映画『Minamata』を観る(児玉繁信) | |||||||
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映画『Minamata』を観る児玉 繁信1)映画『Minamata』とは? 映画『Minamata』(監督アンドリュー・レビタス)は、チッソによる産業汚染が日本の漁村・水俣とそこに住む人々にいかに悲惨な状態をもたらしたかを写真で告発するユージーン・スミスの戦いを描いている。 2)どういう映画か? 映画は、スミスが水俣に行く一年前から始まる。前妻と子供たちから離れマンハッタンの屋根裏で半ば隠とん生活をするスミスは、行き詰まりのなかにいた。第二次世界大戦での悲惨な経験と残った重い傷は、心的ストレスとなって彼を苦しめ、酒におぼれさせていた。アイリーン美緒子は、そんなスミスに「Minamata」被害の報道を頼む。「現地では反対運動があるが、被害者に対する世界的注目が必要だ」と訴える。 3)「入浴する智子と母」 スミスは被害者の一人である上村智子の両親の信頼を得て、「入浴する智子と母」の撮影を許される。水俣病で苦しめられひどく硬直した裸の智子さんに注ぐ母・良子さんの眼差しが限りなく優しい。 4)水俣は水俣だけではない 九州・水俣の漁業社会で起きた大惨事は一回限りの出来事ではなかった。インドネシアでは同様の水銀汚染が繰り返された。あるいは、チェルノブイリや福島の放射能汚染に苦しむ人々、アフリカや中南米での有毒鉱山廃棄物による中毒、ミシガン州のフリント飲料水鉛汚染やの被害者たちの顔が、重なって浮かびあがってくると映画は主張する。われわれの社会は、企業利益や国策により、人々の健康や環境の破壊を繰り返すという欠陥を持っているのだ。 5)映画『Minamata』は上映拒否と戦っている 2019年映画は完成したが、巨大映画会社MGMは、主演ジョニー・ディップへの前妻からの暴力の訴え(告訴されていないし、捜査されてはいない)を理由に、2020年初めにこの映画を葬ることに決め、全米では上映できていない。企業のコプライアンスは企業利益をまもるために存在するようだ。監督レビタスは、映画を「葬る」措置を取ったMGMに抗議の書簡を送り、MGM経営者に、上村夫妻や他の水俣被害者と話し「なぜ一人の俳優の私生活が、彼らの亡くなった子供や兄弟や親や、産業公害と企業の不正行為のあらゆる被害者より一層重要と思うのか説明する」よう求めている。 *11月12日まで、尾道シネマで上映中 <市民運動交流センター(ふくやま)発行の「インフォメーション443号」から転載> Created by staff01. Last modified on 2021-11-08 12:34:23 Copyright: Default |