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米国労働運動 : 「ノーキングス」デモに全国で700万人参加 | ||||||
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【解説】10月18日全米2700か所でトランプ政権に抗議するノー・キングス(王様は要らない)抗議デモが展開され、700万人が参加した。この数字は6月14日のノー・キングス・デモの500万人を上回り、アメリカ史上最大のデモ参加者数である。この行動は200を超える組織の共同した取り組みだが、その中には全米通信労働者組合CWA、アメリカ政府職員連盟AFGE、アメリカ教員連盟AFTなどの労働組合も含まれている。次のノー・キングス・デモに向けて議論は始まっており、参加数を増やすだけではなく、反トランプ行動の質を高める提案が出されてきている。レイバー・ノーツ編集部はノー・キングスのデモに参加した草の根の組合員の声を拾いながら、労働運動が反トランプの闘いと職場での運動をどう結び付けるべきか、問題提起する記事を11月号に掲載しているので翻訳した。(レイバーネット国際部 山崎精一) 「ノーキングス」デモに全国で700万人参加2025年10月25日ルイス・フェリス・レオン/ アレクサンドラ・ブラッドベリー
10月18日、トランプ大統領の独裁的行動に抗議するため700万人近くが街頭へ繰り出した。デモ参加者たちは星条旗を掲げ、風変わりな動物の仮装をした。特に目立ったのは労働組合のTシャツ、横断幕、スローガンだった。 ニューヨーク市では、10万人の群衆の中には何千人もの組合員がいた——教員、看護師、連邦職員、通信労働者、建設労働者、鉄道員、大学教員たちだ。サービス従業員労組SEIUローカル1199に所属する介護助手と在宅介護労働者は歌いながら「労働者はお互いのため闘う。奴らは私腹を肥やすのみ!」と書かれたプラカードを掲げていた。 組合のTシャツを着て抗議に参加するのは良い。組合の旗を掲げ、組合Tシャツを着た集団で参加するのはさらに良い。組合が抗議活動を周知して組合員を動員するのが一番良い。 連帯こそが労働組合の本質だ。トランプ抗議の闘いに労働組合を関わらせ、組合の立場を持ち込むことがなぜ重要か、その理由をいくつか挙げてみよう。 1.参加者が増える活発な労働組合は動員する術を知っている——集会やピケラインは組合運動の生命線であり、電話連絡網も最新に保たれている。抗議活動の存在すら知らなかったかもしれない人々に労働組合は情報を届けられる。そして、仲間の組合員と共に参加し、そこで組合を代表しようという誘いは、単に群衆の中の一人でいるよりも魅力的で意義深く感じられるだろう。通信大手のベライゾン社従業員ドミニク・レンダは、仲間からのテキストメッセージが参加のきっかけにノーキングス行動に参加した、と語る。レンダは全米通信労働者組合CWAローカル1101に30年間所属しており、仲間たちは組合への関与を維持するため、こうした連絡を取り合うのを習慣にしているという。 2. 志を同じくする組合員と出会える「今日はなんで参加したの?」というシンプルな質問は会話のきっかけに最適だ。「次はどこに行くの?」も良い質問だ。同じ組合のTシャツを着た見知らぬ人を見つけたら、気軽に自己紹介しよう。勤務先やそこで抱える問題について尋ねてみるのも良い。優れた組織者は複数の役割を担う。私(ルイス)はノー・キングス行進で二つの帽子を被っていた——記者と全米作家組合員だ。携帯電話のバッテリーが切れ、取材や写真撮影が続けられなくなった時、法律サービス職員協会(全米自動車労組UAWローカル2320)のナタリー・ジェームズ委員長が携帯充電器を貸してくれ、レンダが私の充電ジャックに合うケーブルを提供してくれた。結果的に、経営側の報復事例やトランプ政権がそれを助長している風潮について話し合うことができた。 フィラデルフィア市のノー・キングス集会に参加した連邦職員リン・グエンは、トランプ政権の報復に抗い公共サービスを救うため、この一年間アメリカ政府職員連盟AFGEの仲間たちと組織化を進めてきた。そこで共通の敵以上のものを共有していると気づいた。「私たちは支部毎に分断され、職場問題でどれほど共通点があるか気づいていなかった」とグエンは語る。彼女と仲間たちは、闘志あふれる連邦職員ネットワークFUNが主催する電話会議に参加し始め、一緒に行動に参加するようになった。 「FUNが全てのきっかけとなり、レイバー・ノーツに導いてくれた」と彼女は語る。これがきっかけとなり、AFGEローカル62が闘う組合へと変革された。今、グエンと仲間たちは、11月の選挙で現職のローカル執行部に挑戦する改革派候補を支えている。 3. 組合活動活発化のきっかけとなるニューヨーク市でのデモの後、市職員のスタッフアナリスト組織のメンバーは、組合会館に集まり、ピザを食べながら話し合った。参加を決めた理由は、賃金水準と団体交渉権を守り、さらに社会貢献するためだと確認しあった。ICE(移民税関捜査局)による移民弾圧や、トランプと闘う必要性、そして政治的な状況に立ち向かうための精神と意欲を保つために、団結することがいかに重要かについて話しあった。連邦政府の予算削減に備えて組合活動にもっと参加し、州の年金制度を改革しようというアイデアを胸に、集会を後にした。このノー・キングス集会は「権威主義の高まりの中で、真に民主的な瞬間」だったと述べた参加者がいた。この集会を連邦政府からのニューヨーク市への攻撃に備えるための予行演習ととらえていた。SEIU 医師評議会の精神科医、グレッグ・ガブレラスは、フェイスブックの投稿を見て、仲間の組合員たちとも同じようにフェイスブックでの議論を始めようとを決めた。 4. 職場での会話のきっかけとなるニューヨークのジョン・エフ・ケネディ空港従業員でSEIUローカル32BJ組合員のソフィア・ハリスは、6月にSEIUが全米の市庁舎でロサンゼルス組合指導者デビッド・フエルタの釈放を要求する集会を開いた様子をテレビで見ていた(彼はある職場での移民摘発に立ち会って見ていただけで逮捕され、現在は軽犯罪で起訴されている)。組合代表から今回の集会を知らされたハリスは参加することを決意した。職場代表を務める彼女は、ノー・キングス集会に職場から唯一参加した。「写真を撮るのは私の義務だと思った。言葉は言葉だが、写真は雄弁に語るから」と彼女は語った。自撮り棒を使い仲間たちに群衆の規模や横断幕、プラカードのスローガンを見せた。職場に戻ると、言論弾圧、医療費削減、移民労働者の拉致などみんなが関心を持っている問題について語った。仲間たちは恐れていたが、写真を見て問題を話し合ううちに、身振りや言葉が明るくなり、表情がほころんできた。次の行動への参加者はまだいないが、彼女は話し続けるつもりだ。「恐怖という小さな繭の中に閉じこもっていても、自分の歩みには何の役にも立たない」とハリスは語った。「外に出て変化を起こさなければならない。行動の一部となるのだ」5. 他の労働者を勇気づけるノー・キングス行進でSEIUローカル1199のスタッフが参加者名簿を確認していると、普段の中心的な活動家や組合職免中の組合員とは異なるグループに気づいた。新しい参加者はブロンクス在住の非組合員でスペイン語を話す在宅介護労働者たちで、中には作業着のままの者もいた。組合スタッフが近づくと、バイリンガルの労働者が通訳した。「在宅介護の経営者が移民を搾取している。これは間違っている。だからデモに来た」と。「紫のSEIUの組合Tシャツを着てもいいか」と尋ねた。6. 経済的混乱が必要であり、それには労働組合が最適である数千人の抗議者がタイムズスクエアに集結し、観光名所の一部を混乱させた。もし労働組合とノー・キングス運動の主催者が連携し、週末ではなく平日の勤務時間中に抗議ストライキを計画したらどうなるか想像してほしい。日常業務への影響ははるかに大きくなるだろう。全米自動車労働組合UAWのショーン・フェイン会長は、2028年5月1日からストライキやその他の労働行動を展開できるように、組合間で労働協約期限を調整するよう呼びかけている。シカゴ市長ブランドン・ジョンソンはノー・キングス集会で演説し、全国的なゼネストを訴えた。客室乗務員組合AFA-CWAのサラ・ネルソン会長もワシントンD.C.でのノー・キングス行進でゼネストの可能性に言及した。「客室乗務員組合は2019年と同様、この社会制度がいつ崩壊するか慎重に注視している。崩壊は避けられず、飛行機は停止し人々は移動できなくなる」とネルソンはリアル・ニュース・ネットワークに語った。彼女は「民主主義を守れ・ゼネストの時だ」と書かれたプラカードを掲げていた。2019年、彼女のゼネスト呼びかけと航空管制官による実際の病欠行動が相まって、政府機関閉鎖の終結に貢献した。ノー・キングス・デーの全国フォローアップ会議で、集会を支援する進歩的組織ネットワークの主催者らは、次の段階として社会的混乱を引き起こす行動の可能性に言及した。ボイコットからストライキまで様々な行動案が浮上している。世界に目を向ければ、現在ニュージーランドでは、5つの異なる組合にまたがる10万人の労働者が参加する協調ストライキが激化している。教師、看護師、公務員組合が行動を起こしている。 7. 労働組合の参加は目標を広げるトランプ抗議のノー・キングスのスローガンが民主主義の防衛を掲げ、数百万の人々を動員したのは明らかだ。同時に多くの労働者階級は、自らの職場や地域で直面する差し迫った危機を同様に重視している。トランプの攻撃が既に進行中の危機を悪化させていると見る者も多く、重要なのはトランプ以前の「正常」に戻るだけでなく、危機全体に立ち向かうことだ。労働組合の関与が増せば増すほど、反トランプ集会は具体的な要求——学校への資金投入、医療保障の回復、移民税関捜査局(ICE)の強制捜査中止、億万長者への課税、連邦職員の職場復帰——をより強く訴えるようになるだろう。8. 抗議活動の写真をレイバー・ノーツに送ってください勇気は勇気を呼ぶ。今、ニューヨーク市からノー・キングス集会へ向かう力強い労働者デモの美しい映像が私たちの心を奮い立たせている。さあ、今度は全国各地からの映像を集めて、見よう!Created by staff01. Last modified on 2025-11-03 10:22:43 Copyright: Default | ||||||