
渡部通信(11/4):明けない夜はない(336)<若者を再び戦場に送るな!(86)高市
政権の外交政策と日中関係>
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私は「明けない夜はない」(334、10月21日)で、<戦前回帰の高市政権>と述べた。
その高市首相は、10月24日の所信表明演説の外交政策で、
「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻します」と述べた。
その高市首相の初の首脳会談は、10月28日に行われたトランプ米大統領の会談だった。
そこでは日米の「黄金時代」に関する合意文書が署名され、
トランプ氏は「日本はアメリカにとって最高レベルの同盟国」であると述べた。
また高市氏は「日米同盟はいまや世界で最も偉大な同盟であり、これを基軸として
力強い日本外交を取り戻す決意」だと述べた。
しかし、同盟とはいいながら、その実は明らかに、
経済面(アメリカ第一)・軍事面(米軍下に自衛隊を統合)・イデオロギー面(反共)で
、
対米従属下の日本外交と言わざるを得ない。
しかも、会談後二人は、横須賀に停泊の原子力空母ジョージワシントンに行き、
多数の米兵を前に演説をした。
トランプ氏は「これからは、戦争になれば、その戦争に勝つ」と兵士たちを煽り、
高市氏は、飛び跳ねながら、「平和は言葉だけではなく、確固たる決意と行動によってこ
そ守られる」と、
まるで麻生氏が「台湾有事は日本の有事、闘う覚悟を持て」と言ったことと同じようなこ
とを述べた。
これはまさに、「黄金時代」の日米同盟は、
東アジアでの戦争に向けての軍事同盟であることを示したものであろう。
ところで、その戦争は、「台湾有事」をきっかけに起きる可能性が大である。
しかし、日本(アメリカも)は台湾を含め「一つの中国」を認めており、
台湾を正式には国として認めていない。
その事は、1972年(田中角栄政権)の日中国交回復の時の「共同声明」に次のように書い
てある。
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2, 日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する
。
3,
中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて
表明する。
日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八
項に基づく立場を堅持する。
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そして、1978年には「日中平和友好条約」が結ばれ、その第一条には次のように述べられ
ている。
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1 両締約国は、主権及び領土保全の相互尊重、相互不可侵、内政に対する相互不干渉、
平等及び互恵並びに平和共存の諸原則の基礎の上に、両国間の恒久的な平和友好関係を発
展させるものとする。
2 両締約国は、前記の諸原則及び国際連合憲章の原則に基づき、相互の関係において、
すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確
認する。
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しかし、現在起きていることは、2022年の安保関連三文書で中国を「仮想敵国」とし「敵
機と攻撃能力の保有」
を明示、それ以来日本の各地に北京をも射程とするミサイルの配備などがどんどん進行し
ている。
そうした中、10月31日に韓国で行われたAPECの会議の際、
高市氏は中国の習主席と首脳会談を行い、「戦略的互恵関係」を推進することが確認され
た。
高市氏は、「重要な隣国」だとして「様々な懸念んと課題もあるが、それらを減らして理
解と協力を増やし、
具体的な成果を出していきたい」と述べた。
習氏は、「中日関係の重視の表れだ」と歓迎、「中日両国は一衣帯水の互いにとって重要
な隣国だ」と述べた。
にもかかわらず、その翌日(11月1日)高市首相は、台湾の副首相にあたる林信義氏と韓
国で会談した。
高市氏は「台湾は緊密な経済関係と人的往来を有する極めて重要なパートナーで、大切な
友人だ」と述べた。
これは一体何を意味するのか。私は、中国を挑発しているとしか思えない。
当然中国は、高市氏が「会談してSNSで声高に宣伝したのは、台湾独立勢力に重大な誤
ったシグナルを
送るものであり、その影響は甚大だ」と批判した。
結局高市氏は、麻生氏が述べた「台湾有事は日本の有事、闘う覚悟を持て」という立場で
、
アメリカ従属下の同盟のもと、米欧のG7などと一緒に中国と戦争をするつもりなのであ
る。
このことは、東アジアにおける大規模な戦争が起こることを示している。
その被害は想像して余りある。
たしかに、世論はその事をあまり考えず、高市政権を支持しているようだ。
しかし「浮気な世論」という言葉もある。
実際、アメリカでは、「No Kings」の闘いが起きている。
ヨーロッパでは、『ヨーロッパの敗北』(エマニュエル・トッド著)という本も昨年出さ
れている。
台湾では、台湾独立を図る頼政権は支持率を落としている。
日本では、高市政権が出した<日本国国章損壊罪>に対しては、自民党内からも反対の声
が上がっている。
戦前回帰で、アメリカ従属下のファシズム軍国主義国家を標榜する高市政権に断固反対し
よう!!
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