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「性売買が必要悪?」、性売買に対する言論の視線

[性売買防止法施行10周年記念討論会](2)「性売買関連の報道基準用意を」

ムン・ジュヒョン記者 2014.09.24 16:17

来る9月23日、性売買防止法が施行10周年を迎える。 2000年と2002年に全北道群山の大明洞と開福洞の性売買店集結地で発生した火災惨事は、 性売買女性の人権問題が深刻な水準であることを世の中に知らせた。 性売買産業解体運動が野火のように全国に広がり、その結果、2004年性売買防止法が制定された。

全北女性人権支援センターは「性売買防止法10年」の成果と限界などを振り返る意味で、9月16日「性売買防止法施行10周年記念討論会」を開いた。 チャムソリは4回にわけてこの日の討論会で重く提起された話を連載しようと思う。

連載順序

  1. 性売買防止法のために陰性性売買が増えた?
  2. 地域言論の性売買報道の形態? 性売買は必要悪?
  3. 性売買女性の非犯罪化、性売買防止法の全面改正が必要な理由
  4. 反性売買運動を地域社会と共に

9月16日、全北女性人権支援センターが主催した 「性売買防止法施行10周年記念討論会」で、 全北民主言論連合のソン・ジュファ事務局長は 「性売買報道のフレーム? 誰の声が優先されるのか?」という主題で 地域言論の性売買に関する報道の姿勢を分析した。

「性売買に関する報道基準を作れ」

ソン局長は 「群山の大明洞と開福洞の性売買集結地火災惨事が起きた時には、 マスコミも集結地の整備、閉鎖関連の法案制定運動などを扱う内容を報道した」とし 「しかし、性売買防止法施行以後、地域マスコミ各社の報道は 『法と秩序フレーム」と「風船効果フレーム」から抜け出せなかった」と評価した。

警察の摘発活動を強調する報道が続いたため、 摘発にもかかわらず、性売買は決して根絶されず、 さらに隠密な形態に変質しているという報道が分析の形式を帯びて登場する。 このような報道パターンが繰り返され、 一部の言論は性売買防止法無用論を持ち出したりもする。

▲マスコミの性売買関連報道は警察の摘発関連のニュースが主だ。全北民言連のソン・ジュファ事務局長は代案の一つとして記者社会に女性人権感受性を高めるセミナーの開催と基準作りが急がれると話した。[出処:チャムソリ]

ソン局長は「こうした報道は、各種の摘発や法に対する疑問を提起し、 性売買女性の生計威嚇フレームを強化し、 家父長的な秩序を正当化している」と評価した。

J日報のA記者はこうした報道形態について 「記者社会そのものが性売買を深刻に思っていない」とし 「性売買防止法が制定されて性売買が不法だという認識が強まったが、 記者社会内の性売買の論理は変わっていない」と指摘した。

その点でソン・ジュファ事務局長は、 全北女性人権支援センターなどの女性団体が記者と女性人権の感受性を共有する機会を作ることを提案した。

ソン局長は 「女性人権報道セミナーと性売買報道関連のガイドライン作りなどを 記者協会と共に作っていくことも必要だ」と話した。

A記者も「記者協会が自殺報道に関して毎年セミナーを開いている」とし 「記者社会も内部的に性売買と女性人権に関するセミナーを開く必要がある」と話した。

「男性中心の文化、報道機関も自由ではない」

またソン局長は「全羅北道、全州を基盤とする13社の新聞社の社主は建設業者をはじめとする地域の既得権勢力だ。 社主の政治的な支配力の拡張と事業の利益のために運営しているという批判は、 以前から提起されている」とし 「地域言論が公論の場を形成するのが難しい条件」と指摘した。

地域経済の大物が掌握した報道機関の内部に深く根を張る男性中心の文化は、 性売買関連の報道において、女性の人権という視点はほとんどない。

企業が国税庁に接待費支出として申告した金額を見ると、 2012年には8兆7000億ウォンに達した。 2008年に7兆ウォン規模の接待費の規模はますます増加する傾向だ。 特に、ルームサロンなどの遊興店舗に払った接待費も1兆2000億水準。

「企業と公務員はもちろん、 まさに法を犯す人を処罰すべき検察と警官ばかりか、 社会の不正を告発する役割を果たすべきジャーナリストまでが彼らの権力と富の上で 性接待と性売買に積極的だということは、 あまりにも日常的な事実だ」 (チョン・ジェヨン国民大教授、性売買防止法施行10周年記念討論会より)

ソン・ジュファ事務局長は 「一つの現象や争点は多重的意味を持ち、多様な視点から照明されるが、 ニュースのフレームは選択と強調、排除などの過程を通じ、 意味の多様性を抑圧して単一の意味を生産する」とし 「性売買関連の報道では、さまざまな過程を通じて男性中心の権威的な報道機関内部の雰囲気が ジャーナリストには自然なこととして内面化されている」と指摘した。

「性売買は必要悪だ」

2001年、ある地方法院判事が売春行為斡旋容疑者の令状を棄却した理由だ。 韓国社会が性売買を見る視点がいかに男性的で支配的かを断片的に事例と見られる。 性売買防止法が施行されて10年が過ぎた今も、この論理は言論を通じ、 絶えず再生産されている。

地域言論の性売買防止法を見るある事例

最近、全北道民日報がオピニオン面に 「性売買特別法10年」という題名のコラムを発表した。

9月2日に報道されたこのコラムは 「イスラム国家の場合、性売買行為は死刑にあたる。〈中略〉 オランダなどは性売買の合法化で売春婦に所得税を賦課している。 ベルギーも性売買を合法化した後、 年間の税収が6千万ドルになるという」と性売買の経済効果に言及した。

性売買防止法で、人類の歴史で一番古い職種が断種されることを期待したが、 摘発を避けて高度化した手法で性売買は健在だという主張を繰り広げ、 次のように結ぶ。

「そのうち、自発的に性売買をすることまで法で規制することが必ずしも正しいのか、 この法も議論の種になっているが、 とにかく全北警察が最近、新種・変種の性売買店の摘発を行い、 98件を摘発したことが明らかになった。 純潔を絶賛した聖アウグスティヌスも、売春は社会の性的な安定のための必要悪だと主張したことがある。 慎重に、無条件に売春を不法とばかり見ていいのかを考え直してみることがあってもいいのかもしれない」

このコラムに対し、ソン・ジュファ事務局長は 「伝統的に性売買は続いてきたし、根絶することができないことを前提にしている」とし 「だから各種の摘発や法に疑問を提起する効果を生む」と評価した。

付記
ムン・ジュヒョン記者はチャムソリの記者です。この記事はチャムソリにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-09-25 20:13:00 / Last modified on 2014-09-25 20:13:36 Copyright: Default

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