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袴田事件再審:検察は特別抗告を断念せよ!「再審開始を見届けなければ死ぬにも死ねない」

海渡雄一(弁護士)

*撮影=ムキンポさん。中央左の白い服が袴田秀子さん。

 袴田事件で、東京高裁が即時抗告を棄却する決定。東京高裁は捜査機関による証拠ねつ造の可能性を示唆。検察は特別抗告を断念し、一刻も早い再審公判開始に協力せよ。

 今日(3月13日)の二時、東京高裁は検察の即時抗告を棄却する決定を下しました。本当に良かったと思います。

 しかし、検察側が特別抗告すれば事件は再び最高裁で審理されることになります。検察が、特別抗告を断念すれば再審開始が確定し、静岡地裁で再審公判が開かれることになります。

 今回の決定では、次のような重要な指摘がなされています。

 「5点の衣類が1年以上みそ漬けされていたことに合理的な疑いが生じており、5点の衣類については、事件から相当期間経過した後に、A以外の第三者が1号タンク内に隠匿してみそ漬けにした可能性が否定できず(この第三者には捜査機関も含まれ、事実上捜査機関の者による可能性が極めて高いと思われる。)、Aの犯人性の認定に重大な影響を及ぼす以上、到底Aを本件の犯人と認定することはできず、それ以外の旧証拠でAの犯人性を認定できるものは見当たらない。」とまで認定し、捜査機関による証拠のねつ造の可能性があることを明確に指摘しているのです。この決定に、特別抗告の理由となる憲法違反、判例違反がないことは明らかです。

 NHKが報じている袴田さんのお姉さん袴田秀子さんのことばに耳を傾けてほしいです。

 「年でいえばいつ何があっても覚悟しているけど、再審開始を見届けなければ死ぬにも死ねない。今は何も言わないけど、巌の48年はすさまじいものだと思う。死刑囚ではなくなったよって伝えてやりたい」

 検察は、認められる余地のない特別抗告をして、袴田さんと秀子さんを苦しめ続けてはならないと思います。特別抗告をやめるよう、検察に意見を集中しましょう。(海渡雄一氏のFBより)


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