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コロナワクチン後遺症に目を向けよ〜医師・長尾和宏さん

林田英明

コロナ禍が世界を覆う。しかし、本当の脅威は新型コロナウイルスではなく、ワクチンを推進する人間のほうではないのか。兵庫県尼崎市の長尾クリニック院長、長尾和宏さん(63/写真)の話を聞いていると、そんな気がしてくる。3月6日、「シアターセブン」(大阪市淀川区)で『記録映像 ワクチン後遺症』(1時間52分)上映後のトークに参加した40人は、質疑応答を交えた1時間のトークに聴き入った。

●記録映像で熱く語る5人

最初、チラシの「ワクチン後遺症」を私は一瞬「コロナ後遺症」と誤読した。新型コロナに感染すると、さまざまな後遺症に苦しむ例を報道で見聞きする。若くても、だるさや味覚障害などが長引けばつらい。高齢者や基礎疾患を持つ人たちにとって感染は死の影を帯びる重篤な症状を来しかねない。

だが、長尾さんは「ワクチン後遺症」と言っている。昨年末、大阪市で開かれたシンポジウムの記録映像はどんな内容なのか。ジャーナリスト、鳥集(とりだまり)徹さんの司会の下、4人のパネリストが登場する。長尾さん▽京都大学ウイルス・再生医科学研究所准教授、宮沢孝幸さん▽元衆議院議員の弁護士、青山雅幸さん▽大阪府泉大津市長、南出賢一さん――である。それぞれの立場からワクチンへの対応を明らかにしている。

長尾さんは、現場の医師として実際に患者に接し、ワクチン接種後に歩行困難や短期記憶の障害を訴える学生の動画を映し出す。宮沢さんは、感染力は強いが弱毒化しているオミクロン株の登場で「これで上がりでしょ」と、季節性インフルエンザと同様の対応に落ち着くべきなのにワクチン信仰が強まるばかりの異常性を説いた。青山さんは、若年層に心筋炎・心膜炎の副作用が多発し、ワクチンを打つことによってかえって危険性を増していると警告。そして南出さんは、オミクロン株のデータが5〜11歳については存在しないとする後藤茂之厚生労働相の2月の答弁を引き合いに、市長として対象世帯のワクチン接種券は希望者の申請に限り、一律送付しないことにしたと語った。鳥集さんも、司会の範疇にとどまらず、厚労省の恣意的なデータ運用を挙げて「メディアは何をしているんですか」と報道に強くアピールする姿が印象的だった。

●病院は結論ありきの対応

この記録映像を踏まえて長尾さんの登場。現場の話には、やはり引き込まれる中身がある。昨年11月からこれまで診てきた1700人ほどの患者の中に、コロナ後遺症だけでなくワクチン後遺症と思える例が出てきたという。接種翌日あるいは1週間、2週間後に学校や職場へ行けない症状を訴えてくる。神経内科を紹介しても髄液検査もせず「異常なし」と診断されて戻ってくる。記録映像では45例が現在は73例に増えていても、国が「ワクチン後遺症はない」としている以上、病院は最初から結論ありきで調べる気はない、と長尾さんは憤る。国立病院は「打て打てドンドン」とワクチン接種を進めるだけだ。国の指示に従っていれば実利が得られ、栄達も望めるからだろうと推測する。今更やめると自己否定になってしまう。

ワクチン接種後に亡くなった、公式発表1470人を解剖もせず死因の究明がおざなりなのはなぜか。予防接種法に基づき、接種が原因で死亡した場合、遺族には4420万円と葬祭料約20万円が支払われることになってはいても、これまで受け取れた遺族は一人もいない。1470人という数字も、長尾さんにとっては控えめに映る。体が弱って後に死亡した患者たちを含めれば1万人規模ではないか。亡くなってはいないものの、寝たきりや日常生活が営めない人は数万人に上るのではないかと漏らす。

種痘のような病原体を使った生ワクチンではなく、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンが新型コロナに投与されている。ウイルスのたんぱく質の元となる遺伝情報の一部を注射すれば、それに対して抗体が体内で作られるからウイルスへの免疫ができる、という解説を厚労省のホームページ等で見ることができる。40代以下にワクチンは勧められないと体感する長尾さんにとって、小児接種なんてとんでもない。「子どもにはエビデンス(根拠)ゼロ、メリットゼロ」と言い切る。同居する高齢者を感染から守るために打つよう奨励されているが、これも裏付けはない。臨床試験(治験)が終わらないままの特例承認ワクチン。オミクロン株に効果があるのかないのかも実のところは分からないのだ。

●特効薬はイベルメクチン

新型コロナの特効薬にイベルメクチンがある。12ミリグラム錠を3日間、飲むだけ。インドやブラジルなどワクチンが行き届かない国ではイベルメクチンを治療薬として認めている。イベルメクチンは、ノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大学特別名誉教授らが微生物から発見・抽出したエバーメクチンを元に米メルク社と共同開発した抗生物質。元々は感染症を引き起こす寄生虫を駆除するためだったのだが、なぜか新型コロナにも効くと分かって世界で注目されている。すでに特許が切れており、安価なジェネリックを個人輸入している人は少なくない。日本でまだ認可も推奨もされていないこのイベルメクチンは、興和(名古屋市)が現在、治験を重ねており、製品化される日も近い。 長尾さんは、このイベルメクチンがコロナ後遺症だけでなく、ワクチン後遺症にも効果が高いことに驚いた。イベルメクチンないしグルタチオンを主体に漢方薬やサプリメントなど10種ほどの薬剤を個々のケースに合わせて、2〜3種類ずつ試行錯誤しながら処方しているうちに、ほぼ全員が徐々にではあるが快方に向かっているという。ワクチンを何度も打っているイスラエルなどのほうが感染拡大を抑えられないのはなぜだろう。代替薬を隠してワクチンを打つしかないという逆立ちした論理で突っ走る現実こそ虚構ではないのか。

5〜11歳への接種券を自治体が家庭に送らないよう求める活動は、国策に反する。ワクチンを打たなければ命と健康が危ないと刷り込まれれば、ワクチンを打つことで反対に作用すると案じる長尾さんには猛烈な脅しが来る。「国賊」扱いである。殺人予告や放火予告など毎日のように届く。「もう慣れました」と笑い、「そのうち冤罪で逮捕されるかもしれません」とジョークで会場を沸かせてみせるが、心穏やかではないだろう。匿名による無益な誹謗中傷に時間を取られている暇はない。

新型コロナ発生後、6000人以上の発熱患者を診てきた長尾さんは、一人もコロナでは死者を出さなかったのに、ワクチン接種後に3人を亡くした悔恨がある。このごろは、3回目の接種で体調を崩す患者が目についてきた。1回目、2回目では軽い副反応ですんだものが、体の免疫が変わっていくためか3回目で変容することはあるという。だが、ワクチン後遺症では病院へ行っても最後は「気持ちの問題だ」と言われ、泣き寝入りとなってしまう。

長尾さんの言葉に熱がこもる。「ワクチンに対するネガティブな情報は徹底的に隠蔽されている」。現に苦しむ患者がいても、ワクチン後遺症を認めない国は、同じ過ちを繰り返すのではないか。そこを長尾さんは恐れる。サリドマイド、薬害エイズ、水俣病などを挙げながら、そして子宮頸がんワクチンの積極的な勧奨再開を不安に思って質疑で手を挙げる会場参加者にも呼応して、医師の立場から提起をやめない。

●小児接種は悲劇の拡大

ワクチンを打つことによってNK細胞という自然免疫力が半分や3分の1に落ちると長尾さんは言う。NK細胞とは、ナチュラルキラー細胞のことで、がん細胞を攻撃するリンパ球の一種である。ワクチンを打ったがゆえに新型コロナに感染しクラスターが発生しては笑うに笑えぬ悲喜劇。だから、ウイルスが入り込む部位で疾患が起こり、場合によっては心臓にダメージを受けて亡くなるということもあり得る。2年間のマスク生活と2度のワクチン接種で免疫力が下がっている高齢者には、誤嚥性肺炎の危険性がいや増す。直接死だけでなく、こうした間接死にも目を向ける必要がありそうだ。2回の接種で逆に今のオミクロン株にかかりやすくなっている可能性もあるとすれば、木を見て森を見ないワクチン神話であろう。

しかし、長尾さんらが国会議員に訴えても全く知識がなく落胆する。記録映像の上映会と講演会を企図しても政権与党の自民党からは誰も来ない。医者たちからのSNS(ネット交流サービス)では長尾さんを「捏造」「金もうけ」などと陰謀論者扱いするものがある。それでも小児接種1200万回をただ黙過するわけにはいかないだろう、長尾さんの声のトーンが高くなる。「医者が止めないといけない。映画を見て、おかしいと思わないほうが狂っている」。子どもの命と尊厳を守ろうとしているのはどちらの側か。同調圧力の強いこの国で思考停止すればどうなるのか。そもそも、人類よりウイルスのほうが先に誕生している。ウィズコロナは今に始まった話ではなく、最初からそうなのだ。清潔志向が行きすぎれば、滅菌思想に染まってしまう。だが、それが人間の抵抗力を奪うものとなっては意味がない。3回目接種も半年たてば抗体量が減るから秋ごろには4回目接種が求められると製薬会社がアピールしている。薬物中毒と似てきた。

長尾さん主導の映画は、間を置かず、第2弾、第3弾を構えている。今回の記録映像は緊急性に鑑み、編集が粗かったと私は思う。宮沢さんはとても重要な発言をしているのに、専門用語を早口でしゃべられては理解が追いつかない。BCG接種によるコロナウイルスへの効果や交差免疫の意義付けなども、字幕をつけて鑑賞者に解説したほうがよかった。長尾さんの発言する「QOL」もカッコ付きで「生活の質」と補いたい。

この日の質疑応答では大分県からフェリーで駆けつけた看護師もいて、長尾さんも目を丸くしていた。映画館の閉館時間が迫り、8人で打ち切られたのが惜しい気もする。ワクチン後遺症にかかる確率を長尾さんは「1万円か10万円の当たり」と捉えている。恐れるべき高確率ではなかろうか。そんな宝くじなら買わなければいい。ワクチンは無料で受けられるが、財源は私たちの税金である。私がワクチンを打たず様子を見るきっかけとなったのは、昨夏のプロ野球・中日ドラゴンズ、木下雄介投手(享年27)の急死である。急性心筋炎。しかし接種との因果関係が認められないまま、忘れ去られようとしている。長尾さんが反対する小児接種では、さらなる悲劇が無責任な国策として広がろうとしているように思えてきた。小児接種には親の同意と立ち会いが必要である。メディアも医療界も推進一辺倒を変えないなら、取り返しのつかない結果を引き受けさせられる子を持つ保護者が立ち止まって考えるしかない。

*写真説明=長尾クリニックでは昨年11月以降、コロナワクチンの接種はしていない。


Created by staff01. Last modified on 2022-03-27 01:26:43 Copyright: Default

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