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老いの苦しさを演じきった名脇役のドキュメンタリー『うしろから撮るな〜俳優織本順吉の人生』 | ||||||
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堀切さとみ 知り合いからチケットをもらったので、何の気なしに観に行った『うしろから撮るな〜俳優織本順吉の人生』。2千本の映画やドラマに出た俳優の、最後の四年間を追ったドキュメンタリーである。 「役者っていうのは覚えた台詞を忘れていかないと、次が覚えられないんだ。医者にはわかんないだろう!」 次第に、撮影しているのは織本の長女であることがわかる。家族だからこそ撮れた映画だったのだ。出だしのテロップ、「これは演技なのか素なのか、撮りながらわからなくなった」というのが効いている。 「四年間」の前半は、織本が現役役者としてもがきながら奮闘する姿だ。後半は仕事が来なくなって、やることがなくなった織本。俳優というのは二度死ぬものなんだな。そう思っていたら裏切られた。 昭和2年生まれの織本は、左翼劇団を立ち上げ役者人生まっしぐらだった。妻となった女性は俳優への道をあきらめ、織本を支えながら二人の子どもを育てあげた。映画の中で、織本の介助を一手に引き受けてきた妻(監督の母)が、怒りを爆発させる場面がある。そこで涙腺崩壊。彼女はここで、役者としての願望を果たしたように思えた。 人生とはかくも演劇のようなものである。織本は「老い」という苦しいテーマを、娘のカメラの前で演じきった。「人は未完成のまま終わるんだよ。完成して死ぬ人なんて嘘だよ」 *********************************** 『うしろから撮るな〜俳優織本順吉の人生』(監督:中村結美/82分) Created by staff01. Last modified on 2025-04-11 13:22:47 Copyright: Default |