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横暴に進められるミサイル基地建設〜石垣島訪問はショックの連続だった

    印鑰 智哉

*島のあちこちにミサイル基地反対の立て看板

 1月12日の石垣島訪問はショックの連続だった。東京から沖縄本島の行き、辺野古の問題に触れることが1つのショックであるなら、それと同じくらいのショックが石垣島にあった。

 自衛隊のミサイル基地が来月着工されようとしている。自衛隊の基地というが現在の安保体制の下では米軍基地でもある。それなのに、石垣島などの島々における自衛隊基地建設には十分な注目がされていない。

 でも実際にその現場を訪れるとあまりに横暴な形で推し進められようとしていることがわかった。建設予定地近くに行くと、あちこちで赤やピンクのリボンが無造作に付けられた杭が打ち込まれていたり、木々に付けられていた。その土地を所有する人の許可も得ずに勝手に測量したり、伐採したりしているという。まったくありえない傍若無人そのもの、現地の人の意向などまったく無視した作業が進んでいる。


*ミサイル基地建設予定地

 その基地が作られようとしているのは石垣島の中心部にある水源近く。軍事基地は平時でもきわめて有害な物質を垂れ流しにする。もし水源が汚染されてしまえば、石垣島は人の住めない島になってしまいかねない。そして、下流の生態系にも大きな影響を与えざるをえない。石垣島はきわめて貴重な絶滅危惧種が多く存在する生態系を守っている島であり、その生態系こそ、未来にわたる命を守り続ける源泉となるものだろう。そこにこのような汚染源を作り出すことに多くの島民が不安に思っている。

 しかし、こうした問題の時に常にこのような言い方がされる。「賛成の島民もいる」。そもそもこんな基地を作るということを押しつけられなければ島民の中に生まれなかった分断が作り出される。島の中に対立が作り出されてしまう。そして、それがあたかも島の人びとの問題であるかのように語られてしまう。「賛成の島民もいるし、島のために建設する」というような偽りの宣伝がなされてしまい、押しつける側の責任は問われなくなってしまう。


*すでに建設されたアンテナ施設

 こうした問題は常に押しつける側を問うべきだろう。本当にそれは必要なものなのか、石垣島に押しつけるべきものなのか?

 残念なことに、戦後日本は朝鮮半島と中国・台湾での対立を利用してきたと言わざるをえない。対立が日本の外で生じることを利用して、特殊な地政学的なポジションを獲得して、それを国家運営に利用してきた。政権が危なくなると北朝鮮の脅威が宣伝され、支持率が回復する。でも、その冷戦構造はとっくに終わっている。最後の冷戦構造をなしていた朝鮮半島でも平和的解決が見えてきている。でもこの国の政権はそれが嫌で仕方がない、もう終わりつつある構造を続けさせるために莫大な税金をつぎ込んで基地建設を進め、外交でも対立を煽っている。その政府の姿勢をマスメディアは十分批判できているだろうか?


*島ことば、中国語、韓国語、英語で書かれた看板

 八重山諸島や奄美大島などでの自衛隊基地の建設の動きはまさに不要な対立を東アジアに作り出す愚挙といわざるをえない。その愚挙のために、この地域、そして世界の命を支えることができるような貴重な生態系が壊され、社会に対立と分断、悲しみと苦しみが持ち込まれている。そして何か軍事的衝突が起きれば、犠牲になるのは基地が作られた地域の人びとであり、押しつけた側は犠牲になることはないかもしれない。こんな理不尽が許されるだろうか?

 着工は来月という。残された時間は短い。しかし、辺野古と同様、石垣島のミサイル基地建設も許してはならない。(2019年1月14日・印鑰さんのFBより)

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Created by staff01. Last modified on 2019-01-14 12:22:24 Copyright: Default

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