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「県は本当に安全を考えているのか!」〜東海第二原発で初の住民説明会

    堀切さとみ

動画(62分)

 1月13日。東海文化センター(茨城県東海村)で、東海第二原発に20年使用延長を認可 した原子力規制委員会による、はじめての住民説明会が開催された。170人ほどの茨城県 民が参加。取材はOKということで、筆者はレイバーネットTVとして、たくさんの大手 メディアに混じってカメラを回した。首都圏に立地し、30キロ圏内に96万人が暮らす原発 の行く末への関心は高く、二時間の開催予定時間で終わらせることを住民は許さなかった。

 「県は本当に安全を考えているのか!」。会場から住民の声があがったのは、司会者の女 性が主旨説明をした直後のことだった。「東海第二原発について規制庁が審査した結果に ついて県民の皆さんが詳しく話を聞き、質疑の機会をつくることが安全安心に資するもの 」という一方で「それ以外(県のエネルギー政策、広域避難計画、再稼働の是非など)に ついての質問はご遠慮願いたい」という内容もさることながら、説明会の主旨を主催者で ある県が行わないことへの憤りもあったのではないか。住民の抗議をうけて県の原子力対 策課がようやく登場し、あらためて「今日のところは審査結果の報告に限らせてほしい」 とお願いする形になった。

 こうして始まった規制委による報告は、参加者に配った79頁に及ぶ資料をスクリーン に映し、そのすべてを滞りなく説明するというものだった。細かい技術的な話が続き、不 勉強な筆者には難しすぎた。


*規制委が示した図表

 終了予定時刻まであと15分となったころ、会場から「質疑の時間を作ると言っていたの にどうなってるんだ」と抗議の声があがる。

 司会者が30分延長することを告げ、質疑応答が始まった。「質問内容はあくまでも規制 委の報告にかかわることのみで」と念を押される中、多くの住民が手をあげ、七人が質問 をした。経理的基礎について、地震動について、ケーブルの交換について、設計上の問題 について等々、数字や技術的な用語が多い規制委の話に即した質問が多かった。


*ケーブルの開発の仕事をしてきた男性は「30年の耐用年数に20年プラスして耐えられるのか」と問う


*回答する規制委のメンバー

 規制庁の回答がどのようなものだったかは、動画の質疑応答を参照してほしい。

 「答えになってないよ」という回答が多い中、規制委の本音が垣間見れる一幕もあった 。「今日の説明でわかったことは、基準に適合しているということを証明しているだけで あって、再稼働して100%事故を起こさないという保証ではないということだ。これまでの 原発事故はすべて想定外。基準を超えることが起きたとき、誰が責任を負うのか」という 住民の問いかけに、規制庁安全管理調査官が「新規制基準は福島第一原発事故をふまえて 作成されたが、これが満たされたからと言って絶対安全が確保されたわけではない。原子 力の安全はどこかで終わりということではない。常に見直さなければならない」と答える 。それをうけて、技術的なことに限定せず、全体的をみて原発の安全性を判断してほしい という声があがった。


*質問する女性議員

 また「原子炉建屋が崩壊し、大量の放射能が拡散したとき、原電は放水によって拡散を抑制できるが具体的な効果は把握していないと言った。そういう原電 に任せてよいと判断したことを正しいと思うのか」という質問は、規制委の姿勢そのもの を問うていた。


*ひたちなか市から参加した女性。原発からの距離は10キロだ。

 「100万人近い人が避難しなくちゃいけないとか故郷を奪われるとか、そういうことを 覚悟しなくちゃいけない発電方法に、何故しがみつかなければならないのか」。その是非 を問うことはご遠慮願いますと言われても「とにかく再稼働はやめてほしい。その思いだ けでここに来た」という人は多かった。福島第一原発事故から得た教訓をどう生かすのか 。県は、住民以上に考えているといえるのか。安心安全の説明を規制庁に丸投げする茨城 県であり続けるなら、県民から見放されてしまうのではないだろうか。


*会場近くに立つ看板

 住民説明会はこの日を皮切りに、茨城県内の五市(東海村、那珂市、日立市、ひたちな か市、常陸太田市、水戸市)で開催される予定だ。


Created by staff01. Last modified on 2019-01-14 22:23:26 Copyright: Default

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