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公共部門非正規職解決の核

[寄稿-美行] 10万学校非正規職労働者

キム・テジン(イ・ヨンソク労働烈士精神継承事業会)/ 2008年12月12日13時22分

非正規職問題! 特に公共部門非正規職問題を扱うのなら、イ・ヨンソク労働烈 士に言及せざるをえない。イ・ヨンソク労働烈士は2003年10月に「非正規職を 撤廃しろ」と叫んで焼身自殺した初の『非正規職出身』烈士だ。ここであえて 非正規職出身と強調するのは、今は誰もが非正規職問題を深刻な社会問題と認 識するが、当時は人々が非正規職の概念さえよく知らない時だったからだ。

しかも、当時は盧武鉉執権1年目で、労働弾圧などで焼身自殺した労働者だけで 何と6人(ペ・ダロ、イ・ヒョンジュン、イ・ヘナム、キム・ジュイク、クァク・ ジェギュ、イ・ヨンソク)にもなるいわゆる烈士政局だった。政府では、イ・ヨ ンソクを除く他の烈士闘争は、民間事業場の問題で、政府次元の対策で仲裁し て調整するものではないと言い訳をするような渦中に、政府(労働部)傘下の公 企業である勤労福祉公団木浦支社に在職していた31歳の青年、イ・ヨンソクと いう者がソウルの宗廟公園(第1回全国非正規職労働者大会場所だった)で焼身を したのだから、事件になったのだ。

イ・ヨンソク労働烈士の焼身闘争で、公共部門非正規職問題から全面的に社会 問題化し、その時だけあたふたと政府次元の調査と各種対策が用意され始め、 苦しんで疎外された非正規職労働者たちも自身の権利を求めるための闘争が飛 躍的に始まる契機になった。(イ・ヨンソク労働烈士評伝-翼を付ける魚参照)

私は2003年から5年間、公共連盟で非正規職担当役員として働いて、いわゆる 『勤非闘争』(勤労福祉公団非正規職労組闘争を略して呼ぶ言葉)、産非(産業人 材公団非正規労組闘争)、警備(警察雇用職労組闘争)、学非闘争(学校非正規職 労組闘争)等、公共部門の非正規職問題に関する多くの闘争に直接参加し、始ま りと終わりを共にしてきたが、まだ学校非正規職問題だけは始まっただけで終 わりは見られない。学校非正規職は公共部門非正規問題の最後の砦だ。10万人 にのぼる最大の数で、直接、間接、派遣、用役などあらゆる種類の非正規職を 持っており、利害関係に置かれている単位も政府、教育庁、私立学校財団、学 校長、学校運営委などとても複雑な構造だからだ。

韓国の小中高と国立大に従事する非正規職労働者の規模は2007年に政府が調査 して発表したところによれば、93567人に達する。2006年より約51000人ほど減っ たが、これは無期契約職に転換された非正規労働者を正規職と見なして除いた ためだ。

労働界では、政府が進めた公共部門非正規労働者の『無期契約職』を正規職と は見ていない。これは単に雇用契約だけで、1年単位で作成せず定年を保障する と嘘を言っているが、事実上いつでも解雇が可能な過去の体制をそのまま維持 しているためだ。

他の労働現場と同じように、学校にも先生と生徒しかいないわけではない。学 校という巨大な公共組織体を運営するためには、多様な職種の労働者が多様な 分野で働くから可能だ。それでも韓国の学校、特に小中高の場合は、教師と少 数の管理者だけが正規職で、実際に働く人々はほとんどが非正規職として補助 するおかしな体制に奇形化され、運営されてきた。このような教育環境は日帝 植民地下の教育体制と軍事政権を経て非正常な形で形成された学校運営体制で あるためだ。

表でわかるように非正規職に従事する主な職種はすべて必須人員だ。一か所で も欠けると学校が回らない。特にそのうち料理従事者は、育ち盛りの小中高の 団体学校給食を担当するので一般の職場の食堂料理従事者とはその業務の重要 性(公共性)にも差異がある。

事務補助員もまた実際に必須業務である学校の事務を専門に担当しつつ、名前 は補助で、学校管理者の車の使いはもちろん正規職員の車の使いまでしている 不当な差別を受けている実情だ。

韓国の学校非正規職は、正常に出発すれば他の国と同じように正規職として存 在すべき職種がほとんどだ。だから当時、政府の担当者との面談でもその点は 認めつつ、あまりにもに規模が大きくて予算がかかるので難色を示し、政府の 『公共部門非正規職対策チーム』が小細工を弄して提示した問題解決策が、 『無期契約職』だ。恐らく学校非正規職のためにこうした解決策が出てきたと 考えられる。一言で『下降平準化対策』が出てきた格好だ。

学校非正規職問題は、公共部門非正規職問題解決の核心だ。学校非正規職問題 が解決すれば、他の公共部門非正規職問題も自然的に解決する。この問題を解 くためには、国家行政府だけでなく立法機関の国会から始めることで根本的な 問題解決になる。政府にすれば、教育/地方行政/予算関連部処および地方自治 体、教育庁、一線学校まで全ての分野にまたがって学校運営委員会などの父兄 ばかりか、労働陣営から見ても学校非正規職は公務員労組、全教組、公共サー ビス労組、女性労組等と密接な有機的関係を形成するが、全く統一的な対応が できていない。

したがって今のように会計職(事務補助員)中心にせいぜい数百人が組織されて いる学校非正規職労組だけにこの闘争を任せていたら絶対に解決策は出ないと 断言する。韓国社会非正規職問題解決の模範的使用者の役割は、相変らず政府 が引き受けなければならない。そのためにはきちんとした公共部門非正規職問 題の解決が出されるべきだが、李明博政権はすでに進めている『無期契約化』 さえ後退させると見る。

私は今でも進歩運動陣営の『非正規職対応戦略』の核心的な対象が「学校非正 規職問題解決」になることを希望する。

進歩政党の立法および制度改善闘争、労働運動陣営の総合的かつ統一的な対応、 市民社会陣営の側面対応が加勢すれば、まちがいなく10万の学校非正規職は希 望を見ることができ、その希望は労組の組織化に即座につながり、野火のよう な闘争として拡散するのは明らかだからだ。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-12-14 16:10:03 / Last modified on 2008-12-14 16:10:04 Copyright: Default

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