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東京東部労組の須田です。
以下、本日実施したシグマベンディングサービスでの熱中症死亡労災への抗議申し入れ行
動の報告です。

【シグマベンディングサービスとの闘い】熱中症死亡労災の遺族が抗議申し入れ行動

コカ・コーラ製品の自販機飲料を補充・配送しているシグマベンディングサービスで労働
者が熱中症労災により死亡した問題で、全国一般東京東部労組に加入して会社の責任追及
を闘っている遺族が8月28日、同社を含めたシグマグループ本社前(東京・目黒)での初
めての抗議申し入れ行動に立ち上がりました。

この行動は東部労組と、シグマベンディングサービスの現役労働者らが加入している総合
サポートユニオン(自販機産業ユニオン)との共同行動として実現しました。

被災した労働者はドライバー助手として働いていましたが、2020年8月に仕事中の熱中症
で倒れ、2021年12月に64歳で亡くなりました。熱中症で倒れた日の現地の最高気温は36度
の高温でしたが、労働者は自販機の設置場所の間を炎天下の中で歩いて移動することを会
社から指示されたうえ、補充作業中はカーエアコンを切った助手席で待機させられました
。会社の安全配慮義務違反によって命を奪われたのは明らかです。

労働者のお連れ合いとお兄さんが東部労組に遺族として加入し、会社に対して謝罪、損害
賠償、再発防止策の徹底を団体交渉で要求しました。しかし、会社は「遺族には団体交渉
権はない」という理由で回答自体を拒否するというきわめて不誠実な対応を取りました。
このため2024年3月に遺族が原告となって同社に対する裁判を東京地裁に提訴し現在も裁
判は継続しています。

この日の本社ビル前には亡くなった労働者のお連れ合いとお兄さんをはじめ両労組の組合
員や友好労組の仲間60人が集まりました。行動の冒頭、熱中症労災で亡くなった労働者の
遺影に参加者全体で黙とうを捧げました。遺族を代表してお兄さんは「会社は経費節減の
ためにカーエアコンを切った。仮にエアコンをつけることでかかるガソリン代はわずか
330円程度。330円払うから弟の命を返せ!」と憤りの声をあげました。

続いて遺族の支援と熱中症労災の再発防止を訴えるためにストライキで行動に駆けつけた
シグマベンディングサービスの現役労働者(総合サポートユニオン組合員)が「会社はご
遺族の無念も何も理解しようとしていない。このままの体制が続けば必ず第二、第三の同
じ事故が起こる。利益のために人の命が犠牲になることなど絶対にあってはいけない」と
訴えました。

その後、参加者は遺族を先頭に申し入れのため会社のフロアが入るビルの6階まで移動し
ました。ところが、会社側はオフィスにつながるドアを施錠し、私たちの申し入れを誠実
に受ける対応ではありませんでした。応対した会社側の担当者に対して遺族が遺影を掲げ
て「せめてこの場でお悔やみの言葉を言ってほしい」と語りかけましたが、これを会社側
の担当者は拒否しました。このやり取りを見守っていた参加者からは「亡くなった労働者
に謝れ!遺族に謝れ!」という怒りの声が上がりました。

申し入れ行動後、参加者は近くの会議室に移動して報告集会を開きました。東部労組の須
田書記長が経過報告をし、亡くなった労働者のお連れ合いが「会社の姿勢に怒りを覚える
。夫のようなことが繰り返されないよう会社には対策を取ってもらいたい」と発言しまし
た。首都圏青年ユニオン、東京ゼネラルユニオン、全労連・全国一般神奈川、全労働者組
合、よこはまシティユニオン、JAL争議団、NPO法人POSSEが連帯のアピールを
行いました。最後に遺族2人が今後も闘っていく決意を表明し、団結ガンバローで集会を
締めくくりました。

近年の夏場の異常と言える暑さにより多くの職場で熱中症労災が発生しています。国は今
年6月から労働安全衛生規則を改正し職場における熱中症対策を強化したとしていますが
、その内容は不十分なものと言わざるをえません。あらゆる職場で労働者自身が熱中症対
策を求める声をあげていきましょう。

シグマベンディングサービスに熱中症死亡労災の責任をとらせる遺族の闘い、そして現場
労働者の再発防止を求める闘いに引き続きみなさんのご支援をお願いします!

■参照ブログ記事
https://note.com/tobu19681226_001/n/n9bd0a84688bb

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