万 療養保護士の責任を持つ、△人材拡充、サービスの質改善方案作り、△不当業務 禁止方案作り、△直接雇用原則遵守、△訪問療養月給制、△老人療養施設政府と地 方自治体直接運営を政府に要求した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
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