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不当判決だがわずかに前進も〜メトロコマース東京高裁判決

動画(6分)

 2月20日午後3時、東京高裁でメトロコマース労働契約法20条裁判の控訴審判決が出された。裁判所前には約150人の支援者が見守っていた。しばらくして東部労組須田書記長が「旗出し」のために建物から飛び出してきた(写真上)。もっていた旗は「不当判決」。「東京高裁は非正規差別を容認する不当判決を下しました!」須田さんは声を震わせて叫んだ。あとから出てきた当該のメトロコマースの原告4人も浮かない表情だった。支援者を前に原告がマイクを握った。

 後呂良子委員長は「何がなんだかわからない判決読み上げ。原告にわかるように説明すべきだ。裁判所はおかしすぎる」と。瀬沼京子さんは「判決を聞いて私は足が震えた。こんな屈辱的なことはない。なんで私たちの差別の実態が裁判所で通らないのか」と憤りをぶつけた。

 しかし高裁判決は一審の全面敗訴からは一部前進した。それは、住宅手当(月9200円)・褒賞金・早出残業手当についての格差が認められたこと、退職金については4分の1の金額が認められたことだった。退職金が一部とはいえ認められたのは労契法20条裁判では初めてだった。
 だが、もっとも大きな格差がある本給・資格手当・賞与については一切認められなかった。そのため原告4人の請求金額約5000万円に対して判決が認容したのは3人で約220万円だった。しかも瀬沼京子さんに対しては、退職時期が早かったことを理由に労契法20条が適用されず全面棄却された。複雑な思いが交差するスッキリしない判決だった。

 後呂委員長がやっと笑顔を見せたのは、記者会見の席上。「よかったことは住宅手当と褒賞金が認められたこと。それはあたりまえのことだが、あたりまえのことが5年間たたかってやっと認められた。一歩前進したがまだまだこれから。非正規労働者の底上げのために運動を広げていきたい」と。原告側は格差全面是正を求め、すみやかに最高裁に上告する方針だ。非正規格差をめぐる攻防は、日本郵政・大阪医科大学などと共に今後最高裁が舞台となる。(M)

↓報告集会

東部労組速報・声明など

一審判決との比較表(pdf)


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