渡部通信（7/25） : 7・20「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会（後）

●渡部通信（7/25） : 
明けない夜はない（325）＜若者を再び戦場に送るな！（75）7・20「
日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会（後）

前もって紹介しておきますが、以下のアドレスでユーチューブで
集会の全容が配信されています
https://www.youtube.com/watch?v=c48v-ct2Pmw
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午後からは、それぞれの場で闘っている方々からの報告がありました。
以下順を追って簡単に内容を紹介します。（敬称略）
詳しくはユーチューブをご覧ください。

《東京の報告》
1.「君が代」裁判五次訴訟判決 (近藤徹)
五次訴訟は現在全国で唯一の「君が代」裁判になった。
「君が代」強制の狙いは民主的学校運営を許さず、破壊するものだ。
反対する者をあぶりだし、排除するものだった。
再任用もされず、担任にもされない。
7月31日（木）東京地裁で判決。
709号室（定員42名、先着順）。13：20原告団入場、14：00判決。
2.東京の教育の置かれている状況について (伏見忠)
東京都教育委員会の教職員統計資料を紹介。その一部。
2024年度は（条件付き）採用教員（4,237人）ー正式採用者（3,997人）＝（240人）
その割合は、2015年度（2.6％）⇒2024年度（5.7％）
病休者は、2015年度（694人：うち精神疾患76.1％）⇒2024年度（1018人：うち精神疾患
81.5％）
これを見ても、現在教育現場がいかにひどい状況になっているかが明らかです。

3.英語スピーキングテストについて (片桐育美)
3年目をむかえて、1，2，3年全学年が行うことになった、
WEB上での申し込みが極めて煩雑
（これについて、分かりやすくパワーポイントで説明）、
都教委は、保護者WEB[入力で教員の「働き方改革」
に繋がるというが、かえって逆効果、二度手間どころか三度手間。
教員にまた仕事が増えた。
「百害あって一利なし」、まずは廃止あるのみ。

４.義務制のデジタル化の現状 (2人)
Tさん：ICT活用を行う現場の状況について、児童側、教員側の
良い効果と課題。今後の活用について都教委は「生成AIリーフレット」を配布。
教員側が便利さや効率性のみを求めて嗜好なく安易にタブレットを活用させることは、
先生自身・子ども自身が文房具になってしまう恐れがある。
Sさん：ICT化の現状と課題について、①よさ、②課題について報告、
②には、「教材からの学びの薄さ」、「タブレットを与えると・・」、
「ネットモラルのトラブル」などについて。
タブレット導入時と比べて、生活指導の内容は増えている。

５.義務制の職場から (宮澤弘道)
以下の問題についてパワーポイントで説明されました。
大変分かりやすかったです。
詳しく知りたい方はユーチューブをご覧ください。
①みんな教諭の職員室から6段階の階層ピラミッド型職員室へ
②人事考課制度による教職員管理
③通達による指令～卒業式・入学式の変質
④都や国の学力調査→授業改善推進プラン
⑤指導内容の徹底管理
⑥まやかしの働き方改革
⑦そして減り続ける教員志願者

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《大阪からの報告》
6.大阪ネットからの報告 ( 山田光一 )
今年度の卒・入学式でも例年通り、府立高校中心に、市民の協力のもとに、
のべ高校32校・中学7校で、約8千枚のビラを配布。
公道での配布にもかかわらず、警官を呼ぶ学校が一例。
管理職らしい教員が大きな声で「学校と関係ないビラですよ」とか、
「威力業務妨害になりますよ」などというので、「どこが威力業務妨害？」というと、
警官は「もめることのないように」と仲裁。
その後は妨害もなく、最後までビラ配布。

7.大阪での裁判闘争の報告 ( 井前弘幸 )
大坂におけるこれまでの、人事委員会闘争、裁判闘争での
勝利判決2件（山田さん、梅原さん）を紹介、
大坂の「国旗国歌条例」「職員基本条例」の違憲・違法性をめぐる
論点の推移と到達点について報告。

8.D-TACの取り組み ( 松田幹雄 )
「8年半の人事委員会・裁判で明らかになった事実を踏まえ、
『君が代』調教を告発する権利主張を呼びかけて行きます」
というレジュメを提出され、
＜今後、D-Tacとして取り組みたいこと＞として、
①学校に「卒業証書授与式」の使用をやめさせ、卒業式は。
卒業生が主役であることを確認する。
②大阪市教委に、卒業式・「君が代」指導のあり方は、
「子どもの権利条約に違反していることを主張し、見直しを求める。
③子どもに「君が代」歴史・扱い・歌詞の意味を伝え、
どうするかは子どもに任せることを要求する。
④子どもに「君が代」の歴史や意味の変遷を伝えられていないことを指摘、
自身の権利として要求しよう、と提起する。
⑤（主権者としての）子どもの抵抗を生み出す。
9.久保元校長からの報告 ( 久保敬 )
「提言書」「文書訓告」から現在に至る大まかな経緯を語られ、
胸を張って「おかしいことはおかしい」と言う姿を子どもたちに見せたい、
わたし個人の名誉回復ではなく、教職員も子どもも居心地のよい生き生きとした
学校になることを心から願い、処分の撤回を求めて声を上げ続ければならない
と考えている。いつでも再び戦場に子どもたちを送り出す準備が整いつつある、
子どもに対するおとなの責任として「おかしいことはおかしい」と言い続けて行きたい、
と述べられました。

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《首都圏・全国から》
10.神奈川から 個人情報の保護 (外山喜久男)
〇「日の丸・君が代」強制については、いまでも不起立を貫く教員はいる。
県教委は「生徒・保護者には強制しない」と言っている。
〇横浜26万人のビッグデータについて、
教職員や子どもたちに有効な「教育データ」を提供するのがうたい文句。
市内のすべての小中学校で、心の状態や「頭が痛い」といった体の状態について
タブレット端末で回答させることもやっている。
〇自動採点システムについて
「働き方改革」の一環として組合がそれを求めているようだ。
しかし、採点は教育活動のひとつではないのか？
民間企業にわたった児童生徒の採点データはどうなっているのか？
情報として
〇教育データ利活用ロードマップ（2022）から教育DXロードマップ（2025年）へさらに強
化。
〇デジタル教科書等について
北欧ではデジタルからアナログに回帰している現状がある。

11.千葉の学校現場から 平和教育 (石井泉 )
少数ですが不起立での抵抗は続いています。1994年以来被処分者は出ていません。
学校の様子は大きく変化。
・若手教職員の激増とベテラン減少で「物言わぬ」教職員が増え、組合が弱体化。
・多忙化と長時間労働が全く改善されず、「心の病」や退職者の増加、未配置や
教員採用倍率低下の問題が深刻化。
・公立校定員割れが起き、高校統廃合問題に揺れ、定員内不合格、
タブレットの強制購入、部活顧問の拒否や地域移行など多くの問題への対応に迫られる。
・組合による40代以下の教職員アンケート、
「改善要求」の1位は教職員増、2位は賃金増、3位は部活動負担減。
「教職員組合をどう思うか」の問いに、
1位は「あった方が良い」（63％）、2位は「絶対に必要」（27％）
という結果は意外でした。

12.教員の働き方 横浜から (朝野公平 )
三部制定時高校では、
（一部）8：25生徒登校ＳＨＲ、授業開始8：45～12：05終了
（二部）12：55生徒登校ＳＨＲ、授業開始13：10～16：30終了
（三部）17：10生徒登校ＳＨＲ、授業開始17：25～20：55終了
（教員の勤務）は、
＜前勤務＞8：25～16：55、（休憩時間）12：25～13：10
＜後勤務＞12：40～21：10、（休憩時間）16：40～17：25
12：40から15分程度、全職員による打ち合わせ
この15分と（二部）のＳＨＲの時間帯は、＜前勤務＞の休憩時間と重なる
16：30から公務分掌の会議
しかし、17：10からは（三部）のＳＨＲの時間帯だが、＜後勤務＞の休憩時間と重なる
放課後がない三部制では、部ごとの間の（わずかな時間）と空間に、
会議、生徒会活動、学級活動、給食、教員の休憩時間を詰め込む。
（わずかな時間）とは、（一部）と（二部）の間の55分、
（二部）と（三部）の間の40分である。
この問題に対し、2019年の着任時から取り組み、職員団体との交渉や、面会において
再三、割り振りの瑕疵を指摘しても当局は、改善に向けての行動をとることはない。

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《市民・諸団体》
13.練馬 自衛隊の学校介入 (池田五律 )
ここでは、現在の自衛隊の状況と児童・生徒への工作について
具体的な数値を上げ、以下のような項目で説明されました。
Ⅰ、不足する自衛隊員
・低い充足率 ・中途退職者も続出 ・採用達成率も低下
Ⅱ、人的基盤強化（人集め）を図る自衛隊（2025年度予算から）
①自衛隊の処遇改善（給与など）、②生活・勤務環境の改善、
③新たな生涯設計の確立（再就職先の拡充など）、
④その他（広報・募集強化）
Ⅲ、自衛隊関連学校の動き
①防衛大学（サイバー学科を新設など）、②防衛医科大学、
③陸上自衛隊高等工科学校（横須賀。中学三年生に勧誘ハガキ送付）
Ⅳ、児童・生徒へのアクセス
①総合学習の時間（全般説明・講和、装備品見学、ロープワークなど）
②職場体験モデルプラン（京都地方本部ホームページより）
③防災訓練・防災フェアへ
④「働く車」として登場
⑤リックンランド（朝霞駐屯地）は修学旅行・はとバスのコースにも
14.練馬のJアラートを巡る問題 (中川信明 )
一昨年、練馬区内の小学校の学童クラブで」「Jアラート避難訓練」が行われ、
昨年2月練馬区教委との定期交渉でその訓練を行わないよう要望。
しかし、昨年6月、6校の小学校、2校の中学校で実施された。
今年3月の定期交渉では、 小学校16校、中学校6校で実施されたことが分かった。
今年5月20日に本実行委員会が取り組んだ文科省交渉で、
2０23年段階で、全国2119の小学校（11.8％）、672の中学校（7.3％）、
742の幼稚園（17.2％）などで行われたことが明らかになった。
都道府県の中で、東京都が34.8％と突出して実施している。
今年5月24日に、昨年度実施した 小学校16校、中学校6校に
「意見ならびに質問書」を送付した。
戦時中「防空演習（訓練）」と類似している」という指摘には
まともに答えない。引き続き、しつこく追及していきたい。
全国各地の教育委員会や学校で問題にしていただきたい。

15.朝鮮学校授業料無償化問題 (長谷川和男)
「コッソンイ」（朝鮮語で「花」）という本が花伝社から出ている。
朝鮮学校に通う子どもたちが日ごろ何を感じ、何に悩み、
どう生きて行こうかと考えているか、手にとるように分かる。
皆さんにも、ぜひ読んでいただきたい。
都議選・参院選で様々な政党から「日本ファースト」
「外国人の流入を抑えよ」など、 差別主義をあおる言説が垂れ流されている。
朝鮮学校に通う子どもたちが、
それを聞いてさらに深く傷ついているのではないかと、心配している。
民主党政権下で、2010年に始まった「高校無償化制度」から
朝鮮学校だけが外され、その後全国５か所で闘われた裁判闘争は、
2017年7月の大阪地裁判決を除いてすべて不当判決に終わった。
「無償化連絡会」は、2019年８月30日の最高裁不当判決を受け、
その後も、文科省前「金曜行動」を継続・発展させることを決め、
毎週金曜日午後4時から5時にかけて行っている。
2025年7月11日で第578回を数える。ほぼ平均して30人以上集まる。
毎回新たな参加者が加わり、その発言が朝鮮学校の歴史や文化、
支援組織の現状や課題、民族教育の重要性を学ぶ学校になっている。
是非一度覗いてみてほしい。
16.大阪の自衛隊「職業体験」キャリア教育 (中２の子どものいる保護者・清水悦子)
2025年1月防衛相ホームページに、
自衛隊ヘルメットを被り敬礼、自衛隊員と笑顔で「ピース」サイン、
戦闘糧食を喫食、自衛隊車両に乗る生徒の姿。
東大阪市立中学校のうち2校の職業体験の様子がはっきりと大きく
映しだされていました。
戦後80年の今、教員の皆さんそして保護者、社会を構成する市民一人一人が
過去にあった戦争を二度と繰り返させないことの誓いを改めて交わす時ではないでしょう
か？
戦争中は愚かにも教師が児童生徒が戦争に行くよう、戦争が美徳と教示してきた
忌々しい事実があります。戦前が露骨に顔を出したとおもわざるを得ません。
自衛隊の垣根を低くするのは本当に止めてほしいことです。
（その後、祖父や祖母の戦中・戦後の悲惨な体験を話され）
私は絶対に二度と戦争はしてはいけないその誓いを守り抜くためにここに立っています。
この行動をしないと後悔してしまうんです。未来の私がそう言っています。
切羽詰まってここ東京に参りました。

最後に、＜被爆80周年で天皇が広島を訪問した際、
「提灯行列でお迎え」の文書に教育委員会が「後援」＞
という「広島からのメッセージ」が読み上げられました。
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その後、
《特別報告》 学術会議法人化阻止の取り組みについて(小野政美)
《文科省交渉報告》 ( 花輪紅一郎)
（熊本大学の横塚さん）の発言がありましたが割愛します。

この報告は、極めて圧縮したもので、
それぞれの発言者の真意や思いを不十分にしか伝えていません。
出来れば、是非、以下のアドレスのユーチューブでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=c48v-ct2Pmw

集会後の銀座デモ（約30分）には40人の方が参加されました。


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「都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
 http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/