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LNJ Logo パリからのレポート:スト、封鎖、マクロン(大統領の座から)出て行け!
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飛幡祐規(たかはたゆうき・パリ在住)

 9月10日の「全面封鎖せよ」の大アクションの第2幕、全労組が呼びかけた9月18日の統一アクションに、全国で100万人(CGT発表)が路上に出たりストや封鎖を行ったりした。パリではまずバスティーユ広場からレピュブリック広場へ、それからナシオン広場へがコースだったが、バスティーユからレピュブリックまでが埋まるほどの人出。折しも夏日が戻ってきて晴天、労組の呼びかけに大勢の市民、それも若い層、若い女性たちや高校生・大学生の存在が目立ち、明るいダイナミズムに溢れていた。

 ズュックマン課税(ごく少数の超億万長者はネオリベ経済政策で最も資産を増やしたが、ホールディングを作って資産の課税を免れる手をあれこれ使い、一般市民よりずっと課税率が低い。だから彼らの資産の2%に課税せよという、ズュックマンGabriel Zucmanなど経済学者の主張。課税の不平等を少し是正する手段)を払え、財政をおびやかしているのは億万長者であり、アラブ人・黒人ではない、などのプラカードが目立った。

 午前中には鉄道や医療従事者の集会や職場、高校の封鎖などが各地で行われた。今回も治安部隊は8万人、高校生やデモの平和的市民に催涙弾を打ち込んだり暴力をふるう映像がSNSで流れた。リヨンでは警察が投げた手榴弾がリュックサックの中に落ちてジャーナリストが負傷した。以前、環境活動家が同じようにリュックに受けた手榴弾のせいで命を失っている。フランスの警察はヨーロッパでおそらく唯一、致死の危険がある(戦闘用)武器をデモなど市民に対して使う。国連やEUの人権機関に批判されているのに、主要メディアがそういう重要な情報を報道しない。

 10日に続く18日のアクションで、市民はルコルニュ首相ととりわけマクロン大統領の政策への抗議を強力に示した。富裕層と大企業を優遇して市民の生活を悪化させた政治をやめろ、マクロンは(大統領の座から)出て行けと。そのためにストと封鎖が続くだろう。次のパリの集会は9月21日の日曜午後、レピュブリック広場。9月21日は大革命中の1792年、国民公会の議員が満場一致で王政(革命後の立憲君主制)を廃止し、共和国(レピュブリック)が成立した日だ。マクロンは第五共和国憲法を濫用して、君主のようにふるまう。辞任させて(罷免)、もっと民主的な第六共和国憲法を市民が作成するしかないところまでフランスは来た。


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